マッチングアプリの詐欺で被害届けを提出するには?出会い系詐欺の手口を紹介

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真剣に恋人や結婚相手が欲しくて出会いを求めている人にとって、出会い系詐欺の被害に遭うことは絶対に避けたいことではないでしょうか。

国民生活センターによると、2018年出会い系詐欺の相談件数は前年からほぼ横ばいの約8,900件にも及びます。

さらに2019年も9月の時点で前年同期と大差なく、依然深刻な状況が続いているのです。

恋愛詐欺といえば昔は男性がターゲットの中心でした。

しかし近年では詐欺の手口や導入口も多様化し女性も被害に遭うケースが増えているのが特徴です。

男女問わず注意が必要な出会い系詐欺

『出会い系サイト』『マッチングアプリ』『SNS』のそれぞれによる手口を知ることで被害に遭うことを未然に防ぐことが出来ます。

この記事では出会い系詐欺の手口の詳細と対処法、そして警察に被害届を出すことが出来るケースについてご紹介しましょう。

出会い系サイトでの手口

まず、出会い系サイトでの詐欺被害の手口についてご説明します。

サクラサイトによる被害

出会い系サイトの利用者自体がサクラ(サイトの運営側が用意した、ユーザーにポイント消費させる目的の人物)によって構成されている事例です。

多くの出会い系サイトでは相手とメッセージのやり取りをする為にポイントを購入する必要があります。

つまり、実際に会うつもりのないサクラ会員がやり取りしてポイントをどんどん使わせるという従来型の詐欺です。

サクラは相手の心理をうまくついてメッセージを送ります。

ポイントがなくなる頃合いで「いつ会える?」や「文字化けして読めなかったからもう一回送って!」等と言ってきます。

会いたい気持ちが盛り上がりついつい課金して何度もメッセージを送ってしまう人が詐欺の被害に遭ってしまうのです。

しかしいくらやり取りをしても、相手はサクラなので実際に会える日は来ません。

キャッシュバッカ―に騙される

また、サイト自体はきちんと運営されていても利用者に詐欺師が紛れ込んでいる場合もあります。

出会い系サイトによっては女性利用者を増やす目的で、男性からのメッセージ回数に応じてポイントが受け取れる制度を設けているところも。

ポイントは換金したりプレゼントを受け取ったりすることが出来る仕組みです。

男性と会う気がないのにポイントの為に思わせぶりなメッセージを送りやり取りを引き延ばすキャッシュバッカ―』と呼ばれる利用者がいます。

『キャッシュバッカ―』の行為は法的には取り締まることが出来ません

少しでもおかしいなと思ったら、やり取りを止めるなど自衛するしかないのです。

悪質サイトへ登録させられる

「今後はここのサイトでやり取りしたい」などと別のサイトへ登録を促し、そのサイトが前述のサクラサイトであったり高額な登録料を請求されるなどの例もあります。

「ここのサイトで最近メッセージが届かないことがある」「確実に会えるようにする為自分がよく利用するこのサイトに登録して欲しい」などと言われたら要注意。

サイトでのやり取りではなくLINEでのやり取りに移行して信用させた後に話を持ち掛けてくる事もあります。

いくらLINEの交換をしたからといって簡単に気を許してはいけません。

出会い系サイトで詐欺に遭わないための対処

ではこれらの手口から身を守るためにはどうしたらよいのでしょうか?

それは以下の3つの方法で対処することできます。

  • ポイント購入制の出会い系サイトではなく、月額制のアプリを利用する
  • 規約に「キャッシュバッカ―行為の禁止」を謳っているサイトを利用する
  • 『別のサイトでやり取りしましょう』と言われても安易にURLをクリックしたり、登録しない

一番大切なのは冷静に判断し、少しでも「おかしいな」と思ったらそれ以上深入りしない事です。

詐欺師は非常に巧妙にしかけてきますので、最初から疑ってかかるという意識も持ちましょう。

マッチングアプリでの手口

次にマッチングアプリでの詐欺被害の手口についてです。

多くのマッチングアプリは免許証やマイナンバーカードなどの顔写真付き身分証明書での本人確認を行っているので、出会い系サイトより安心感があります。

そしてメッセージのやり取りはポイント購入制ではなく月額制。

そのため『キャッシュバッカ―』や『サクラ』が発生する余地のないところは魅力ですね。

しかしだからといって安心は出来ません。マッチングアプリでも様々な手口で詐欺被害に遭う人が後を絶ちません。

悪質サイトへの誘導

やり取りを通じて仲良くなった折りに『こちらのサイトが使いやすいから、登録して欲しい』などと言い悪質サイトに登録させる手口です。

デート商法

実際に会ってから被害に遭う詐欺の1つです。

仲良くなった異性から持ち掛けられて、高額商品(アクセサリー・不動産等)を買わされたり、高額な教材(英会話や副業等)を契約させられる手法。

購入後は相手と連絡が取れなくなるケースが多く、クーリングオフの期間は8日間なので騙されたと気付いた時には手遅れとなることも…。

また高額な教材と似た例で「誰でも儲かるビジネスがある」などと言って高額な投資や儲け話、ツール等を売りつけられるという例もあります。

結婚詐欺

マッチングアプリは結婚願望が強い人が多く利用しています。

結婚する気があることを匂わせて数ヶ月にわたって仲を深めていくことで信用させ、詐欺に及ぶ事例です。

これまで交際が上手く行っていたのに急に相手が結婚を渋り始めるのが特徴ですね。

「結婚に踏み切れない理由は借金があるから」とか「親や自分が重病で治療費がかかる」などと言い出しお金を騙し取ります

大金を渡してすぐに相手と連絡が取れなくなるパターンの他、1万~数万円ほどの少額を何度も要求され、大金に膨れ上がった頃に音信不通となるケースも。

後者は初めのうちは借用書を作り返金して「この人は信用できる」と思わせておいて詐欺に及ぶこともあり、巧妙かつ時間をかけてきます。

騙されている期間が長いので被害者のダメージも大きいといえますね。

マルチ商法やねずみ講への勧誘

自社製品を売った相手を販売員としてマージンを支払い販売ネットワークを拡大させていく連鎖販売取引(マルチ商法)や、ねずみ講に勧誘してくるタイプの詐欺。

連鎖販売取引は違法ではありませんが、連鎖販売取引だということを隠して勧誘する行為は違法ですし、ねずみ講はそれ自体が違法行為です。

マッチングアプリで詐欺に遭わないためには

実際に会える可能性が高いマッチングアプリ。優良で安全なサイトももちろんありますが、結局は自分で気を付けるしかありません。

以下の点を意識し、危険は常に身近にあるということを知っておきましょう。

  • 別のサイトに誘導されたら詐欺を疑う
  • 商品を売る・サービスへ勧誘する等の行為があったら警戒し、安易にお金を払わない
  • 付き合いが順調だと思った矢先にお金に困った様子を見せられたら詐欺を疑う

結婚詐欺を見抜く方法

結婚詐欺は時間をかけて恋愛関係を育んでいくので、騙される人が多かったり、最後まで気づけない人が多くいます。

逃げられてもなお、結婚詐欺だったと思わない人もいるでしょう。

しかしあなたの大切なお金と時間を犠牲にしないためにも、自然な恋人関係になった時点で次の事を実行してみてください。

渋ったりごまかしたりするようなら、それは本当の恋人とはいえません。

  • 免許証を見せてもらう。(顔写真と名前の一致、住所を隠そうとしないか確認)
  • 職場について質問(実在する会社か検索してみる)
  • 一緒に写真を撮らせてもらう(詐欺師は顔写真の流出を恐れ写真を撮りたがらない)

SNSでの手口

続いてはSNS時代になって出てきたFacebookやLINE、TwitterなどのSNSを使った詐欺です。

SNSではあなたの日常生活がむき出しになっているので、それを餌にメッセージのやり取りをして親しくなったところで詐欺を仕掛けてきます。

悪質サイトへの誘導

前述の2つの手口と同様に、SNSで親しくなったところで別の悪質サイトに誘導する手口です。

SNSに載せている趣味の写真など共通の話題で気を許しやすく、注意が必要になります。

直接会ってからの詐欺被害

『デート商法』『結婚詐欺』『ねずみ講』等SNSを通じて親しくなった人と実際に会うことで被害に遭う場合もあります。

SNSで詐欺に遭わないためには

自由に知らない人と繋がることができてしまうSNS。便利な半面、危険も大きいといえます。

次のようなことに注意して、安全にSNSを利用することを心がけましょう。

  • 知らない人からの友達申請は受け付けない
  • 『芸能人になれる』『儲け話がある』等の欲望につけこむ甘い言葉に乗せられない

警察に被害届を出せるケース

最後に、被害にあった時泣き寝入りせずに警察に被害届を出せるようにする為、抑えるべきポイントをご紹介します。

ポイント1・相手とのやり取りを保存

出会い系詐欺は恋愛関係のこじれとみなされ立証されにくい事案です。警察に相談する際は詐欺にあった証拠が必要となります。

相手とやり取りしたメッセージやプロフィール画面等をスクリーンショットで保存しておく、マッチングのきっかけや出会った日等の情報をメモしておくことが重要です。

ポイント2・レシートやお金を渡した経緯を資料に残す

デート商法が疑われる時は、購入したものと金額がわかるレシートや売買契約書をとっておきます。

お金に困った相手にお金を渡した時は日にちと金額を資料にまとめておく等、警察に説明しやすいようにしておきましょう。

被害届に書くべき事項

  • 被害者(届を出す本人)の住所・氏名・年齢・職業
  • 被害にあった日時
  • 被害にあった場所
  • 被害状況(詳しく書く必要があります)
  • 金品の損失の有無と金額
  • 詐欺師住所や名前(わかれば)
  • 詐欺師の見た目の特徴

被害届は記述が曖昧だと受理してもらえない場合があります。起きた事はなるべく詳細に記録しておきましょう。

残念ながら被害届を提出すれば必ず捜査されるわけではありません。

出会い系詐欺の場合、その時は捜査がされなくても同様の被害が多く報告されれば後から捜査開始することもあります。

被害にあったらまずは被害届を提出しましょう。

また、警察は刑事事件としての捜査はしても返金請求などには関わってくれません。

被害に遭ったお金を取り戻したい方は、消費者センターや弁護士に相談しましょう。

まとめ

出会い系詐欺の被害に遭う方は、真剣に出会いを求めるがあまり周りが見えなくなり、冷静な判断が下せない状況にあります。

しかし前もって詐欺の手口を認識していれば、「あれ?なんだかおかしいぞ」と気付くことが出来、被害を未然に防ぐことが出来るでしょう。

出会い系サイトやマッチングアプリは、男女ともに真剣に交際相手を探している利用者も沢山います。

詐欺に引っかからず良い相手を巡り合えるよう、慎重に利用したいですね。

今回ご紹介したことを意識して詐欺に遭わないよう、十分に気を付けてください。

本サイトの記事は犯罪に巻き込まれない、犯罪を未然に防ぐという観点から書かれたものであり、 実際に犯罪に巻き込まれた場合や身に迫る危険がある場合はすぐに最寄りの警察署までご相談ください。

■警察庁 各都道府県警察の被害相談窓口
https://www.npa.go.jp/higaisya/ichiran/index.html