「好き」「愛している」そんな恋愛感情に付け込み宝石や骨董品・不動産など多額の商品を買わせ、消息を絶つデート商法。
女性だけでなく男性にも被害者は多く、SNSの発達により手口は巧妙化しています。
今回はそんなデート商法の被害にあわないために、狙われやすい人の特徴や手口や対策を徹底解説しましょう。
デート商法に遭わないための対策
そもそも、デート商法をしてくる詐欺師に出会わないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
対策を知っておくことで、詐欺師に出会ってしまう確率を大幅に減らせます。
出会い系サイトの利用に注意する
マッチングアプリで知り合った女性の勤務先の宝石店に案内され、アクセサリー購入の勧誘を受けました。「後に結婚するときに使える」と言われたり、複数人から勧誘を受けたり、断りにくい雰囲気だったこともあり、ダイヤモンドを購入しました。
引用:マッチングアプリで知り合った女性にダイヤモンドを購入させられた(国民生活センター)
デート商法に引っかからないためには、まず出会い系サイト自体を使わないのがベストです。
とはいえ、それは難しい話でしょう。本来出会い系サイトは、結婚や恋愛に真剣で出会いが欲しいから使うものです。
出会いの場が出会い系サイトでしかないのに、デート商法対策のために使えない…という悲しい話になってしまいます。
使うのであれば、かなり注意して使いましょう。
信頼できる大手のサイトだけを利用する・趣味ははっきり書かない・美形すぎる人と交流しない…などの対策もしておくべきです。
趣味をはっきり書かないというのは、詐欺師は自分の趣味を徹底的に調べ上げ、「理解がある」というアピールをしてくるため。
生きがいとも呼べる趣味に理解を示されると、人間は嬉しいものです。
信用させる入り口を自分から提供してしまうことになるので、極力書かないようにしましょう。
事前に対策をしておくことで、詐欺師と出会わないようにすることができます。
関連マッチングアプリの詐欺で被害届けを提出するには?出会い系詐欺の手口を紹介
SNSで知り合った人とは信用できない限り会わない
SNSで知り合った相手とはリアルな場では出会わないようにしましょう。
…とはいえ、結婚や恋愛面での出会いを必要としているのに、会うなというのは筋が通りません。
そもそも今の時代、SNSがなければ友達を作ることすらままならない時代です。
会わなければそれに越したことはありませんが、それでは出会いを得られないのであれば会うのも選択肢の一つです。
要するに「SNSで知り合った人と会ってはいけない」のではありません。
「信用できるか見極めない状態で会ってはいけない」のです。
特に、まだ知り合って間もない人と早速会うのは避けてください。
相手のことをよく知らない内に会うと犯罪に巻き込まれるリスクが増えます。SNSは、嘘のプロフィールを書けてしまうからです。
男性なのにSNSでは女性として活動する人、プロフィールと全く事情が違う人というのはデート商法ではなくとも存在します。
会うのであればSNS上のみで時間をかけて相手と交流し、本当に信用できるかどうか見極めてからにしてください。
デート商法の手口
ここでは、近年増加しているデート商法の手口とその手順についてご紹介します。
そもそもデート商法の手口はどのようなものなのでしょうか。体験談などから、その大まかな手口をまとめました。
積極的にアプローチ
まず、詐欺師はターゲットを見つけたら積極的にアプローチして、ターゲットを信じ込ませようとしてきます。
電話やメールを用いたやりとりで関係を深めるところから始めることが多いです。
その間に詐欺師は相手のことを徹底的に調べて、より信頼されるように関係を築きます。
デートに誘ってくる
そして、信頼関係を築いたらデートに誘ってきます。
日時や場所を細かく指定し、デートという名目で相手に警戒心を抱かせないようにするのも余念がありません。
お店でお金の話をしてくる
待ち合わせ場所で会い、ある程度デートをして詐欺の雰囲気を感じさせないようにしてきます。
そして、最終的に喫茶店や高級料理店でお金や商品の話を持ち掛けてくるでしょう。
売りつける商品は投資用マンションや絵画、洋服、宝飾品など多岐にわたる。
引用:その出会い「デート商法」?…コロナ禍で広がるネット婚活、潜む危険
お金を受け取った後逃げる
そしてターゲットに買わせた後、しばらくしてから逃げるようにいなくなります。
電話番号は使えなくなり、メールも使えなくなるでしょう。
出会い系サイトならアカウントは消えて、ターゲットの前から完全に消息を絶つのです。
デート商法を見抜く方法
デート商法を見抜くにはどうしたら良いのでしょうか。
特に出会ったばかりだと、相手が詐欺師かどうかを見分けるのは難しいと感じるかもしれません。
しかし、確実に見抜く方法はあります。
電話では音に注意する
実はデート商法の場合、個人ではなく集団でやっていることが多いです。
電話をすると詐欺師集団の事務所の音が聞こえ、見抜ける可能性があります。
また詐欺師はばれるのが怖いので、色々と理由をつけて電話自体を拒否することもあるようです。
違和感を覚えたら、その相手との連絡を絶ちましょう。
そうすることで、未然にデート商法に引っかからないようにすることが可能です。
待ち合わせの場所や店の場所の変更を提案してみる
待ち合わせや店の場所の変更を提案するのも有効な手です。詐欺師は騙すために都合の良いお店を提示してきます。
「別のお店にしない?」や「そこじゃやだ」というだけで、詐欺師を撃退することが可能です。
場合によっては、こちらからお店を提案してみましょう。
それで慌てるようなら、詐欺師だと疑った方が良さそうです。
返事がすぐ返ってきたら疑う
メッセージの返事が素早く返ってきたら疑ってみましょう。
詐欺師は組織的に行っていることが多いので、マニュアルや複数人で素早く返信するようにしています。
単に反応や操作が早いというだけかもしれないので、これだけで詐欺師だと決めつけるのは難しいかもしれません。
しかしながら、いつ何時でも明らかに返信のスピードが速かったら危険です。
相手にも生活があるので、お風呂に入っている時や寝ている時、また仕事をしている時は必然的に遅くなるでしょう。
だというのにどんなに変な時間でも異様な速さで返ってくるなら、疑った方が良いと思われます。
詐欺師の特徴
デート商法の詐欺師にはどんな特徴があるのでしょうか?
ここでは、詐欺師の特徴をまとめています。知っておくことで「あ、この人は危ない」と避けることが可能です。
美男美女
ターゲットが男性だったら美女、女性だったらイケメンの詐欺師を使って接触してきます。
特に、恋愛の場だと見た目が美しい方が第一印象で惹かれてしまうでしょう。
美男美女ならそれだけで詐欺を疑えというのも失礼な話ですが、知らない人だからこそ警戒しなければなりません。
相手が明らかに美形で、それをアピールしてきたら注意してください。
身内の話をしてくる
詐欺師は身内の話をすることで、ターゲットを信じ込ませようとしてきます。
身内の話をすること自体は詐欺師ではなくてもする人はいるでしょう。その代わり、話の内容に注意しなければなりません。
その内容は確実に作り話で、「親が病気」「仕事で失敗」など同情させるような悲惨な話をしてくることがほとんどです。
その話に繋げて、「これを買ってくれれば助かる」という風に買わせたい商品の演出をすることもあります。
ガツガツ接触してくる
詐欺師はとにかく直接触って、好感と信頼を得ようとしてくるのです。
事実心理学の実験でも、接触頻度が多いほど相手を好きになるという結果が出ています。
「ザイオンス効果」とは、同じ人やモノに接する回数が増えれば増えるほど、その人やモノに対して好印象を持つようになる心理現象。社会心理学者、ロバート・ボレスワフ・ザイアンスが、1968年に発表した論文で明らかにした心理学理論。
引用:ザイオンス効果
詐欺師はこのような事実を知っているので、接触頻度を高めて好かれるように仕向けるのでしょう。
奇抜な肩書を名乗る
詐欺師は会社経営者・アーティスト・コンサルタントなど、奇抜な肩書を名乗ってくることが多いです。
特殊な肩書によって、相手の気を引く狙いもあります。
しかし本当の狙いはそれだけとは限りません。
経営者なら自社の商品、アーティストなら自分の作品…といった感じで買わせようとする商品に繋げることもあるようです。
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デート商法に狙われやすい人の特徴
詐欺師は常に「この人なら騙せそう、カモにできそう」という人に狙いを定め、近寄ってきます。
では、デート商法で狙われやすい人にはどんな特徴があるのでしょうか?
ぜひ、自分が当てはまっていないかチェックしてみてください。
男女共通している特徴
男女ともに共通して狙われやすいのは、初対面の相手でも信じ込みやすい、性格が控えめで優しい人です。
そして結婚や恋愛の願望が強い人も特徴といえます。デート商法は人の願いに付け込む詐欺なのです。
狙われやすい男性の特徴
男性はこのような人が狙われやすいです。
- 恋愛経験が少ない
- 草食系
- 趣味がはっきりしている
恋愛経験が少ないと、「嫌われたくない」という思いから相手の要求に応じてしまうことがあります。
そのため詐欺に引っかかってしまうのです。
また、最近増えていると話題にもなっている「草食系男子」も狙われやすい特徴になります。
特に「相手の女性は肉食系が良い」という人は要注意。積極的にアプローチしてくる詐欺師に引っかかりやすい傾向にあります。
また最後の「趣味がはっきりしている」というのは先に少し解説したものです。
相手は自分の趣味を調べ、それに理解があるという姿勢をアプローチしてきます。
自分の趣味に生きがいを感じ、大事にしている人ほどこの手のアプローチに引っかかりやすいです。注意しましょう。
狙われやすい女性の特徴
次に狙われやすい女性の特徴を見ていきます。
- 自分の容姿に自信がある
- 性格が大人しい
「自分の容姿に自信がある」と「大人しい」は、男性の特徴に比べると繋がりにくいかもしれません。
ですが、女性はコツコツと内面も外見も自分磨きをできる人が多いです。
そのため、どんなに大人しい人でも容姿にある程度自信を持っている人はいます。
詐欺師は相手を信頼させるため、かなりルックスが良い男性を向かわせることがよくあるようです。
もし女性が自分の容姿に自信がなかったらどうなるでしょうか。
「どうしてこんなイケメンが私なんかにアプローチしているの?」と疑念を抱く可能性があります。
つまり、「こんな人私には釣り合わない」と思ってしまうのです。詐欺師にとってそのような女性は扱いづらいでしょう。
逆に自信がある人は自分と釣り合うと思ってくれるので、意外と信用させやすいのです。
それでいて大人しい人はさらに狙われやすくなります。
大人しい人は、それだけ交友関係も狭くなりがちです。家族や友人に相談しづらいという人もいるでしょう。
そのため「その人危険じゃない?」とアドバイスされる機会もありません。
第三者の見解がないまま進んでしまうので、騙されやすくなってしまうのです。
手口と対策を知って、被害を防止しよう
デート商法の対策について紹介しました。
近年では、ネットを通じたデート商法の被害が急増しています。デート商法は被害者の願望や夢に付け込む悪質な犯罪行為です。
出会い系サイトや婚活サイトを利用するときには気を付けましょう。
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