足で踏むと大きな音が出て、泥棒などの不法侵入を防ぐのに効果的な、防犯砂利。
昼間は不在にしている住宅も多く、防犯に関心が高まる昨今、庭の砂利は防犯砂利にしているという家庭は急増しています。
「防犯砂利はどれくらいの効果があるものなのか、防犯として本当に必要なのかどうか分からない」
「防犯砂利を考えてはいるけれど、選び方や敷き方、デメリットもあるのかなど、防犯砂利の詳しい内容が知りたい」
そんな防犯砂利に対する様々な疑問に基づき、防犯砂利の効果・素材の違い・選び方・施工法・デメリットなどの情報をまとめて解説します。
防犯砂利の効果
防犯砂利は1つ1つの粒が大きく、踏むと約76dbもの大きな音を発します。
76dbというと電話のベルの音や掃除機と同じくらいの音の大きさ。
これらの音は、壁を隔てても聞こえてくるほどの大きい音です。
住居への侵入を考える犯人は、とにかく大きな音は立てず誰にも気づかれないようにすることを第一とするでしょう。
そのため特に犯人の侵入経路となる玄関周り・窓の下・家の裏側などには、踏むと大きな音が出る防犯砂利が役立ちます。
簡単に自分の存在が周囲に知られてしまう防犯砂利が敷かれていることで、犯人を家に寄せ付けない効果があるのです。
また砂利を敷くことによって、吹きさらしの土よりは雑草が生えにくくなるという効果もあります。
さらに防犯砂利は素材・カラーバリエーションも豊富なので、エクステリアとしても十分楽しめるというメリットもありますね。
防犯砂利の素材とは
ひとえに防犯砂利といっても、様々な素材のものがあります。
それぞれに特徴があるので、しっかり把握しておきましょう。
ガラス製
ガラス製の防犯砂利は、ガラスを高温で溶かしたものを発砲処理したもの。
多孔質でかなり軽いため扱いやすく、防犯砂利のなかでもガラス製のものが一般的です。
ホームセンターなど小売店で販売されている防犯砂利もガラス製が大部分を占めますが、石が脆く割れやすいという欠点もあります。
天然石
天然石をそのまま砂利にした防犯砂利です。
他の種類に比べると重いのですが、その重みによって、砂利が雨などで流れる心配がありません。
摩擦によって削れたり割れたりすることがないので、砂利の入れ替えや追加などのメンテナンスの手間がかかりません。
セラミック
セラミック製の防犯砂利は、他の素材よりも音が大きいのが特徴です。
硬さも十分あるので、簡単に割れることもありません。
さらに重さもあり流れにくいですが、天然石よりも軽いので扱いやすさも兼ね備えています。
セラミック製は各素材のいいところが備わった防犯砂利ですが、比較的高価なので、あまりに広大な土地には使用しにくいかもしれません。
岩石
火山溶岩を高温で焼いた防犯砂利で、エクステリア的には重厚感・力強さあふれる印象を醸し出します。
石が焼かれていて多孔質になっているので、天然石よりも軽いです。
硬さもガラス製よりあるため、割れにくく安心して使えます。
瓦製
瓦製の防犯砂利は他の素材よりも音が小さいですが、普通の砂利よりは大きい音なので、防犯効果もしっかりあります。
保水性が高い瓦の特徴を利用して、夏場は打ち水をしておけば周囲の気温を下げ、快適に過ごすことができます。
防犯砂利の選び方
防犯砂利の特徴は素材によって様々なので実際どのように選んだらよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは防犯砂利を決める際に考慮すべきポイントを、3つ紹介します。
家の外観に合うデザイン
たかが砂利だと思っていても、家の見た目や雰囲気は砂利次第でかなり左右されるものです。
家や庭のテイストに合う形・色・サイズはどのようなものか、ある程度デザインの候補を絞ってみましょう。
予算に合わせる
砂利は基本的に袋売りなので、砂利を敷く面積によって必要な量が袋単位で変わりますし、地面からの厚みが4〜5cmとなることが推奨されています。
防犯砂利の必要な量は、砂利の石の体積・敷く面積・必要な高さ(4〜5cmの厚み)から、おおよそ見積もることが可能です。
防犯砂利を敷く場所と予算をきちんと決めておいて、なるべくコスパが高いものを選ぶようにしましょう。
長持ちするものを
防犯砂利は石が割れてしまうと大きい音が出なくなり、防犯効果が低くなってしまいます。
例えばガラス製の防犯砂利は安価ですが、非常に割れやすい上に雨などで流されやすいため、頻繁に追加・入れ替えをしなければなりません。
それなりに重さと硬さがある、長持ちする防犯砂利を選ぶことで、長期的にみてコストを大きく削減できるといえます。
防犯砂利の敷き方
防犯砂利の施工は専門の業者もありますが、DIYとして自分で行うこともできます。
基本的な防犯砂利の敷き方は、どの種類でも変わりません。
以下の工程において必要なものがあれば、事前に準備してから取り掛かりましょう。
除草作業
まずは防犯砂利を敷く場所の除草をしておきます。
手作業で草をむしる場合は根までしっかりと抜いておかないと、すぐにまた生えてきてしまうのでご注意を。
草むしりが難しかったり範囲が広かったりする場合は、根まで枯らす除草剤などを使うと便利です。
防草シートを敷く
防草効果があるとうたっている防犯砂利でも完全に雑草が生えてこなくなるとは限りません。
砂利の下から生えた雑草は抜きにくく除草剤も浸透しにくいため、処理が困難です。
除草をしたらすぐに防草シートを隙間なく張っておきましょう。
防犯砂利を敷き詰める
防犯砂利は地面を薄く覆うだけでは石と石が擦れ合わず、大きな音は出ません。
前述した通り、地面から4〜5cmの高さを出して敷く必要があります。
天然石など比較的重さのある素材の防犯砂利を使う場合は人手が必要になることもあるので、計画を立てて施工しましょう。
防犯砂利のデメリット
踏むと大きな音が出て防犯に役立つ防犯砂利ですが、デメリットはあるのでしょうか?
防犯砂利を敷くことのデメリットは大きく2つに分けられます。
騒音になる可能性
約76dbもの防犯砂利の音は、夜間などの静かな時間帯に聞こえてくると、人によっては騒音だと捉えられてしまう可能性があります。
防犯砂利を敷くにあたり、玄関前のアプローチなど家に出入りするのに必ず通る部分は空けておくのが無難です。
メンテナンスの手間がかかる
ガラス製などの軽い素材の防犯砂利は比較的脆く、削れたり割れたりしやすいです。
石が割れてしまうと音が小さくなるだけでなく、石の鋭く尖った部分で怪我をしてしまう可能性があります。
また削れて粉々になった石の粉が雨水などで道路などに溶け出し、外観がかなり汚らしくなってしまうという欠点もあります。
割れやすい素材の防犯砂利を使用すると、小まめな掃除や砂利の追加・入れ替えが必要になり、それらを負担に感じる人も少なくありません。
メンテナンスの負担をなくすためにはなるべく割れにくい素材を選ぶことをおすすめします。
まとめ
空き巣や不法侵入の被害は、当事者はもちろんその地域に暮らす人々にまでも脅威をもたらします。
住居への侵入を防ぐためにできることはしておきたいですね。
防犯砂利は、気軽に取り掛かれる防犯のひとつです。
防犯砂利ならではの音の大きさや、脆い素材の場合は小まめなメンテナンスというデメリットはありますが、これらは対策次第で抑えることができます。
防犯砂利を敷くことは専門技術のない素人にも可能ですし、難しければ業者に頼むことができるので安心です。
家のセキュリティレベルを防犯砂利でワンランク上げましょう。