コンビニエンスストアのレジ前や金融機関の窓口でよく目にするカラーボール。
最近では防犯または護身用として個人で所有する人も増えてきています。
ただ、カラーボールを何となく認知している人は多いものの、まだまだ詳しく認識している人は少ないようです。
防犯に関わることですので正しい知識が必要!
そこで今回はコンビニなどでよく見かけるカラーボールについて、その防犯の意味や選び方、そして使い方を詳しく説明していきたいと思います。
また、カラーボールには使用期限があるので、この辺りもご紹介します。
カラーボールの防犯性
強盗や窃盗犯などに対して投げつけて、犯人の衣服や逃走車両、所持物に色を付けることにより、逃走を困難にしたり迅速な逮捕をサポートする役割を持っています。
防犯カラーボールとは、内部に特殊蛍光塗料が入った防犯用のボールを指します。金融機関や店舗等での防犯用に用いられ、犯行現場で犯人や逃走車に投げつけることで逃走犯の追跡や逮捕の手がかりをつくる代表的な防犯装備の1つです。
ですので、カラーボール使用後は警察にすぐに連絡して状況を伝えることが重要です。
犯罪後に使用することが多いため、事後的な用品ですが昨今では認知度が高まっています。
そして、置いてある(あるいは所持している)ことで犯行前の犯人を牽制し、犯罪の抑止にも繋がっているのです。
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カラーボールの種類
カラーボールの中身は?
カラーボールの中にはご存知の通り、染料(塗料)が入っていて、カラーボールの染料自体は乾く前に洗えば、落とすことができます。
ただ、特殊塗料が含まれているものが多くその特殊塗料は洗っても取れません。
染料は明らかに目に見えますが特殊塗料は一見分からず、特殊塗料のルミノール反応が警察の鑑識に役立ちます。
また、臭いの成分が含まれているものもあり、ターゲットにチーズの腐敗臭を付けるものや、バニラの香りを付け、警察犬が追跡できるようにしているのです。
カラーボールの用途による種類
カラーボールの種類は大きく分けると「備付用」と「携行用」の「練習用」の3つ。
ただし、備付用と携行用は一部区別して販売されていることもありますが、基本的には区別はなく、用途により種類が変わります。
それでは、それぞれの種類に関して簡単にご紹介しましょう。
備付用防犯カラーボール
店舗でよく見かけるものですね。個人宅で玄関などに配備している方もいるでしょう。
直径5.0㎝~7.2㎝の中から、目的に合わせて大きさを選びます。
直径の大きいものほど中に入っている染料(塗料)が多く、飛散量が大きくなるため、投げつけると広範囲に塗料が付く仕組みです。
一般的なものは大体10m四方に飛散するため、ターゲットに付着する確率を上げることができるというメリットがあります。
反面、使用後の片付けが大変になるデメリットも。
コンビニエンスストアや金融機関では大体7.2㎝のものが選ばれる傾向があるようです。
そして必ず2個セットで備え付けをし、有事にすぐに使用できるようにケースの蓋は非使用時でも開けておきます。
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携行用防犯カラーボール
個人で携行する場合が多く、持ち運びをするため直径5.0㎝の小さいものが選ばれます。
ただし、一般的には大きい方が比較的投げやすく当てやすくなりますね。
ちなみに、カラーボール携行用のケースも販売されていて、特に女性に人気があります。
最近では、ストーカー被害に遭っている、あるいは心配がある女性が防犯・護身としてカラーボールを携行することが増えてきているようです。
特に進学や就職などで知らない土地に引っ越して生活をする場合、携行しておくと少し安心ですね。
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練習用カラーボール
カラーボールをいざ使用という時に犯人あるいは犯人の逃走車両などにうまく命中させられるかが大切です。
一度も使用していないのに実践でうまく使用するのは難しいので練習が必要です。
防犯カラーボールと直径や重量が同規格になっていますので、実践を想定した練習が行えます。
また、カラーボールを使用した防犯訓練が行われることも。訓練をして実際にカラーボールを使っておくといざという時の役に立ちます。
カラーボールの使い方
当然ですが、カラーボール自体をどのように使うかが重要です。
正しい使い方をふまえて上述した練習用カラーボールで練習したり、防犯訓練などに参加して練習しておくことが好ましいでしょう。
それでは使い方をご紹介します。
使用時は二個持ち
使い方を知らないと、一つケースから取って、狙いを定めて投げる。
当たらなかったら、またケースから次を取って投げる、といったようになってしまいます。
ターゲットに印を付けることができる時間は限られているため、使用時は一球目、二球目と迅速に投げられるよう必ず両手に一つずつ持ちます。
なるべく早く投げる
投げるに際して狙いを定めることに時間が掛かってしまうと、ターゲットが離れていき命中率がどんどん下がります。
すぐに狙いを定めて、躊躇わず投げることが大切です。そのため、狙いの定め方を知っておくことが重要になってきます。
どこを狙うか?
どこを狙うかは、狙う対象によって違ってきます。
まず、犯人自体を狙う場合は、犯人の足元の路上を狙って投げましょう。
このことを知らずに犯人の体を目掛けて投げてしまうことがあります。
その場合、犯人の衣服などに当たっても割れないことがあるので、足元を狙うことが大事です。
逃走車両を狙う場合は直接車両目掛けて狙います。
人よりも狙いが大きいですが、発進してしまうと速度が速いためすぐに離れてしまいます。
そうすると命中させることが困難なので、なるべく発進前に投げられるように判断を素早くすることが大事です。
発進してしまった場合は、リアガラスなどの後部を狙いましょう。
30メートル以上離れると的中が難しくなるので、いずれにせよ、いかに早く投げるかが重要になってきます。
カラーボールの注意点
カラーボールには耐用年数があり、3年のものが主流です。
防犯カラーボールには、約3年の耐用期間があります。使用者の賠償責任保険が付いている製品でも、その保険期間は耐用年数とイコールになっているため、3年を目安に定期的な入れ替えを行うことが必要です。
耐用年数を過ぎると、中の塗料が硬化して使用時に塗料がうまく飛散しないことが考えられます。
また、外装の塩化ビニルやプラスチックが劣化して、取り上げた瞬間に割れてしまうこともあるので注意してください。
耐用年数に伴ってカラーボールに付く損害賠償保険も3年となっているものが多いです。
一度購入して備え付けておく、あるいは携行しておけば安心と考えている人も多いようですが、耐用年数、保険期間に準じた買い替えが必須。
耐用年数や保険期間はメーカーや商品により異なります。取扱説明書などで必ず確認するようにしてください。
また、損害賠償保険の付いていないものもありますので、購入の際には注意が必要です。
損害賠償の対象になるケース
市販されているカラーボールは損害補償保険が付いているものがほとんどです。
しかし付いていないものを購入すると実際使用の際に困ったことになり兼ねません。
もし犯行が起きていざカラーボールを使う段になった時補償が無ければ躊躇ってしまいます。
周りの人に塗料が掛かってしまったら、あるいは隣の建物の壁に塗料が付着してしまったらなど、考えていると投げる機会を逸してしまいます。
それではカラーボールの存在意義がありません。ですから、カラーボールには損害補償保険は必須なのですね。
しかし、損害補償があるからといって闇雲に使ってはいけません。
損害賠償の対象になるケースもありますので使うべき時と使うべきでない時という判断が必要です。
損害補償の対象になるのは正規の目的で使用した場合です。
つまり、強盗犯ではない人に意図的にぶつけたり、その際に周りにいる第三者の身体や財物に損害を与えた場合などは損害賠償が発生します。
クレーマーにカッとなって思わずぶつけてしまった…という場合にも損害賠償の対象となるのです。
他人に損害を与えた者が被害者に対しその損害を填補(てんぽ)し、損害がなかったのと同じ状態にすることをいう。
引用:損害賠償|コトバンク
あくまで防犯目的のものになるので、使用方法については店舗内でしっかりと取り決めをしておきましょう。
必要な時に使うという判断ができるようにしておくことが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
店舗でよく見かけるカラーボールですが、意外と知らないことが多かったのではないでしょうか。
身の安全に関わることですので、万一に備え正しい知識を持っておくことが必要です。
カラーボールには犯罪抑止の効果もあります。
しかし、本来の目的はいざという時に犯人へ印を付け逃走を困難にさせることや迅速な犯人逮捕をサポートすることにあります。
ですので、正しい使い方を知っておかなければなりませんし、使う時に正しい効果を発揮するよう備えておかなければなりません。
カラーボールは2個セット1,000円代から手に入ります。3,000円弱くらいが相場ではないでしょうか。
それほど高価なものではありませんので、耐用年数、保険期間をしっかり認識し、正しい配備・使用を必ず行ってください。
防犯の大切さを熟慮した時、カラーボールの有用性も見えてくると思います。
備えあれば患いなし。
より安心した生活を送れるよう、備えられるものは備えておきましょう。