働き方が多様化してきている現在、税金に関する知識も重要になってきています。
一方で所得隠しや脱税は、絶対に手を出すべきではありません。特に脱税には非常に重い刑罰が待ち受けています。
今回は所得隠しを防ぐ方法などを見ていきましょう。
所得隠しと脱税・申告漏れはどのように違う?
所得隠しは芸能人関係のニュースでも報道される内容です。所得隠しは税金の額をごまかすことでもあるため、よく脱税と一緒に語られます。
同じに見える所得隠しと脱税は、実は違いがあるものです。ここではまず所得隠しと脱税の違いをご紹介します。
所得隠しは脱税よりも軽微
所得隠しも脱税も実は意味自体は同じです。どちらも意図的に所得や税金の金額をごまかす行為を指します。
ただし所得隠しは、脱税に比べると比較的内容が軽い場合に使われる言葉です。
このため刑事罰の適用や当局による告発もなく、税法上の処分で済みます。
一方脱税は刑事罰が適用されるほど重い罪です。脱税は所得を隠蔽する行為でも、極めて悪質で金額が大きい場合に使われます。
申告漏れは単純な計算ミスによるもの
所得隠しや脱税以外に税金関係でやってしまう行為が申告漏れです。
これは確定申告の際にきちんと申告すべき所得を記入し忘れることを意味します。
例えば事業所得150万円以外にも、雑所得50万円を忘れて記入を忘れたなどの例です。
ただ申告漏れの場合は所得隠しや脱税と異なり、過失が原因で発生したものを指します。
このため、たとえ後から申告漏れが明らかになっても委縮する必要はありません。
所得隠しに対する罰則やペナルティとは
もし所得隠しが発覚した場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。
実は所得隠しになったからといって、懲役や罰金があるわけではありません。
ただし追徴課税という形で、追加で税金を払うことになります。
所得隠しの場合は加算税が発生する可能性
所得隠しは脱税と違ってあまり悪質さが認められない分、ペナルティも軽く済みがちです。
具体的には、加算税と呼ばれる税法で決められた追徴課税を支払います。
加算税にはいくつか種類があるため、万一に備えて知っておくと良いです。
所得隠しの場合は、過少申告加算税が適用されます。名前の通り所得や税金を少なく申告したことへのペナルティです。
なお加算税にはほかにも、延滞税や無申告加算税もあります。
延滞税は滞納した日数分の所得税や法人税に対して発生するものです。
また無申告加算税は、期限までに確定申告しなかった場合に発生します。
ただし無申告加算税については、税務署に指摘される前に確定申告すれば発生しません。
脱税の場合は非常に厳しい刑罰が
一方脱税の場合は、加算税のほかにも刑事罰が適用されます。脱税に対する刑事罰は、懲役10年以下または罰金1,000万円以下と非常に重いです。
脱税については法人だけではなく個人であっても問われることがあります。
上記の懲役刑や罰金刑は人生や事業に深刻な影響を及ぼす刑罰です。脱税には絶対に手を出さないようにするべきでしょう。
所得隠しすると時効も延長に
所得隠しに対するペナルティは加算税が発生することだけではありません。
実は国が徴収・調査対象にできる税金の時効にも大きく影響します。
納税関係と申告関係で時効があり、どちらも延長されるという内容です。
納税の場合は発覚すれば3年から7年に
まず納税関係については、本来3年のものが7年へと大幅延長されます。
例えば2020年に確定申告した場合は2023年に時効を迎えるのが普通です。しかし所得隠しが発覚すると2027年までと4年余分に延長されます。
時効が延長された期間は、国も対象年の税金を取り立てたり調査したりできる仕組みです。
申告の場合は3年から5年に
一方所得隠しが発覚した場合、確定申告については時効が3年から5年に延期されます。
延期された場合、申告内容について国は5年も調査できる権限を持てる仕組みです。
なお確定申告での時効延長は、期限後に申告した場合でも行われます。
厄介なことにならないように、確定申告は期限までにきちんと行うことが大切です。
所得隠しが発覚するタイミング
所得隠しは黙っていれば大丈夫のように見えます。しかし所得隠しが発覚する原因はいくつかあるため、やはり手を出すべきではありません。
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