近年男性から女性に対するDVの事件が後を絶ちません。
女性の4人に1人がドメスティックバイオレンス(DV)を受けたことがあるという驚きの結果も出ています。
自覚していても怖くて言い出せない場合や、DVをされても相手が反省するからと許してしまい、DVだと認識できない場合もあります。
もしあなたがDVを受けている自覚があるのなら、すぐに行動に移しましょう。
今回はDV男性の特徴やDVの原因、ループに巻き込まれてしまう理由といざというときの対処法をご紹介します。
DVかはわからないけれどもしかしたら当てはまるかもしれない…と思う方は、ぜひ本記事でDVについての知識を深めてください。
自分の身を守れるのは自分です。今すぐできることから始め、DVの被害に遭わない事が一番です。
これってDVかも…心当たりがある場合はまず証拠を取る
証拠が必要な理由
DV被害にあっているという証拠は周りに信じてもらうために絶対必要です。
些細な喧嘩であっても、暴力を振るわれたらそれはDVとして立証できる場合があります。
万が一怪我を負わされたのであればすぐに病院に行き、診断書を出してもらいましょう。
そして生命に危険を感じるようであればそのまま警察に行き相談してください。
最近ではDVの被害を捏造する人の存在が問題視されています。その為日頃から確実性の高い証拠を集める努力が必要なのです。
DV被害の証拠一覧
- 怪我をした写真
- 医師の診断書
- 壊れた家具
- 部屋の散乱状況の写真
- 暴言の録音音源
- 脅迫状の手紙類
いざという時の為に相手の行動でおかしいと思うようなことがあればすぐにその証拠となるものを見つけてください。
直接暴力を振るわれなくても、物を投げつけられたり暴言を吐かれたりしたことも後々証拠となることがありますし、DV抑止に必要です。
警察に相談する
警察は暴力や身の危険を感じることが実際に起こらない限り介入できません。
しかし相談には乗ってくれますし、DVの証拠があれば警告や見回りなどの対策は講じてくれます。
実際に止めてもらえなければ相談の意味がないように感じますが、「相談した」という事実があれば裁判所命令が出た際にも有利です。
エスカレートする前に逃げよう
証拠が集まった、もしくは生命の危険を感じるようであればすぐに逃げましょう。
逃げる=別居する、会わないということなので今後のために必要なものは持ち出す必要があります。
慌てて体一つで逃げるほど緊迫した状況でなく、相手が不在のうちに逃げられるようであれば、下記のアイテムは持っていく方が安心です。
- 現金
- 預金通帳と印鑑
- 健康保険証、母子手帳
- 常備薬
- 身分確認書類(免許証・パスポート)
- 当座の生活に必要なもの(子供の勉強道具など)
- 証拠類(診断書、被害届、音声音源、写真 など)
- 財産目録
とはいえ探すのに時間がかかったり、出ていくことを悟られてエスカレートする場合もあります。
くれぐれも相手に気づかれないようにするのが大切ですので、決して無理をしないことも覚えておいてください。
加害者を遠ざける方法
DV男から逃げた後は、連れ戻しに来られないよう自分から遠ざける方法があります。
これもすぐに対応できるわけではないので、あらかじめ事を起こす前に申請しておくと安心です。
- 保護命令の種類
- 保護命令の申請方法
- 保護命令違反時の罰則保護命令
ひとつつずつ解説します。
接近禁止命令
接近禁止命令とは以下のような命令です。
6か月間、被害者の住居(ただし、当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。)その他の場所において、被害者の身辺につきまとい又は被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近の徘徊を禁止する裁判である。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
警察にも相談しておくことでこの命令が厳守されない時、つまり相手を自分の身辺で見かけた時に通報すると、すぐに対処してもらうことが可能です。
前述しましたが、通報してすぐに対処してもらうためにも「DV被害で相談した」という事実は大切になってくるのです。
退去命令
退去命令とは以下のような命令です。
2か月間、被害者とともに生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近を徘徊することを禁止する裁判である。この制度は、被害者が暴力から逃れるために転居する時間を確保するための制度であり、加害者が退去した住居に引き続き被害者が居住することを想定した制度ではない。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
子に対する接近の禁止命令
被害者が未成年の子と同居している場合に、上記の接近禁止命令が効力を有している間、子の住居(被害者及び加害者と共に生活の本拠としている住居を除く)、就学する学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい又は当該子の住居、就学する学校その他その通常所在する場所の付近を徘徊することを禁止する裁判である。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
もしあなたにお子さんがいる場合、お子さんがDV被害に遭わないことも重要です。
現時点でお子さんが被害に遭っていないとしても、その恐れがある場合は施行してもらいましょう。
電話・電子メール等の禁止命令
このほか、加害者に対し「電話・電子メール等の禁止命令」を下すことも可能です。
加害者がオンラインや第三者を通じて連絡する可能性を排除できます。具体的には以下の項目を禁止させることが可能です。
- 面会の要求
- 行動の監視の事実を告げること
- 著しく粗野、粗暴な言動
- 無言電話、連続した電話やファックス、電子メール(緊急時を除く)
- 夜間の電話、ファックス、電子メール(緊急時を除く)
- 相手に著しく不快感を与える物の送付
- 名誉を害する事項を告げること
- 性的羞恥心を害する事項を告げたり、その類の文書・画像の送付
DV男性の特徴4つ
愛する人がDVをする人かどうかは、実際のところ分かりません。
しかし、DVをする男性には共通点や特徴があることが分かっています。
これを知っておくだけでも「人を見る」という点では被害に遭うリスクを低減できるかもしれません。
特徴①運転したりお酒を飲むと人が変わる男
運転中やお酒の席でDV男になりやすいか見極めることができます。なぜなら運転中やお酒の席は本性が出やすいといわれているからです。
運転中に暴言を吐いたり、運転が荒くなる人は要注意。
お酒の席で暴言を吐いたり、店員さんに上から物をいうような人は気をつけたほうが良いですね。
特徴②極度の寂しがり屋さんな男
DV男は寂しがり屋が多いのが特徴です。
DVは束縛や独占欲の延長として行われることが多いので、異常な束縛をしてくる彼氏には気をつけたほうが良いでしょう。
特徴③プライドが高い男
男性は比較的プライドの高い生き物ですが、DV男もプライドがとても高いです。
喧嘩した時に絶対謝らなかったり、自分の自慢ばかりしてすごい人間なんだとアピールしてくるような男は気をつけましょう。
特徴④物に当たる男
怒ったりイライラした時に物を壊すなど怒りの矛先を物にぶつける人はDV加害者になりやすいという特徴があります。
また最初は物だったのが、女性に向かって行く可能性があるのです。
DV加害者になる原因は?
DVをする原因として考えられるものを紹介します。
自分の思い通りにならないと気が済まない
DVの目的の1つは支配欲を満たすことです。
自分の思い通りに行かなかった場合、手っ取り早く要求を通せる暴力という手段を選ぶ人がDVをする可能性があります。
暴力を振るってもいいと思っている
正しい暴力もあると思い込んでいる人がいます。
暴力を振るう理由を「教育」として正当化する人がいますがそれはただの犯罪です。
暴力を振るうと自分の思い通りになってきた経験がある
今までに暴力で自分の主張を通してきた経験があればあるほど、次以降も暴力で解決しようとする可能性が高いです。
DVするのが自然な家庭環境
幼少期はその人の性格の一部を決める大切な期間です。
もしその時期に暴力が当たり前の環境で育っていたらどうでしょうか?
人を傷つけることに対して抵抗がなくなるかもしれません。
DVから逃げられない女性の特徴
逃げ出すことで今よりもっと恐ろしいことになるんじゃないかという不安
DVから逃げ出すことでさらに恐ろしいことになるのを怯えている人がいます。これは自然な心理でしょう。
しかし、そう思ってただ耐えるしかない状況というのは間違っています。
DV男に対して依存のような感情を持っている
DVをしてくる相手とはいえどやはり好きな人や旦那さんである場合、「私がなんとかしてあげないと」という感情になってしまう人も少なくありません。
女性の母性本能なのかもしれませんが、やはりDVをしてくる男とは距離を置かなければ幸せにはなりにくいでしょう。
DVを愛情だと勘違いしている
「暴力を振るうのは私を大切に思っているからなんだ」
愛情と勘違いする女性も多いです。
女性は「愛されている」と1度感じてしまうと、相手に対して依存してしまう傾向にあります。
DVされていることが恥ずかしくて相談できない
なかなか相談できない方が多いです。DVを受けているということは身内や友達には相談しにくいようです。
結婚したらどこの家でもこんなものだと受け入れてしまっている
結婚すると旦那さんと一緒にいる時間も増え、我慢しなければいけないことも増えるるでしょう。
周りも我慢しているから私も我慢しなくては…。
そんな風に考える人もいますが、暴力は犯罪です。
暴力を振るってくるようならば距離をとりましょう。
悩まないで、すぐに避難しよう
今あなたがこの記事を読んで少しでも辛い気持ちがあるならばすぐに行動しましょう。
今、辛くて悩んでいる時間がもったいないとは思いませんか?まずは誰かに話を聞いてもらうことです。
逃げる場所としては、暴力による被害を受けたDV被害者のための施設があります。
一時的な保護施設ではありますが、身内に頼れない場合はこういった施設があることを覚えておいてください。
婦人保護施設
婦人保護施設とは、DV防止法や売春防止法に基づいて都道府県が設置している女性と同伴児童のための保護収容施設です。
かつては売春防止法のために女性を収容保護するための施設でした。
しかし現在では生活に困難を抱えている女性やDV被害にあっている女性も保護の対象です。
全国39都道府県に49か所設置されています。
母子生活支援施設
母子支援施設とは、児童福祉法38条に基づいてつくられた施設です。
離婚等により生活が困難な母子や配偶者のない女子、夫婦が一緒に住めない事情のある母子を入所させ保護する場所です。
そしてその人達が自立できるよう、その生活を支援することを目的とした施設です。
民間の難民シェルター
民間団体によって運営されている施設です。夫の暴力からの一時保護を希望する人たちが利用します。
DV加害者が連れ戻しにくる可能性があるので、シェルター情報や場所は非公開です。
まずは 「配偶者暴力支援センター」や「福祉事務所」などに相談をしましょう。
本当に悩んでいるのなら相談しましょう
本記事ではDVから逃れる方法やDV加害者になる男性の傾向、そして前兆があっても逃げられない女性の特徴などを解説してきました。
これを読んでいるあなたがDVの被害に遭っていないことを願うばかりです。
もし被害に遭っていて、どうにかしたくてこの記事にたどり着いたのだとしたら、ぜひできることから始めてください。
暴力は犯罪であり、DVはエスカレートしていく可能性が高いといわれています。
あなたの人生は、例えあなたの愛する人であっても脅かしてはいけないのです。
ぜひ逃れるためにも「これはおかしい」と思った時点で何らかの行動を起こしましょう。
DV相談ナビ
Tel:0570-0-55210
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あなたがDVから逃れられますように。