ひったくりは誰もが巻き込まれる可能性がある犯罪です。
バイクなどを用いた犯行の場合、金品を奪われるだけではなく、抵抗して引きずられた被害者が大けがを負うケースもあります。
そんな恐ろしい犯罪・ひったくりに遭わないために私たちに何ができるのでしょうか。
この記事では、狙われやすい状況などを確認したうえで、ひったくりの被害に遭わないための予防法を紹介します。
ひったくりの犯行手口
本当に怖いひったくり
ひったくりは、物を持ち歩いている歩行者や、前カゴに荷物を入れている自転車に近づき、すれ違ったり追い抜いたりする瞬間にその物を奪って(ひったくって)逃げる行為である。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ひったくり
犯行は自転車やバイクなどに乗って行われることが多く、追いかけるのは一般的に困難とされます。
被害者は犯人の背中しか目撃できないケースがほとんどで、堂々と行われるにもかかわらず犯人の特定がしづらい犯罪です。
また、被害者が自転車に乗っていても被害に遭う可能性もあります。
金銭的な被害はもちろん、カバンごと盗まれてしまうため、手帳やスマートフォンから個人情報を盗まれてしまうことも。
さらに、カバンの中に自宅のカギが入っていた場合、強盗殺人や性犯罪など思わぬ事態に発展するケースも考えられます。
「たかがひったくり」と侮らずに、巻き込まれないための対策を行いましょう。
複数犯による犯行も
ひったくりを複数犯で行うのは、特に日中に多い手口です。
一人がひったくりを実行し荷物を奪い、他のメンバーが追いかけるのを阻止します。
偶然を装って被害者が追いかける道をふさいだり、被害者を案じて声をかけたりして実行犯が逃げる時間を稼ぐというもの。
繁華街などでこのような犯行に巻き込まれた場合、実行犯はすぐに行方をくらましてしまいます。
巻き込まれた場合はすぐに警察に通報しましょう。
狙われやすい人物
20代と高齢者が狙われている
ひったくり犯に狙われやすいのは高齢の方だと思っていませんか。
確かに、高齢の方の被害が多いのは事実です。しかし一番狙われているのは20代だという調査結果があります。
歩きスマホや、夜道のイヤホンなどで警戒心が薄いと判断されていることがその理由の一端です。
また、20代に次いで高齢者が狙われやすいとされるのは、体力のない高齢者からなら逃げ切れると判断するためです。
ですが、高齢者の場合は盗んだ拍子に被害者が転倒し「窃盗」以外の罪状がつく可能性が高くなります。
それを案じる卑劣なひったくり犯は、被害者が転倒しても大けがの心配が少ない20代を狙います。
女性が中心に狙われている
ひったくり被害の男女の内訳を見ると、被害者は圧倒的に女性が多いです。これは予想していた方も多いかもしれませんね。
理由としては、体力のなさと逃げにくいファッションが挙げられます。
ひったくり犯は荷物を奪った後逃げ去るまでのことを考え、追ってこられないだろう人を狙うのです。
歩きが遅い人が狙われている
これは歩く速度が問題というよりも、歩き姿に油断が出ていることが原因です。
当然ですが、ひったくり犯は荷物を奪いやすそうな人を狙います。
何か他の事に気を取られて歩くのが遅くなっている人は老若男女関係なく狙われることを知っておきましょう。
また、お酒で千鳥足になっている人も格好の餌食です。
お酒を飲んで帰る際は、タクシーを利用するなどして徒歩の距離を可能な限り短くすませましょう。
対策していない人が狙われている
ひったくり犯は警戒心の薄い方を狙います。「自分は大丈夫」と思っている方が危ないのはこのためです。
対策していないと判断されると狙われる可能性は高まります。
ひったくりへの対策は誰が見てもわかるようにすることがポイントです。
狙われやすい状況
ひったくりに狙われやすい時間帯・時期
ひったくりが起こりやすいのは夜間です。特に22時から24時にかけての犯行が頻発しています。
あたりが暗いことや、被害者が叫んでも助けが望めないというのが理由です。
人通りの少ない夜道で、背後からバイクの音が聞こえた場合はカバンをしっかりと持ち直し、警戒をアピールしましょう。
時期としては、給料日が集中する毎月15日前後、また20日から月末にかけては特に注意が必要です。
多くの方が銀行から現金を引き落とすタイミングは、ひったくり犯からすると狙い目なのです。
同じ理由で、一年の間ではボーナスが出る場合の多い夏と冬に、特に注意が必要だといえます。
ひったくりに狙われやすい場所
ひったくりが起こりやすい場所として、まず挙げられるのが先に挙げた人通りの少ない夜道。
周囲に防犯カメラがない場合はさらに狙われやすくなります。
さらに、その正反対ともいえる人の多い商店街などです。
その近くに銀行などがあると、出てきたところを狙われることもあります。
人が多い場所での犯行は意外に思われる方もいるかもしれません。
犯行が行われる要因として、人に紛れて逃げやすいという点と、夜道の場合ほど被害者が警戒していないという点があります。
ひったくりに狙われやすいその他の要因
ここではひったくりに狙われやすくなるといわれるポイントについて紹介します。
荷物を道路側に持っていること
これは特にショルダーバッグや手提げのカバンについていえることです。
道路側に持っていると、バイクなどでの犯行がしやすいため狙われやすくなります。
カバンの中身が見えていること
ひったくり犯の視点で考えた場合、中身が見えていない状態でバッグを奪うと金品が入っていないというリスクがあります。
しかし、財布やスマホなどがカバンの中に入っていることがわかっている場合、そのリスクはなくなります。
そのため、そうしたカバンを中心に狙うひったくり犯も多いのです。
カバン自体が高価であること
カバン自体が高価なブランドものである場合、中に金品が入っていなくてもカバンを売ってお金にすることができます。
そのため、高価なブランドバッグを持っているときは特に警戒をする必要があります。
ひったくりに遭わないための予防法
ひったくりに狙われやすい要因を踏まえて、被害に遭わないための予防法を紹介します。
簡単にできるものを紹介しますので、身近な方にも広めて被害を防ぎましょう。
カバンは壁や歩道側に寄せて持つ
これは明日からでもできる方法です。
壁側や道が狭い側など、ひったくり犯が通れない側にカバンを持つことで、被害に遭う可能性は低くなります。
不審な足音が聞こえたらカバンに手をかけるというのも有効です。警戒していることをアピールしましょう。
自転車のかごに入れるときは持ち手をハンドルにかける
荷物を自転車のかごに入れるときは、持ち手などをハンドルにかけておくこともひったくり対策になります。
ひったくり犯は素早く荷物を奪おうとするので、ハンドルをくぐらせなければ奪えないような荷物は避ける傾向があるためです。
時々後ろを振り返る
これは特にあなたが徒歩の場合に有効です。時々後ろを振り返ることで、警戒していることをアピールできます。
自転車に乗っている場合は、後ろを振り返っている隙に前カゴの荷物を奪われることも考えられますので、注意が必要です。
ひったくり防止グッズ
防犯ブザー
防犯ブザーはひったくり対策にも役立ちます。いつでも鳴らせるようにしておきましょう。
そうすることで、警戒心を示すことができます。
さらに、ひったくられてしまった場合も犯人をひるませることが可能です。
また、防犯ブザーは、周囲に異変を知らせることができます。
ひったくり犯が武器を持っていた場合などに周囲の人が駆け付けてくれるきっかけになれば、身の安全を確保できます。
自転車カゴカバー
自転車での移動が多い方はぜひ検討していただきたいのが、自転車カゴカバーです。
ネットのものよりもカゴ全体を覆い隠すものがおすすめです。
これがあることでカバンそのものが見えなくなりますし、ひったくり犯に手を出しづらくさせる効果があります。
安いものは100円ショップでも購入が可能です。
後ろカゴ用も販売されていますので、自転車の後ろに荷物を置く方は導入をおすすめします。
自転車ワイヤーロック
自転車の盗難防止にワイヤーロックを使用しているという方は、乗っている間それで自転車とカバンを繋いでおく手もあります。
見た目の抑止力はカゴカバーに比べ低いですが、荷物を奪おうとしたひったくり犯を諦めさせることができるかもしれません。
ひったくり防止のカギは警戒心!
この記事では、ひったくり被害に遭わないための予防方法を紹介しました。
一番のカギは警戒心を持つことです。
被害に遭わないために、日頃から対策を行いましょう。