振り込め詐欺救済法とは?返金対象や手続きの仕方を紹介

近年、様々な形で被害を発生させている振り込め詐欺。

そんな振り込め詐欺に関してお金が返って来る可能性がある法律をご存知でしょうか?

これを覚えておけば振り込め詐欺に巻き込まれた時に対応できる可能性があります。

今回はその振り込め詐欺救済法の情報について見ていくのでぜひ覚えてみてください。

振り込め詐欺救済法とは?

犯罪者

振り込め詐欺救済法とは犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律として記されたものです。

その目的は成りすまし詐欺架空請求詐欺などで預金口座への振り込みを利用したことで発生した被害額の回復となっています。

被害者は申請手続きをすることで加害者側が利用した口座を凍結した後、その口座から被害額を取り戻せるのです。

この法律は振り込め詐欺が多発し始めたことで2007年の12月に制定され、2008年の6月から施行されました。

ただ、認知度として近年でもそれほど高くないことが問題点の一つになっています。

振り込め詐欺救済法の対象

プリペイドカード

振り込め詐欺救済法は名称には振り込め詐欺と入っていますが、全ての振り込め詐欺に対応しているわけではありません。

  • 直接現金を手渡しする
  • 封筒等に入れて現金を指定先に送る
  • プリペイドカードの番号をメールやLINEで送信させる

成りすまし詐欺や架空請求詐欺では上記のような手口を使われることがあります。

そして、これらの手口を使われた時は残念ながら口座を経由していないので振り込め詐欺救済法の対象となりません。

例え相手側がこの詐欺によって発生させた利益を口座に振り込んでいたとしても取り返すことはできないのです。

返金を受けるためには振り込んだ相手の名義や口座番号などの情報が必要になります。

逆にいえばこの手口に似た手続きをおこなわせる場合は詐欺の可能性があるので、返金できないことと共に警戒しておきましょう。

振り込め詐欺救済法の手続きの仕方

書類を書く

それでは実際に振り込め詐欺救済法を成立させるための手続きを見ていきましょう。

①警察と金融機関へ被害報告をおこなう

ビル街

一番最初におこなうのは警察と振り込んでしまった金融機関に対して振り込め詐欺の被害に遭った報告をすることです。

金融機関への報告は各金融の相談窓口やウェブサイトからおこなうことになります。

相談時には詐欺師側の名義口座番号等を伝えるものです。

また、警察では被害届を提出することになり、届出が受理されると金融機関と連携して対応を始めてくれます。

②預金保険機構による公告

検索

振り込め詐欺が①の報告により発覚した場合、金融機関は詐欺に利用された口座を凍結させます。

そして、口座の名義を持つ者が預金を自由に使えなくする消滅手続きに移行するものです。

ただ、すぐに権利消滅させるわけではなく、まずは口座情報の公告預金保険機構のホームページに掲示されます。

公告とは政府や公共団体が法令上の根拠に基づいておこなわれる掲示のことです。

振り込め詐欺に用いられたと見られる口座情報は預金保険機構によって公告されることが法律で定められています。

口座情報の広告は60日間続き、期間内に名義人からの反応がなければ権利が消滅するものです。

詐欺師側が何か反応すれば追及でき、反応がなければお金の動きを封じられるので、どちらの場合も解決へ繋げられます。

③支払い申請をおこなう

連絡

名義人の権利が消滅すると、次は「分配金の支払い」に従って被害額の返金申請ができます。

金融機関に連絡をしていれば各金融の方から連絡が来るので、後は申請書や必要書類を用意して手続きを行えば良いものです。

また、先ほどの預金保険機構のホームページの公告でも「分配金の支払い」ができる状態を確認できます。

返金申請には期限があるので、なかなか連絡が来ない場合はホームページを確認して申請できる状態か確認してみましょう

④被害者ごとへの支払い

申請が受け付けられて支払金が確定した場合、被害額が返金されることになります。

ただし、詐欺師が利用した口座の残高が被害額よりも少なかった場合は全額返金とはならないものです。

また、個人であれば全額返金になっても複数人が被害に遭っている場合、こちらも全額返金とならないこともあります。

以下は被害者が3人である時のケースの例です。

  • 被害額は被害者Aが50万円、被害者Bが80万円、被害者Cが150万円で、詐欺師の口座が100万円とする
  • 被害者Aのみが返金申請した場合、被害額は50万円が返金される(被害額を越えて返金はされない)
  • 被害額AとCが申請した場合AとCの比率は1:3であるためAには25万、Cには75万が返金される
  • 全員が申請した場合はA:B:Cは1:1.6:2であるため、Aには21万、Bには33万、Cには42万が返金される

返金申請をした人数の被害額の比率によって返金額も変わっていきます。

振り込め詐欺救済法の注意事項

裁判

手続きだけを見ればそれほど難しいものではありませんが、実際に活用する際にはいくつか注意点があります。

報告及び申請はなるべく早くおこなう

先に書いたように振り込め詐欺救済法によって返金されるのは詐欺に使われた口座に残ったお金のみです。

多くの振り込め詐欺では振り込まれたお金はすぐに回収される傾向があります。

また、用意している口座も詐欺の度に変えることも考えられることです。

せっかく申請しても返金が被害額よりも少なくなる可能性があるため、詐欺とわかったらすぐに報告や申請をしましょう。

返金まで時間がかかる

振り込め詐欺救済法による一連の流れはおおよそ4~5か月程度かかります。

つまりは返金にたどり着くまでかなりの時間がかかることは覚えておいた方が良い点です。

口座については凍結が始まればそこから返金が減ることはありませんが、実際の返金までは長期戦であることを理解しておきましょう。

裁判における返金

こちらは振り込め詐欺に対して訴訟を起こして、返金を請求する場合の注意点です。

「分配金の支払い」によって返金された額については裁判で返金の額に含めることはできません。

つまりは全額返金されている場合は加害者側に二重の返金を求められないということです。

反対に50万円のうち25万円しか返金がなければ、残りの25万円に関しては返金を請求できます。

もちろん、慰謝料については別になるので、返金された額については請求できないと覚えておきましょう。

振り込め詐欺で口座に振り込まないためには

止まれ

最後に根本的な対策として振り込め詐欺によって口座振り込みをしないために大切なことを紹介します。

口座や自分に関する情報は教えないこと

口座の振り込みに誘導されるまでの過程で詐欺師側が口座番号や家族構成に関することを聞いてくることがあります。

しかし、企業や公共の施設が電話口や電子メールでそのような個人情報を聞いてくることは絶対にないことです。

情報提供を求める場合はきちんとした形式の手紙や公式サイトでの入力など個人情報の保護に配慮した方法を用います。

事情が変わったと言い訳すれば、それは間違いなく詐欺師なのですぐに電話を切る、返信しないといった対応をしましょう。

行動する前に情報確認をすること

詐欺師側は騙すために様々な理由を付けて偽わった情報を流してきます。

それを聞いて騙されないためにはすぐに行動に移すのではなく、ネット検索で情報を調べることが大切です。

もしも振り込みをしなければいけないレベルの事件や不具合が起こっていれば必ず大きなニュースになっています。

また、ネット環境をすぐに使えない状態や情報を集めるのが苦手な人は家族知人に聞くようにするも一つの手です。

オレオレ詐欺のような身内の成りすましも家族に聞けば騙されないものですし、第三者の意見を聞くことで冷静な判断ができます。

大金を振り込むような話をされた時は、一度情報確認のためにネットや周りの人を使うようにしましょう。

まとめ

貯金

今回は振り込め詐欺救済法に関する情報をまとめていきました。

振り込め詐欺に対抗できるありがたい法律である反面、早く行動しないと返金額は少なくなってしまうものです。

騙されないことが一番ではありますが、もしも騙された時は警察と金融機関への連絡を素早くできるよう心がけましょう。

本サイトの記事は犯罪に巻き込まれない、犯罪を未然に防ぐという観点から書かれたものであり、 実際に犯罪に巻き込まれた場合や身に迫る危険がある場合はすぐに最寄りの警察署までご相談ください。

■警察庁 各都道府県警察の被害相談窓口
https://www.npa.go.jp/higaisya/ichiran/index.html