犯罪の抑止に効果のある防犯カメラは現代社会に欠かせないものとなりました。
オフィスや公的機関、商業施設や店舗などはもちろんのこと、個人の自宅や駐車場、そして庭などに設置するケースも増えています。
そして今では国内外の多くのメーカーから様々な防犯カメラが発売されていますね。
何を選べばいいのか、たくさんありすぎてわかりかねると困惑している人もたくさんいるでしょう。
この記事では屋外用のワイヤレス防犯カメラに絞って見ていきますが、必要に応じて屋内と屋外の違いや無線と有線の違いにもふれていきます。
屋外用のワイヤレス防犯カメラの購入・設置を検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
たくさんある防犯カメラ
多くの種類があるワイヤレス防犯カメラ。
設置場所や使用目的や重視する機能など選ぶ基準によって選択すべきワイヤレス防犯カメラの機種も変わります。
個別に見ていく前にまずワイヤレス防犯カメラそのものについて確認しておきましょう。
ワイヤレス防犯カメラのメリットとデメリット
まずワイヤレス防犯カメラのメリットとデメリットを確認しましょう。
メリット
ワイヤレス防犯カメラのメリットは大きく分けて次の3つです。
- 設置が楽
- 景観を損なわない
- コードが切れたり、絡まったりしない
1. 設置が楽
ワイヤレス防犯カメラの最大のメリットは配線する必要がないので設置が楽だということです。
基本的には置いて固定すればいいのですから手間がかかりません。
機種によっては業者に頼まず、個人で設置することが可能です。
2. 景観を損なわない
ワイヤレスということはコードがないので、景観を損なうこともありません。
3. コードが切れたり、絡まったりしない
コードがないので断線したり何かにからまったりということもありません。
つまりメンテナンスが比較的楽であるといえます。
デメリット
ワイヤレス防犯カメラのデメリットは大きく分けて、次の4つです。
- 電波が不安定な時がある
- 電源の確認が必要
- 高画質の映像の伝送に不利
- 録画機が必要
1. 電波が不安定な時がある
周囲の環境によって、電波が途絶えたりキャッチできなかったりすることがあります。
設置する時に受信状況を確認しておくことが必要です。
2. カメラの電源の確認が必要
ワイヤレスであっても、電力を供給する必要があり、電池式の場合は電池の交換を忘れずにする必要があります。
AC/DC電源の場合は電源の確保と接続が必要となり、電波はワイヤレスでも別途工事が必要になるケースも。
最近は太陽光を利用したものもあるので、太陽の光の当たるところに設置すれば、ほぼメンテナンスいらずとなります。
3. 高画質の映像の伝送に不利
有線に比べると、無線は通信速度制限があるため映像データの伝送の量や速度、距離において不利となります。
ただし最近はWi-Fiなどの無線環境が向上しているため、デメリットをかなりカバーできるようになってきました。
4. 録画機能が必要
ワイヤレス防犯カメラにはカメラ本体に録画機能がついていないものがほとんどです。
そのためハードディスク内蔵の録画機と一緒に使う必要があります。
ワイヤレス防犯カメラの選び方
ワイヤレス防犯カメラにもいろいろなタイプがありますね。
どんな場所でどんな使い方をしたいのかによって、おのずと選ぶべき機種は決まってきます。
機能で選ぶ
電源
1. AC/DC電源
AC/DC電源は設置できる場所が限られてしまいます。
電源からコードで電力を供給することになるので、自力で設置するのは難しい場合があるでしょう。
ただし1度設置してしまえば、停電などがない限り安定して電力を供給できます。
2. 電池式
設置が簡単なのが最大のメリットです。
無線式で電池式だと、基本的に設置するだけなので誰にでもできますね。
ただし、しっかり固定しないと防犯カメラそのものを盗まれる危険性もあります。
また、電池切れとなることがあるので定期的に確認することが必要です。
3. 太陽光の蓄電池
太陽光の蓄電池を電源とした場合には、設置も簡単で電池切れを気にする必要もなくなります。
ただし、充分な太陽の光が当たる場所に設置する必要があり、場所は限られてしまうので設置場所が限定されるでしょう。
カメラの機能
ワイヤレス防犯カメラでどの機種を選ぶかは必要な機能が付いているかどうかが大きなポイントとなるのです。
以下、使用する場所・目的によってチェックすべき機能を3つあげていきます。
1. 画素数
まず防犯カメラでチェックしなければならないのは画素数です。
ワイヤレスの場合、解像度の低いほうから順に27万画素・30万画素・92万画素・200万画素などがラインナップされています。
全体の雰囲気がわかればいいというのであれば27万画素でもいいでしょう。
人物の顔を鮮明に映したい、車のナンバープレートの文字を確認したいというのであれば、最低でも92万画素は必要です。
画素数が上がるほどに値段も高くなるので、どれくらいのものが必要なのか用途と目的を把握しておく必要があります。
2. 赤外線カメラ
夜間の使用、もしくは暗い場所での使用に最適なのが赤外線カメラです。
ほとんどの赤外線カメラの映像はモノクロとなっていますが、カラー撮影が可能なものもありますね。
ただし、金額はやや高めとなります。
3. 防犯灯カメラ
夜間でもカラーでの撮影が可能なカメラです。
また灯りがついているので、街灯や常夜灯としての用途も果たすため、カメラとともに明るさという点で防犯効果が期待できます。
4. センサーライト付カメラ
人がカメラに近づくと人感センサーが作動してライトが点灯されます。また、音声を流すことができる機種もあります。
犯罪を計画している人間への警告的な役割も果たすので、防犯という点でも意義のある機能といえるでしょう。
形状
カメラの形は大きくわけて2つです。
1. ボックス型(もしくはバレット型)
ボックス型をした防犯カメラは存在感があるので、犯罪を抑止する上での効果が期待できます。
映していることを形そのものでアピールするような形状となっているので、防犯という観点からはボツクス型はおすすめです。
2. ドーム型
ドーム型はバレット型に比べて、圧迫感がありません。
あまりものものしい雰囲気にしたくない、さりげなく防犯をしたいという人にとっては、おすすめの形です。
ボックス型と比べると、小型のレンズを使用しているので性能はやや落ちるかもしれません。
ただし、その分広角レンズとなっているため、1台で広範囲をカバーすることができます。
ワイヤレス
無線にもいくつかの通信システムがあります。
おもに次の2つです。
1.デジタル通信方式
2.4GHz帯の電波を利用したデジタル通信方式の最大のメリットはノイズの少ないクリアな映像を映し出してくれること。
また、電波の到達距離は遮るものがない、見通しのいいところで200メートル、木造の建物で使用する場合には約20m~40mとなっています。
2. Wi-Fi方式
Wi-Fiを通じてインターネット回線を利用して接続する場合の最大の利点。
それはパソコン・タブレット・スマートフォンなどによって外出先からも映像を確認できることです。
ただし、受信環境が悪いところで使用すると映像が途切れる場合があります。
屋外でおすすめの種類
屋外でおすすめの種類のポイントは4つあります。
- 防水・防塵機能は必須
- LEDライト搭載、もしくは赤外線カメラ搭載
- PoE給電を採用した防犯カメラセット
- バッテリー内蔵のワイヤレス防犯カメラ
1. 防水・防塵機能は必須
屋外型の防犯カメラは屋外型は風雨、場合によっては雪にさらされることになるので、防水機能が備わっています。
気温差も激しく常に外気にさらされているので、防塵機能は必須ですね。
長く使うことになるので、防水・防塵がしっかりとしたものを選びましょう。
2. LEDライト、もしくは赤外線カメラ搭載
夜も撮影したいのであれば、LEDライトが搭載されているものをおすすめします。
ライトの灯りが当たることによって、はっきり撮影することが可能。または赤外線カメラを搭載した機種が良いでしょう。
3. PoE給電を採用した防犯カメラセット
電源ケーブルを設置するのは大変ですが、PoE給電はLANケーブルを使うので、そこまでハードルは高くありません。
またインターネット回線を介してチェックすることになるので、パソコンやスマホなどによって外出先からチェックすることも可能です。
4. バッテリー内蔵のワイヤレス防犯カメラ
設置もメンテナンスも楽でバッテリー切れだけに注意すればいいので、手間をかけたくないという人にお勧めです。
ワイヤレス防犯カメラはDIYで設置可能か?
電源の配線は個人ではなかなか難しいですが、バッテリー内蔵のワイヤレス防犯カメラであれば、個人でも簡単に設置することができます。
防犯カメラで記録した映像をWi-Fiを通じてクラウドサーバーに保存することも可能です。
そのためクラウドサーバーと契約を結んで保存するサーバーを確保すれば、長期間に渡っての監視システムを手軽に構築することもできます。
また、PoE給電を採用した防犯カメラセットは家のベランダ・窓・軒下に設置するのであればLANケーブルを延長して繋ぐ方法もありますね。
個人でも十分対応することが可能でしょう。
設置の際の注意点
軒下か屋外かの確認
屋外でも軒下と完全な屋外とでは条件が変わります。
直接雨が当たらない軒下であれば防滴仕様、直接雨が当たる場合には防水仕様のカメラを選びましょう。
技適マークを確認
技適マークが付いていない無線機は違法となる可能性があります。
デジタル通信方式によるワイヤレス防犯カメラを使用する場合には技適マークがついていることを確認しましょう。
使用目的と使用場所にあった選択を
屋外用のワイヤレス防犯カメラについて紹介してきました。
ワイヤレス防犯カメラには様々な種類があり、値段にも幅があります。当然、高機能になるほど高くなるのです。
必要以上に高機能にする必要はありませんが、長く使うこと、防犯対策になることを考えると、目的に合ったものを選ぶのが良いでしょう。
そして品質が良くて、長く使えるものを買うべきですね。
ワイヤレス防犯カメラを購入する前にどんな目的で使うのか、そのためにはどんな機能が必要なのかをまず確認しましょう。
人目につく場所がいいのか・目立たない場所がいいのか、事前にどこに設置するのかを決めてその場所にあった機種を選ぶのがおすすめです。