ある日、駐輪しておいたはずの場所から、こつ然と愛車のバイクが消えてしまったら…
ほとんどの人はいったい何が起きたのか、瞬時に分からないのではないでしょうか?
やがて「やられた、盗まれた!」と気付いてパニックになるのに、そう時間は掛からないことでしょう。
もちろん自分のバイクが盗まれるなどとは、絶対に想像したくもない悪夢です。
しかしながらバイク乗りであれば身近な知り合いの中で、バイクを盗まれたことがあるという人を探すのはそう難しいことではありません。
それほどバイクの盗難は発生件数が多く、身近に起こる可能性が高い犯罪なのです。
では、どうしたら大切なバイクの盗難を防止することができるのでしょうか。
ここでは盗難防止アラームを効果的に利用した盗難防止策や、管理場所ごとの盗難対策なども徹底解説いたします。
バイク盗難の現状とは
バイクは車と違って数人いれば、人の力や小型クレーンでトラックなどに積み込んで簡単に盗まれてしまいます。
そのために自転車とならんで、非常に盗難件数が多い乗り物となっているのが現状です。
警察庁の犯罪統計によると、2018年における全国のバイク盗難件数は年間15,292件となっています。
そして犯人の検挙率はわずか10%程度しかなく、さらにその内でバイクが被害者に戻ってくるのは40%程度しかありません。
つまり盗難された場合に、バイクが戻ってくる可能性はわずか4%程度しかない計算となります。
それも元通りの姿のまま無傷で戻ってくることはまれでしょう。
バイクは盗難対策をしなければ盗まれる可能性が非常に高く、無事に戻ることはほぼないものだとしっかりと認識することが大事です。
警察統計によると盗難発生場所でもっとも多いのが「住宅」の敷地内で60%以上となっており、次いで「駐輪場」「道路上」となっております。
バイク盗難防止アラームとは
バイク盗難防止アラームとは、バイクにセットすると振動・衝撃・傾きなどに反応して大音量でアラームを鳴らす警報装置のことです。
大音量により犯人を威嚇するのはもちろんですが、何かしら異常が発生していることを周囲に伝えることで犯行を未然に防ぐことができます。
盗難防止アラームにはアラーム機能のみの装置もありますが、多くは他の盗難防止グッズに組み込まれている製品が多いです。
アラーム機能のみの装置
アラーム機能に特化した小さな装置で、見えづらい箇所に取り付け可能です。バイクが動かされるとセンサーが感知して警報が鳴ります。
アラーム付き南京錠
やや大き目の南京錠にアラーム装置が組み込まれたものです。通常はチェーンやワイヤーなどと組み合わせて使用します。
または、バイクを保管しているコンテナやガレージの扉の鍵としても使用することも可能です。
アラーム付きチェーンロック
あらかじめチェーンロックの接合部分に、小型のアラームが組み込まれています。
チェーンロックは頑丈な固定物とバイクを連結する、いわゆる「地球ロック」ができるので簡単な割には防犯効果が高いものです。
アラーム付きU字ロック
U字型をした金属製ロックの鍵差し込み部分にアラームが組み込まれている製品です。
U字ロックは取り付けが容易でタイヤが回ることを妨害するものですが、頑丈な固定物と連結させれば地球ロックにもなります。
アラーム付きディスクロック
ディスクロックとは、ブレーキのディスクローターの穴に取り付けて、タイヤが回ることを妨害する装置です。
非常に小型の装置なので持ち運ぶには便利ですが、構造上ディスクブレーキ搭載車にしか使用できません。
小型の割には取り外すことが難しいので効果がありますが、持ち上げられてしまえば効力はなくなります。
アラーム付きブレーキレバーロック
これはブレーキレバーを効かせた状態でグリップと固定して、タイヤを動かなくする仕組みの装置です。
比較的小型の装置なので手軽に携帯して使用できますが、やはり持ち上げてしまえば運搬できてしまいます。
イモビライザー
電子式ロックの一種で、エンジンキーにチップが入っており車体に内蔵されているイモビライザー本体とIDを照合します。
キーを近づけたり、差し込んだりする際にID照合ができないとアラームが鳴り、エンジンを掛けることもできません。
キーの違法な複製による盗難に対して効果が高いのですが、バイク本体と配線するので取り付けには専門知識が必要です。
基本的には車体のバッテリーから電源を取り、各種センサーも付いていて振動や傾きなどを感知してもアラームが鳴ります。
防犯効果を上げるおすすめの機能とは
ここでは、盗難防止アラームのおすすめの機能と注意点をご紹介します。
発生する音量が大きいこと
音により犯人を威嚇する、もしくは周囲に異常を伝達するのが目的ですので、大音量を発生する製品を選びましょう。
出来れば100dB(デシベル)以上が望ましく、車のクラクションがおよそ110dBです。
センサー感度の設定が可能なもの
アラームには通常オンオフの切り替えがついているので、状況に応じて作動しないよう設定できます。
センサーの感度を設定できるタイプもあり、わずかな振動や衝撃でアラームが鳴ってしまう誤作動を防止することが可能です。
リモコンやBluetoothでスイッチの切り替えや、感度の調整までも可能なタイプもあります。
アラーム部分が頑丈にできていること
アラーム部分が頑丈に作られていて、簡単に破壊されない製品を選んでください。
防水・防塵機能がついているもの
基本的に外で使用するものなので、しっかりとした防水・防塵機能は必須です。
電池が長持ちするもの
通常のアラーム装置は電池で作動するので、できるだけ電池が長持ちする製品を選んでおきましょう。
電池切れを防止するために、電池交換目安のLED点滅機能があるタイプは安心でおすすめです。
イモビライザーでも車体バッテリー切れに備えて、補助のバッテリーが内蔵されているタイプもあります。
アラームの自動停止機能があるもの
実は盗難防止アラームの最も多いトラブルに、誤作動した時の騒音問題があります。
誰かが間違えてバイクに触れてしまったり、ぶつかってしまったりしてもアラーム装置は作動してしまうのです。
そのまま鳴り続けてしまうと周囲の人にとっては迷惑な騒音となり、場合によっては通報されることもあります。
トラブル防止のためにも一定時間鳴り続けたら、自動的に停止する機能はあった方が安心でしょう。
通常は一度停止しても再び異常を感知すると、アラーム機能が復活して鳴るように設定できます。
防犯効果を上げる取り付け方法とは
どんな犯罪に対してもいえることですが、特に窃盗を防ぐには複数の盗難対策を併用するというのが、もっとも効果的な方法となります。
いくつもの盗難対策を仕掛けることで、窃盗犯に「盗むのは時間が掛かるな・面倒くさいな」と思わせることが一番の抑止力となるのです。
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