マルチ商法に勧誘された経験がある人も多いのではないでしょうか。
SNSが普及してからは、副業やMLMという文言とともにSNS経由での勧誘も増えてきました。
トラブルが後を絶たないマルチ商法ですが、知り合いとの人間関係なども悪化してしまう場合もあるのです。
こうしたトラブルに巻き込まれないため、どんな人が誘われやすいのか、対処方法もしっかりと身に着けておく必要があります。
今回はそんなマルチ商法にひっかからないための対処法をご紹介。
ひっかかりやすい人の傾向やマルチ商法の手口を知り、誘いを断る方法を身につけましょう。
誘われやすい人の特徴
マルチ商法では、人を誘って商品を売買するため、やってくれそうな人をターゲットに絞り込んでいきます。
むやみやたらにばらまいても効率が悪いからです。
勧誘方法は口コミやSNSなどを使っていきますが、ここからも誘われやすい人の特徴が見えてきます。
明るくて人気のある人
自分が何か欲しいとして、対応してくれた営業担当者が明るく元気な人なら、その話は聞きやすいし耳にも入りやすいでしょう。
ここが大きなポイントです。
明るく元気だと、周りにはいろいろな人が集まってきます。
集まる人の属性には、一定の決まりがあるわけではありません。
こういった人は、ネットワークを広く持っていると考えられるからです。
マルチ商法の組織としては、自分たちに利益が出てくると計算します。
自分自身でも、自分の周りにいろいろと人が集まると思っているので、そこに利があれば話に乗ってしまうかもしれません。
イベントごとが大好き
飲み会などのイベントがあると、すぐに乗る人は誘われやすいといえるでしょう。
よくイベントに参加する人の特徴は、フットワークが軽く、常に行動できる人です。
マルチ商法では、とにかく多くの人を勧誘しなければいけません。
行動力のある人ほど、人が集まる場所に行きやすく効率的に進められるので、ターゲットにされやすい特徴です。
素直に話しを聞く
人の話を聞くことは、仕事においてとても大事なことです。
ただし、なんでも素直に聞いてしまうというのは、マルチ商法のターゲットにされやすい条件となるでしょう。
素直にのめり込んでしまうケースが多いため、良い人と呼ばれているような人は、特に注意が必要です。
SNS大好き
マルチ商法では、とにかく人との接触が重要になってきます。
SNSを利用するケースも多く、成功させるための条件となってきました。
SNSをうまく扱える人は、上としても大事なコマになりやすく、勧誘しておくターゲットになるでしょう。
いろいろと教えるのが大好き
勧誘しただけではなく、そこから人の輪を広げていかなければいけません。
人に教えることが大好きな人は、自分が良いと思ったことならどんどんと広げていくでしょう。
教えるのが大好きなので、次の勧誘にもつながります。
効率も良くなるので、教えるのが好きな人は、マルチ商法の業者がターゲットにするのです。
マルチ商法は合法なのになぜ問題か
マルチ商法に勧誘するときに、合法だからというセリフを良く使います。
殺し文句ともいえますが、実際には違法な手法を取っていることがあるのです。
これに注意しておくだけでも、被害に遭わずに済むかもしれません。
マルチ商法は、法律的にみれば合法です。
これを盾にして勧誘してくるケースがあります。
その根拠となるのが、特定商取引法の連鎖販売取引と呼ばれる方法です。
商品を販売したり、権利を売ったりするなどいろいろありますが、売買で利益を上げているから合法となります。
ただし、組織構造は違法とされているネズミ講とそっくりです。
紹介などでネットワークを広げていきますので、ここに疑問を持つだけでも引っかからずに済むでしょう。
マルチ商法の勧誘で違法となるような行為はこれ
内容を伝えずアポを取る行為
久々に友人にあって食事に誘われたら、行ってみたら実はマルチ商法だったとします。
よくあるケースですが、これは違法です。
特定商取引で規制されていますが、勧誘前に必ず内容を伝えなければいけないとされています。
どのような契約内容で、商品などの種類まで事前に伝えることが必要であり、これを伝えずに誘うのは、特定商取引33条の2にある通り違法です。
誇大表現による勧誘
勧誘する場合、その内容にかかわる事実を正確に伝えなければいけません。
よくある誘い言葉に、「絶対もうかる」という一言があります。
これだけでは、本当かどうかわかりません。
説明がない状態を不告知と呼びますが、特定商取引36条の4にある誇大広告などの禁止に抵触する可能性が出てきます。
強引に勧誘される
断っても断っても、何度もしつこく勧誘されるケースもあるようです。
長い時間拘束され、契約するまで帰してくれないといった行為は、特定商取引38条の3に違反します。
契約を締結したくないと意思表示をしているのにもかかわらず、勧誘を続けたりする行為は規制されているのです。
そのため、はっきりと興味がないという意思を伝えてしまうのも断る方法でしょう。
断ったのにまた勧誘された
強引な勧誘に似ていますが、一度断ったら、再度勧誘してはいけないと規制されています。
特定商取引3条の2で、消費者が契約締結の意思がないと示しているのに継続して勧誘することを禁止しているからです。
訪問販売に関する内容ですが、マルチ商法にも適用されます。
こうした違法的な方法を取ってきたら、断るチャンスです。
そのためにも対策に通じる知識が重要になるでしょう。
勧誘してくる相手の心理をとらえ断る
相手に勧誘するメリットがないと思わせてしまうのが、断りやすい状況を作ります。
重要なのは相手がどのような心理状態なのか、把握するところです。
やる気を感じさせない態度を見せたりするのもひとつですが、これ以上の時間を掛けても意味はないだろうと判断させるのです。
無駄と感じさせてしまえば、こちらから断らなくても自然と手を引きます。
勧誘の間に質問も投げかけてくるでしょう。
相手が知りたいのは将来や収入に不安などお金が欲しいかどうかです。
こうした付けこむすきを見せなければ、勧誘も効率が悪いと判断し撤退していきます。
相手の心理を知ることが、被害に遭わないためにも誘われたときに断るためにも重要です。
マルチ商法の断り方はこれ!
マルチ商法に引っかからないこととともに、なにか怪しいと思ったら断る勇気が大切です。
引っかからないためのポイントは、勧誘の時点なのは間違いありません。
少しでも興味があると感じたら、相手はどんどん前に出てきます。
ビジネスの内容をはっきりと聞く
マルチ商法の勧誘は内容をはっきりと伝えてきません。
初めから素直に伝えれば間違いなく断られるからです。
できるだけ早い段階でどんなビジネスなのか、夢話ではなく現実的な内容を聞いてしまうといいでしょう。
これも断るための大事な条件となってきます。
相手も感づかれたと思えば、被害が広がる前に手を収めてくるからです。
マルチ商法にも商品にも興味がない
勧誘の効率が大事なマルチ商法は、興味がない人に延々と伝えてはきません。
ちょっとでも可能性をみて仕掛ける相手もいます。
それでも非効率と判断すれば時間を割こうとはしません。
こうした商売には興味がないとはっきりと伝えるのが断る手段のひとつです。
興味は、商品に対しても有効です。
一度使ってみてから判断してというのはマルチ商法の常とう句ですので、そもそも商品にも興味がないと伝える必要があるでしょう。
興味があるそぶりを見せるとそこから付け入ろうと考えますので、はっきり興味がないと認識させるのが重要です。
人付き合いが苦手と宣言する
マルチ商法は、ネットワークビジネスとも呼ばれます。
構造的にはネズミ講と同じで、人のつながりがネットワークとなりそこで商品を販売していくのが手法です。
つまり、人付き合いが苦手な人はそもそもネットワークの構築に向きません
人付き合いがはっきり苦手と伝えるだけでも相手はメリットが薄いと捉えます。
自分の下でもどんどんと販売してもらわなければ、利益につながらないからです。
会社が副業禁止と伝える
正社員に限定されますが、副業禁止規定があるだけで正業をやめなければマルチ商法に参加できなくなります。
黙っていればわからないと突っ込んでくるケースもありますが、こうした相手はすぐに問題だと気が付くでしょう。
副業禁止を盾にするだけでも誘っても意味がないと相手は感じますので、断りやすい一言です。
いったん現状を離れて帰る選択
勧誘されている場所に居続けるのが、そもそも大きな問題です。
なかなか返してくれない場合もありますが、その場で断りにくいのならいったん帰ってしまうといいでしょう。
これで時間の区切りがつきます。
家族と相談するのもありますし、一度持ち帰って検討すると伝えるのも方法です。
とにかく現状を離れて区切ってしまえば断りやすくなります。
目の前にいなければはっきりと伝えやすくなりますし、いっそ連絡を絶ってしまうのも方法です。
しっかりと調べてみることもできます。
帰してくれないのであればそれは違法な行為です。
知っていればしつこくしませんし、知らなければ断る口実にもなるでしょう。
とにかく目の前を離れ、区切りを付けてしまうのが大切です。
まとめ
いきなり連絡がきて二人で会いたがったり、だれか会わせたい人がいるというのはマルチ商法の危険なサインです。
突然夢やお金、ビジネスの話をはじめたりするのも同様でしょう。
いきなり社交的になって見せたりするのもどこかでマルチ商法の気配がしてきます。
気配を感じたらできるだけ早い段階で断ってしまうのが被害に遭わないポイントです。
権利収入の話や不労所得に関しても注意が必要な場合があります。
いきなり本を薦めてきたりした場合には、警戒しておくだけで巻き込まれてしまう危険を避けられるでしょう。
怪しい話にはなにか裏がある、そんな都合がいい儲け話はないと思うことも大切なのです。
今回ご紹介した点を覚えておき、万が一勧誘されてもうまく対処できるようにしておいてくださいね。