公職選挙法違反とは!有権者の選挙違反行為や注意も解説

民主主義国家である日本では、毎年のようにどこかで必ず選挙が行われます。

選挙に関わる場合、公職選挙法の規定に基づいて活動することが不可欠です。

一方公職選挙法では、違反に当たる行為が多く定められています。このため違反行為について理解することが大切です。

今回は選挙での違反行為について、いろいろとご紹介します。

多岐にわたる公職選挙法違反の行為とは

候補者

選挙に立候補した候補者が活動する際、公職選挙法で禁止された行為を理解するのは不可欠です。

選挙で禁止されている行為は非常に多岐にわたります。

それでもどれか1つに違反するだけで、場合によっては懲役になることも多いです。

加えて候補者の関係者が違反行為を行えば、候補者も連座制で当選無効となります。

このため選挙準備と合わせて、違反行為について知るようにするべきでしょう。

買収行為

選挙の違反行為で比較的多く見られるのが、有権者の買収行為です。

金品と引き換えに有権者に投票してもらう行為で、時に不祥事としてニュースで報道されます。

候補の運動員が行った場合の刑罰は、懲役3年以下または50万円以下の罰金です。

なお候補者本人や選挙運動の責任者が行えば、懲役4年以下または100万円以下の罰金となります。

ちなみに多数の人間に買収行為を行った場合は、懲役刑のみで期間もより長いです。

飲食物を提供する行為

ハンバーガー

選挙事務所で食事を出す際も場合によっては違反行為になります。

提供して良いとされるのが、お茶やお菓子、事務所で食べるお弁当など最低限のものです。

あまりにも豪勢な食事を提供すると、上記の買収行為と同じような扱いになります。

このため選挙運動中の食事についても、注意を払うべきでしょう。

戸別訪問

選挙運動期間中に有権者の自宅を戸別訪問することも、買収につながるため禁止されています。

自宅以外にも、勤め先まで出かけて特定候補への投票を呼び掛けることも違法です。

挨拶状による選挙活動

候補者が有権者に対して挨拶状を送り、選挙活動することも禁止されています。

立候補の挨拶はもちろんのこと、暑中見舞いなどの時候の挨拶さえも厳禁です。

このほか、当選後のお礼の挨拶を兼ねた手紙も禁止されています。

ただし候補者の元に来た手紙や挨拶状への返事は問題ありません。

事前運動

選挙活動は告示日に立候補の届け出をしてから可能となる一方、その前の事前活動は禁止です。

具体的には候補者名を記したのぼりやタスキを使用した行為ができません。

ただし、タスキに「本人」と記されたものの使用はできるようになっています。

妨害行為

不審人物

選挙期間中の他陣営に対する妨害行為はもちろん禁止です。候補者の選挙行動の自由を侵害につながります。

具体例として、街頭演説の妨害・ポスターを破る行為・候補者への暴力行為などです。

ほかにも、候補者に対する誹謗中傷やなりすまし行為も禁止されています。

時間外の選挙運動

選挙期間中は活動できる時間が8時から20時までと決まっており、それ以外は禁止です。

決まった時間帯の範囲内であれば、車両や拡声器を使った活動を行っても問題はありません。

なお投票日当日は選挙期間に含まれないため、選挙活動は禁止となっています。

ポスターなど文書図画の頒布で気を付けるべき点とは

プロパガンダ文書

選挙運動を行う際は、ポスターなどの文書図画の扱いにも注意が必要です。

選挙で文書図画を扱う際は、以下の各点に注意を払うことが求められます。

ポスターは届け出たもののみ掲出できる

選挙期間中に掲示板でよく見かける候補者ポスター。実は選挙管理委員会に届け出たものだけが利用できます。

また枚数についても使用できる上限があるため、注意が必要です。

サイズについては、一定の大きさ以上にならないように配慮が必要になります。

ビラなどの頒布は告示日まで

選挙では公約を記したビラなどの頒布は告示日まで可能です。

逆に告示日を過ぎ、選挙期間が始まってからの頒布は禁止されています。

ビラなどの頒布は、選挙期間以外の政治活動であれば認められているためです。

2回までの新聞広告と選挙公報はOK

有料広告の発信は禁止である一方、回数制限つきの新聞広告選挙公報は問題ありません。

新聞広告は2回まで認められており、この際は新聞広告掲載承諾通知書が必要です。

なお新聞広告は自費負担である一方、選挙公報は公費負担となっています。

有権者であっても選挙違反の行為はある

投票所

ほとんどの人が有権者(選挙人)として選挙に関わるでしょう。しかし有権者であっても場合によって選挙違反になることがあります。

有権者にありがちな選挙違反の行為として主に挙げられるのが、以下のようなものです。

有権者でも戸別訪問は禁止

有権者であっても候補者と同じく戸別訪問は禁止されています。

例えば自分が応援している候補への投票を頼むために、知り合いの家に行くといった行為です。

ただし知り合いへの投票依頼が完全に禁止されているわけではありません。

公共施設や屋外で偶然出会った際に、投票依頼するのであれば大丈夫です。

18歳未満の人による演説やSNSでの拡散

有権者は18歳以上と決まっている一方、18歳未満の人による選挙活動は禁止されています。

例として、特定候補の応援で小学生や中学生にマイクを握らせるような行為がわかりやすいです。

また演説以外にも、18歳未満の人間がSNSを使って候補者を応援することも違法とされています。

特定候補などへの提供行為

さらに有権者が特定候補や運動員に提供する行為も禁止です。

この場合も、度のいきすぎた豪勢な食事を提供などすれば罪に問われます。

ただしお茶やお菓子など、最低限のものであれば問題ありません。

特定陣営から金品を受け取る行為

逆に特定陣営が配った金品を受け取る行為も禁止されています。

候補者などによる買収と知っていて受け取れば、買収に加担したとみなされるためです。

もし金品を提供してきた場合は、きっぱり断るのが良いでしょう。

替え玉投票

ほかにも有権者の代わりの投票する、替え玉投票も禁止です。

替え玉投票では本人の意思とは別の候補者に投票する可能性もあります。

その場合、本人の意思がうまく反映されないという点で選挙の趣旨に反する行為です。

電話やラインなどSNSを活用する際の注意点

SNS

選挙活動の方法は、街頭演説以外にも電話ネットを使ったやり方もあります。

電話やネットを使う際にも、以下のような点に注意すべきです。

選挙期間中に限り投票をお願いする

電話やネットを使った投票のお願いも、選挙期間中に限り認められています。

つまり告示日前や投票日当日は、直接依頼の場合と同じくお願いは禁止です。

特にLINEやFacebookなどで拡散行為をする場合はより注意が必要となります。

候補への投票を依頼する投稿を拡散する行為も、選挙期間以外は禁止です。

投票日前日中の投稿を当日に拡散する行為も違法となっています。

ちなみにSNSなどを使った依頼は、投票日前日23:59までであれば大丈夫です。

投票日当日は投票促進のみOK

投票日当日は特定候補への投票呼びかけは禁止されています。

ただしまだ投票に行ってない人に、電話などで投票行動を促進するのはOKです。

ただ投票を促進する際に、候補者の名前を入れないように工夫が必要となります。

企業や公務員が選挙違反した場合どうなる

役所

選挙活動に関わることに制限または禁止されている立場が、公務員や企業です。

もし公務員や企業が選挙に関わると、どのようなリスクがあるのでしょうか。

公務員の場合は懲戒処分で済まないこともある

公務員については、警察官や税務署職員など特定公務員であれば選挙活動自体が禁止です。

また行政職や教職員など一般の公務員でも、地位を利用した選挙活動は禁止されています。

例えば高校の担任が3年生に特定候補を応援するように呼び掛けるといった行為です。

選挙活動に関わった場合、軽ければ懲戒処分で済み、解雇されることはありません。

しかし買収などに手を出した場合は懲役刑のケースもあります。その場合は解雇もあり得るため、甘く考えられません。

企業の場合はやり方によって公職選挙法違反になることも

企業でも経営者や上司が部下に、特定の候補者の応援を呼び掛けることがあります。

もし部下が期待通りに動かなかったことを理由に差別する場合は、パワハラになりかねません。

また部下を買収などした場合は、違法行為として厳しく罪に問われることもあります。

仮に選挙を理由として罪に問われれば、会社の信用も下がり経営にも悪影響が出るでしょう。

まとめ

投票箱

今回は選挙活動での違法行為をいろいろと見てきました。

違法行為は公職選挙法で多く規定されており、買収や戸別訪問などが挙げられます。

また有権者であっても年齢や投票依頼の方法などで、違法にならないように注意が必要です。

このほか公務員や企業は、不用意な選挙の関わり方をすると将来が危うくなります。

選挙は有権者の代表を選ぶ大切な場であるため、違法行為を理解することは重要です。

本サイトの記事は犯罪に巻き込まれない、犯罪を未然に防ぐという観点から書かれたものであり、 実際に犯罪に巻き込まれた場合や身に迫る危険がある場合はすぐに最寄りの警察署までご相談ください。

■警察庁 各都道府県警察の被害相談窓口
https://www.npa.go.jp/higaisya/ichiran/index.html