日本は海外に比べて安全とされていますが、それでも物騒なニュースは毎日絶えません。
自分が被害に遭う可能性だってあるのです。そのような状況に陥った時、護身術を身につけておくと安心でしょう。
護身術と聞くと相手と戦うイメージがあるかもしれませんが、戦わずして身を守るのも護身術の内です。
そこで、誰でもできる護身術で犯罪から身を守る方法を解説しましょう。
犯罪から身を守る護身術
世界の中では治安が良いとされる日本でも、子供や女性・お年寄りを狙う卑劣な事件は後を絶ちません。
成人男性でも被害を受けている人はたくさんいます。
もし実際に襲われた時、恐怖でパニックになってしまうこともあるでしょう。しかし、それでは相手の思うつぼです。
相手はこちらが自分より弱いと思って襲ってきます。ならば、こちらは相手から自分の身を守る術を身につければ良いのです。
その身を守る術が、護身術になります。
護身術といえば相手と戦って撃退するイメージがありますが、決してそれだけではありません。
たとえ力がなくても、誰にでも身につけられるものなのです。
護身術はどうやって身につけ、どのように防犯に活かせば良いのでしょうか。
護身術にはどんな種類がある?
護身術には様々な種類があり、それぞれ魅力や特徴があります。
自分の身を守るためにもそれぞれの特徴を理解し、自分に合った護身術を選びましょう。
護身術には大きく分けて3種類あります。
危険をあらかじめ察知し近づかない
実は、護身術の基本は危険に近づかないことです。
体を使うことだけが護身術ではありません。
危険を察知し避けることができるか、危険と遭遇したらどのようにして逃れるか、助けを求められるか。
その対処法を事前に知って考えておくのが、最初の護身術なのです。
危険を感じて近づかないのは戦わない護身術といえます。
格闘技
護身術と聞いてまず思い浮かべるのは、主に格闘技ではないでしょうか。
合気道や柔道、空手、ボクシングなど自分に合った技術を身につけて相手を撃退します。
女性や子供は成人男性と比べると体格や体力の差があるため、格闘技をそのまま護身術として使用するのは難しいかもしれません。
ですが相手との距離感・攻撃力や防御力にも違いがでるので、女性が格闘技を習うことは無駄ではないでしょう。
相手は力が弱いと油断して襲う場合もあるので、格闘技の技術を身につけることで危険を回避できる可能性が高まります。
グッズを利用する方法
防犯グッズを使うのも立派な護身術の一つとなります。
代表的なものとしては防犯ベル、催涙スプレーなどです。
特に防犯ベルは相手を驚かせて撃退するのと、周りに助けを呼ぶ両方の効果があります。
大声を出して知らせる方法もありますが、いざこのような場面になると恐怖で声が出せなくなることも多いのです。
それに格闘技などの技術を持っていたとしても、人間は恐怖を感じると体が硬直して動けなくなることもあります。
たとえば痴漢で多くの女性が声を上げられないのも、恐怖で抵抗できないからです。
そのため、保険としてアイテムは持っておくことをおすすめします。
格闘技と比べて、女性や子供でも取り入れやすいものでしょう。
もちろん成人男性も持っておいて損はありません。必ず手持ちのカバンなど鳴らしやすい場所につけましょう。
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護身術の基本動作
護身術には様々な動作があります。
動作といっても、初級者向けから上級者向けと難易度も幅広いです。
ここでは比較的初心者でもできる、護身術の基本動作を5つ紹介しましょう。
手首返し
手首をつかまれると行動が制限されてしまい、必死に抵抗しても振りほどくことはまず困難でしょう。
むしろ体力が消耗するだけになってしまいます。体力を消耗せずに逃げられるのが手首返しです。
手首をつかまれるといっても意外と多くのパターンが存在しますが、基本となる手首返しを紹介します。
- つかまれた手を開き手前に引きつける
- 次に開いた手を反転させる
- 最後に指先を少し前方に伸ばしながら、すばやく返して相手の手首をつかみ返す
シンプルですが、これで手首を振りほどくことが可能です。
指折り
相手の指を1本つかみ、付け根の逆方向にねじる技を指折りといいます。
どの指でも効果はありますが、特に小指がやりやすいでしょう。
これを使えば、どんな体格の男性に掴まれても容易にはがすことができるのです。
また指を掴んでいる手を大きく振り回せば、相手を投げ飛ばすこともできます。
掌底(しょうてい)
自分から危険を遠ざけるため、相手を攻撃する場合もあるでしょう。
それなら手の平の下側にある肉厚な部分を使い、相手の身体を当て押したり突いたりする掌底がおすすめ。
危険から身を守るために、相手を殴って撃退するのは正当防衛の内です。
ですが、実際に人を殴ってダメージを与えるのは簡単ではありません。
頭部を拳で力いっぱい殴ると、むしろ殴った方の手の骨が折れてしまいます。
腹部でも腹筋を絞められた場合、手首の捻挫や骨折する可能性もあるので護身術としてはおすすめできません。
拳で打撃を与えることは格闘技の修行を長年積んだ男性でも困難なため、掌底の方が実戦向きです。
手のひら。柔道などで、当て身技に用いる部位としての名称。
目突き・目打ち
目突きは指先を相手の目に当てる技です。目は急所でもあり、少し当たっただけでもダメージになります。
相手の眼球を破裂させる必要はありません。すばやく指先で軽く触れ、その手をとられないようすばやく引くことがポイントです。
目打ちは、手首のスナップを利かせ指の曲げた部分で敵の目を打つ技です。
こちらもすばやく打ってすばやく引くことがポイントで、ドアをノックするときと同じ要領で行うとうまくいきます。
肘打ち
肘を相手の身体に強くぶつける肘打ちも有名どころでしょう。
人体の中でも肘はかなり固い部分なため、強打をしても簡単には骨折しません。
鍛えていない女性やお年寄りでも使用でき、相手が前にいるときでも後ろにいるときでも攻撃することができます。
※肘打ちは、後ろ多方向(上下横)に使える。身体を少し横にずらしてから打つこと。
接近戦で使えますが、相手が刃物を持っている場合は危険です。その時は使用しない方がいいでしょう。
もしも接近戦になったら!狙うべき人間の急所はどこ?
護身術の基本は近づかないことですが、実際に襲われて撃退する場合は接近戦になります。
たとえ技を知っていても、いざという時パニックになってしまうと使えません。事前に、急所を押さえておくことが大事です。
急所に当てれば、単純な技でも確実な効果がでます。急所とは、ダメージを追いやすい人体の部分のことをいいます。
人の中心である正中線も急所としてあげられますが、今回はもっと簡単に当てられる5つの急所を紹介しましょう。
正中線(せいちゅうせん)はヒトや動物の前面又は背面の中央を縦にまっすぐ通る線のことである。左右対称となる身体の中心を通る線ともいえる。
目
目に向かってモノを投げることで一瞬視界が遮られます。
ハンカチのような柔らかいものでも、一瞬視界が遮られている間に相手と距離をとることが可能です。
もし相手に手をつかまれてパニックで手首返しなどができなくても、目潰しは誰でもすぐにできるので覚えておくと良いでしょう。
人中
鼻と口の間のくぼんだ部分を人中といいます。この部分が強い衝撃を受けると呼吸困難や重度の外傷を負うことが多いです。
指で突いたりカバンや携帯電話などをぶつけたりと攻撃方法は様々あります。目突きや目打ちのように素早く当てましょう。
喉仏
男性の場合、喉仏も急所の1つになります。喉仏を強打されると、呼吸困難やひどいときは喉の内部が破壊されることがあるのです。
そこまでする必要はありませんが、確実にダメージは与えられますので撃退法として覚えておいて損はありません。
脛や膝
脛は当たると痛い場所で有名ですね。
思い切って蹴ればダメージを与えられますが、脛は固いところなので自分も怪我をする可能性もあります。
できれば靴で蹴ったり、固いもので殴打したりする方が良いでしょう。
意外と膝も急所とされています。膝は弁慶の泣き所という言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか。
こちらも靴や固い道具が相手の骨にまともに当たれば、かなり効果があるのです。
金的
ここもかなり有名どころでしょう。金的とは男性器のことです。
攻撃には大きく2種類あり、1つは手で攻撃する方法、もう1つは足で攻撃する方法があります。
足で蹴りあげるのも有名ですが、相手の足が前後に開いていると前にある足が邪魔になります。
その場合、うまく攻撃できないかもしれません。
そこで、手で金的を攻撃することも覚えておくとよいでしょう。
…とはいえ、女性の場合は手での攻撃に抵抗や嫌悪感がある人もいるのではないでしょうか。
そのような人は握りこぶしを作り、こぶしの小指側でスナップを利かせて打ち込むと嫌悪感が軽減されますよ。
武器になるアイテム
護身術の基本の動きや急所を押さえていても、体格や体力差があると力で負けてしまうこともあります。
そこで、もしもの時のために自分を守ってくれるアイテムを持っておくことがおすすめです。
護身用のアイテムはいくつか種類がありますが、持ち運びができて使用しやすい3点を紹介します。
スタンガン
スタンガンは、電圧を流すことで相手を撃退するアイテムです。大きな音や光を発し、防犯グッズの中では最強とされています。
使い方を間違えると危険なアイテムなので、扱いには気を付けましょう。特に子供には使わせないようにしてください。
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催涙スプレー
デモなどでよく使われるアイテムですが、これももしもの時に役立ちます。
スタンガンよりは使いやすく、女性にもおすすめです。
刺激物を含んだスプレーを相手に吹きかけることで激痛を与え、動きを封じることができます。
防犯ベル・防犯ブザー
護身術の種類でも紹介しましたが、女性や子供でも使いやすく取り入れやすいのが防犯ベルや防犯ブザーです。
カバンなどにキーホルダー感覚で装着できるものや、クリップで服に装着できるものまで様々なタイプがあります。
自分の生活シーンにあった防犯ベルを選ぶと良いでしょう。
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まとめ
護身術で身を守る方法として、護身術の基本や急所、アイテムを紹介しました。
たとえ「自分は大丈夫」と思っていても、いつ何が起こるかわかりません。
いざというとき、自分の身は自分で守るという意識を持っていることが大切です。
また、護身術は相手と戦うだけではありません。危険を察知し避けるのも十分護身術になります。
生活の中で少し危険を意識し、避けるだけで自分の身を守ることができるのです。