安全配慮義務違反の範囲を解説!コロナの配慮義務やパワハラとなる判例は?台風時の適切処置や罰則・慰謝料についてもご紹介

安全配慮義務は人々が健やかに働くために定められた職場が負う義務です。

しかし過重労働やパワハラによってその安全配慮が損なわれていることもあります。

その場合、自身もしくは従業員が事故や病気などのトラブルに繋がってしまう恐れがあるのです。

そのため自身を守るため従業員を守るためにも、企業と労働者の双方が安全配慮義務違反について理解を深める必要があるでしょう。

今回はそんな自身や社員を守る「安全配慮義務」についての違反の範囲から問題を解説します。

働く人を守る安全配慮義務

オフィス 仕事 同僚

安全配慮義務とは雇用主が守らなければいけない義務ですが、しばしば表に出ないところで問題となっています。

長時間労働による疾患や病気安全管理の不行き届きによる事故などです。

例えば月100時間越えの労働環境で過労死してしまったというケースもこれにあたります。

もしくは安全管理の滞った解体工事現場で転落、事故死してしまったケースなども少なからず耳にしたことがあるでしょう。

つまり安全配慮義務を軽視することによって人の健康が損なわれる、もっと酷ければ死にも直結してしまうのです。

そのためには雇用主はもちろん、従業員も安全配慮義務について知識を持っておくことが重要になります。

安全配慮義務違反に見当する範囲

考え 人 考えている人

安全配慮義務といっても曖昧な範囲で把握していることも多く、知らず知らずのうちに違反しているケースもあります。

しかし、安全配慮義務違反というものは明確に示されている範囲があるのです。

自身もしくは従業員を守るためにも労働契約法においての安全配慮義務と違反の範囲について改めて見てみましょう。

そもそも安全配慮義務に含まれるのは?

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そもそも安全配慮義務は従業員が心身ともに健康で安全に働けるかということがポイントです。

安全配慮する基準は労働契約法の第5条に定められた法律に基づいています。

労働契約法 第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。


引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=419AC0000000128

また、労働安全衛生法第3条には快適な職場環境を作ることや労働環境の改善を企業は努力する義務があるとも明記されています。

労働安全衛生法 第三条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。


引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=347AC0000000057

つまり会社は雇用形態や労働環境に関わらず、従業員の健康や安全を守るために多角的に配慮を行う義務があるということです。

基本的な労働時間はもちろん労働環境や安全管理労働条件や職場の環境についての改善も含まれます。

安全配慮義務に含まれることは以下の通りです。

  • 健康を管理する…健康診断の実施、病であった場合の労働環境の配慮
  • 労働環境を管理する…設備の管理、勤務中と通勤中の安全配慮(労災)
  • 労働時間を管理する…労働基準法に基づいて長時間労働とならないための配慮
  • 従業員を管理する…人員の配置や従業員同士のトラブル管理、職場環境など

もしこのいずれかが損なわれていた場合は安全配慮義務違反に見当する恐れがあるでしょう。

これは安全配慮義務違反!見当する範囲

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安全配慮義務に含まれる箇所から逆算すると、安全配慮義務違反に見当する範囲が見えてきます。

安全配慮義務違反に見当する範囲について例も交えて見てみましょう。

安全配慮義務違反にあたる範囲は以下の通りです。

  • 健康管理不足…病であったにも関わらず労働を強制したり配慮がない
  • 労働環境の管理不足…安全に業務作業をするための設備がない、労災がない
  • 労働時間の管理不足…残業が超過し、月100時間以上の労働がある
  • 従業員の管理不足…従業員同士のコミュニケーションが取りづらい、パワハラを黙認した

このように意外にも簡単に違反が起きやすい事柄も含まれていることがわかります。

安全配慮義務違反となった場合は違反による罰則はもちろん、慰謝料を伴う裁判になることもあるでしょう。

安全配慮義務違反による罰則と判例

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安全配慮義務は法律において定められた労働者を守るための法律です。

そのため、企業が安全配慮義務のいずれかの義務に違反した場合は法律において罰則が課せられます。

もし安全配慮義務違反があった場合を想定し、罰則について見ていきましょう。

責任が問われる安全配慮義務違反

じつは安全配慮義務の中には違反よる条文の記載はありません。

ただし、安全配慮義務違反は3つの民法において罰則が課せられます。

  1. 民法415条 債務不履行
  2. 民法709条 不法行為
  3. 民法715条 使用者責任

企業側が従業員への安全配慮がなかった場合、上記の民法に基づいて罰則が課せられるのです。

また、その安全配慮義務違反の程度や労働者の状況によって高額な罰則があるケースもあります。

案件によっては慰謝料請求も

安全配慮義務違反は企業が法的な面から罰則を受けるだけではなく、従業員に慰謝料を払わなければならないケースもあります。

例えば安全配慮がなかったばかりに従業員が健康を損ない、そのために掛かった費用などです。

安全配慮義務違反があると認められれば、それによる治療費や休業費用など様々面から企業側は慰謝料を支払うことになるでしょう。

安全配慮義務違反の判例

2015年に電通で起きた過労自殺の事件は安全配慮義務違反に見当するものでした。

新入社員であった女性社員は月に130時間の残業を強いられ、さらには上司にハラスメント行為を受けていたのです。

この一件は過労自殺であると認定され、電通は労働法基準法違反で書類送検されました。

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