「ドアスコープ」は玄関の扉に標準装備されているものなので、多くの人が無関心です。
そして防犯上のリスクがあるということも、実はあまり知られていません。
今回は「ドアスコープ」にまつわる犯罪にはどんなものがあるのか、そして防犯上のリスクと対策について紹介します。
また、防犯性の高いドアスコープのおすすめや選び方も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ドアスコープとは
「ドアスコープ」とは、広角レンズを利用して扉を開けることなく来訪者を確認することを目的とした玄関に設置される確認用の窓です。
皆さんも玄関のチャイムが鳴った際、ドアを開ける前に「ドアスコープ」から誰かを確認することがあるのではないでしょうか。
小さな穴にはめられた魚眼レンズが広範囲を映し出すので、扉を開けることなく来訪者を確認することを可能としており、防犯の効果が得られます。
商品名は「ドアアイ」としているメーカーもありますが、ここでは「ドアスコープ」と統一して説明します。
「ドアスコープ」のサイズや価格帯
「ドアスコープ」のサイズは内径としてΦ12が最も普及している規格サイズです。
扉の内からの覗き見る接眼口と外を見る対物口の径はΦ15~23と種類があり、対物側の径の方が大きい商品が多いようです。
幅は扉の厚みに合わせて調整が可能で、22~55mmの調整幅の中から選ぶことになります。
視界については160°のものが普及されている商品としては最も多いです。
これ以上の視界を確保しているものもありますが、視界を大きくすればするほど像がゆがむのでどんな人なのか確認し辛くなります。
材質は銅合金をクロームめっきで仕上げている商品が多く、価格帯は税抜き送料別で2000円以下です。
「ドアスコープ」に関わる防犯上のリスク
「取り外し」のリスク
扉の外側からはしっかりと取付けられており、決して取ることが出来ないというイメージがありますが、取外しは比較的簡単にできます。
多くの場合扉の内側の接眼側に切り欠きがあり、10円玉などのコインで簡単に外すことができるのです。
プライヤーやペンチなどで外径部を掴んで回せば簡単に緩んでしまいます。
さらに径が小さいために取り外されていることに気付かずにいることも多いようで、そこから犯罪の被害者になってしまう可能性もあるのです。
「覗き」のリスク
「ドアスコープ」を外した穴からの「覗き」のリスクがあります。
直接覗いたり、過去にはCCDカメラを挿入されて撮影されるといった被害もありました。
特に若い女性が1人暮らしをすることの多いワンルームマンションでは、注意が必要です。
玄関からバスルームまでの距離の短いので、風呂上りの姿を覗かれたり盗撮されたという事例がネットでも多く報告されています。
「空き巣」のリスク
さらに「ドアスコープ」の穴から針金状の工具を入れて、ドアの内鍵のつまみ部(サムターン)を内から回して解錠することも可能です。
これにより「空き巣」が部屋に侵入するという事例もあり、「ドアスコープ」の防犯性を高めるのは必要な対策といえます。
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「リバースドアスコープ」悪用のリスク
また、この「ドアスコープ」から家の中の様子を確認することができる「リバースドアスコープ」というものがあります。
本来、留守にしている時に侵入した空き巣犯などに鉢合わせないよう、事前に家の中に人がいないことを確認するの為の防犯グッズです。
「ドアスコープ」は魚眼レンズで対物側から逆に観ても像が小さくなり過ぎて何も見えません。
そこで単眼レンズである「リバーズドアスコープ」を扉の外から「ドアスコープ」に重ねます。
すると望遠鏡のように通常の視界となり室内が丸見えになってしまい、犯罪行為に使われる可能性も。
リバースドアスコープと呼ばれるアイテムを用いることで、外側からでも住宅内がのぞけるようになってしまいます。
実際に、本来は防犯グッズとして販売されているのもかかわらず「覗き」や「空き巣」に多く利用されてしまっているのが現実です。
「リバーズドアスコープ」も税抜き送料別で3000円以下で販売されており入手が用意なのもリスクを大きくしています。
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「ドアスコープ」の防犯対策
意外と防犯意識が向かない「ドアスコープ」ですが、犯罪リスクについてお分かりいただけたかと思います。
ではどうすればこれらの犯罪を未然に防ぐことができるのでしょうか。
ここからは「ドアスコープ」にまつわる犯罪の対策を紹介します。
「覗き」対策
扉の外からの「覗き」を防ぐ為に、接眼口にカバーを取り付ける商品があります。
扉の外を見たい時だけ接眼口のシャッター状のカバーをスライドし扉の外を見るので、外側からは常に目隠しがされている状態です。
物理的に光を遮るので、カバーを閉め忘れなければ「覗き」を防ぐことができる優れもの。
ドアスコープに施せるのぞき対策のなかで、もっともシンプルで効果的なのが、専用の目隠しカバーです。内側ののぞき口に取り付けて使用します。
これを使えば「リバーズドアスコープ」による「覗き」も防ぐことができますね。
税抜き送料別で1000円以下で販売されています。
「取り外し」対策
プライヤーなどで外から緩める「取り外し」対策として、外側からの回転に空転する防犯タイプの「ドアスコープ」が有効です。
価格も通常タイプに対して高くもありませんし、工具を使って外される危険がないため防犯効果は高いといえます。
「解錠」対策
「ドアスコープ」を外から外し、空いた穴から工具を入れてドアの内鍵のつまみ部(サムターン)を回して侵入する「解錠」の対策もできます。
これには「サムターンカバー」という商品がおすすめです。
ドアのつまみ部であるサムターンより大きな径のカバーを取り付けて、垂直方向から物が直接触れられないようにするもの。
すぐに補助錠を設置するのが難しければ、サムターンカバーを利用する方法も。外部から接触できないようにサムターンを保護するカバーで、数百円の簡易なものから数千円のものまでタイプはさまざま。ホームセンターなどで手に入ります。
透明なアクリル製やポリカーボネート製の商品があり、工具も必要とせず取り付けも簡単なので、女性にもおすすめです。
価格も税抜き送料別で500円程度とお手頃なので、すぐにでも対策できます。
「ドアスコープカメラ」も防犯に有効
「ドアスコープ」にまつわる犯罪は実は気づかないうちにやられている…ということが多いようです。
そして一度成功すると、特に覗きの類では繰り返し行われるケースがあります。
これには犯行の様子を撮影することができる「ドアスコープカメラ」もおすすめです。
自分で取付可能
「ドアスコープ」の穴にCCDカメラを設置します。
「ドアスコープ」を外した穴にCCDカメラを設置するので扉の外からではカメラなのかどうか判別できません。
また、自分で取付可能なモデルも多く電池タイプで配線不要なモデルもあります。
「ドアスコープカメラ」は録画も可能
「ドアスコープカメラ」の利点としては、モニターに扉の外の映像が映し出されるので、玄関まで行かなくても済むことです。
モーションセンサーや音センサーによって、扉の外で動きや音がした時に録画が開始する機能のあるモデルも出ています。
留守にしている間や就寝時に玄関の扉の外での異常を記録することが可能となり、犯罪の証拠としても使える点でもメリットです。
価格帯は機能にもよりますが、3万円台からラインナップされていることがほとんど。
最近はドアフォンにカメラも付いていますが、「ドアスコープカメラ」は玄関の扉の前に起きていることを記録することが可能です。
嫌がらせやいたずらなどにも有効といえます。
近隣住民とのトラブルの心配もなし
玄関の天井から取り付けられる防犯カメラでも当然録画が可能です。
しかしこの場合は、近隣住民との間で「個人情報保護」の観点でトラブルになることがあります。
(出勤・登校や帰宅の時間が録画されてプライバシーが侵されるというようなクレームを受ける。)
一方、「ドアスコープカメラ」の場合は、外からはカメラが設置しているか判別できませんので近隣住民とのトラブルの心配もありません。
「ドアスコープ」のおすすめの選び方
このように「ドアスコープ」を狙った犯罪は意外と身近に潜んでいるものです。
特にワンルームで1人暮らしの方などは、犯罪被害にあわないためにも「ドアスコープ」の防犯対策をおすすめします。
防犯対策といっても、色んな方法や 防犯グッズ、そして「ドアスコープ」自体の防犯性も様々ですので、目的に合わせて選ぶと良いですね。
もちろん併用することもできますので、防犯対策として始めてみてはいかがでしょうか。
比較的リーズナブルでできる対策
- 「覗き」対策として、「ドアスコープカバー」を取り付けましょう。
- 「取り外し」対策として、空転する防犯タイプに交換しましょう。
- 「解錠」対策として、「サムターンカバー」を取り付け侵入を防ぎましょう。
もし予算が許すのなら
- 「ドアスコープカメラ」の設置を検討しましょう。
電池タイプであれば配線が不要で手軽に設置することができ、リビングなどでモニターを見ることができます。
まとめ
今回は犯罪につながるとは思われていない「ドアスコープ」についてお伝えしてきました。
「ドアスコープ」は玄関の扉に装備されているのが当たり前なので無関心な人が多いですが、防犯上は対策が必要です。
予算3000円以下でもすぐに取付可能ですので早急な対策をおすすめします。
ストーカー被害や近隣トラブルなど、身近な危険も考えられる今だからこそ、犯罪被害にあわないための対策が必要なのです。
本記事を参考にぜひ防犯意識を高めてください。
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