近年、テレビや雑誌などで耳にするようになった“毒親”というワード。
毒親の存在が認知されるようになってきたからこそ「もしかして、うちも…」と思う方も多いのではないでしょうか。
「毒親かも…とは思うけどよくわからない」
「これは普通じゃないの?」
「毒親だったとしても、一体どうしたらいいの?」
そんな悩みを抱える方に、毒親の判別の仕方・接し方・安全に逃げる方法をお伝えしていきます。
一人で思い悩んで最悪の事態に陥る前に、自分の身を守りましょう。
毒親の特徴
まずは、毒親の判別方法をお伝えしていきます。
「〇〇して“あげている“のに」
「自分は〇〇してあげているのに」
そんな言葉を投げかけられた事はありませんか?
毒親に一貫する特徴のひとつに“子供を自分の思い通りにしたい”という思いが強すぎるというものがあります。
それは言葉として表れたり、物理的な暴力という形で表れたりします。
「親のいうことを聞かないお前が悪い」
これも毒親の特徴としてあげられる言動のひとつですが、毒親は責任転換をします。
自分が今怒っているのはお前のせいだ、と子供に責任を押し付けるのです。
こんな言動に覚えがあるなら要注意。
毒親ワードチェックでいくつ当てはまるのか確認してみましょう。
毒親ワードチェック
「〇〇してあげているのに」
例:「育ててあげているのに」「お金をかけてあげているのに」
「お前が悪い(お前のせいで)」
例:「不快な思いにさせるお前が悪い」「自分が今こうなっているのはお前のせい」
「〇〇できる(なれる)わけない」
例:「お前に勉強なんてできるわけない」「サッカー選手になんてなれるわけない」
「〇〇なんだから」
例:「お前は馬鹿なんだから」「お前は不細工なんだから」
「〇〇しないといけない」
例:「将来はお金を稼いで親を楽させないといけない」「周りに自慢できるような職業に就かないといけない」
「〇〇のために」
例:「お前のためにこう言ってる」
6つ程例を挙げてみましたがこの中で3つ以上のワードに聞き覚えがあれば、それは毒親の可能性が高いでしょう。
「1つしかない」という場合でもその1つを高頻度でキツく言われているなら毒親の可能性があります。
他にも、身近な人間や子供を馬鹿にするような発言が目立つのであれば要注意です。
毒親にもタイプがある
毒親にもタイプがあります。
どのパターンに当てはまるかによって対応も変わってきますので、ここでは毒親がどのタイプなのかを判別していきましょう。
毒親のタイプは3パターン
大きく分けて、毒親は3つのパターンに分かれます。
- 見返りを求めるタイプ
- 過度に干渉してくるタイプ
- 自分と重ね合わせているタイプ
どのタイプにも共通しているのは自分中心に考えている、という点です。
どのタイプなのか見極める
見返りを求めるタイプ
「〇〇してやっているんだから」
上記を免罪符に、金銭などを過度に要求されているのであればこのタイプでしょう。
もちろん要求されるのは金銭だけとは限りません。
「こんなにお金をかけてやってるんだから〇〇をしろ」
などといった要求(性行為など)も、度を過ぎるようならこのタイプの毒親です。
過度に干渉してくるタイプ
「将来は〇〇にならないとダメだ」「お前は不細工だから結婚できない」「そんな性格じゃ友達なんてできない」
といったように、子供のことを勝手な判断で決めつけるのならこのタイプでしょう。
さらに子供が何か反論すれば「お前にはわからないだろうから自分が導いてやってるのだ」というような切り返しをしてくることが多いです。
自分と重ね合わせているタイプ
「自分は昔〇〇だった、だからお前も〇〇になるべきだ」「自分は昔〇〇だった、だからお前は自分とは違う〇〇になるべきだ」
といったように、自分と同じ道を歩ませようとするor自分とは反対の道を歩ませようとする。
もしくは「自分は〇〇になりたかった、でもなれなかったからお前がなってくれ」
など、自分が叶えられなかったことを子供に過度に強要してくるのならこのタイプでしょう。
このタイプは子供と自分自身が全く別の人間だという認識が弱い傾向にあるため、自分自身の願いを子供に押し付けます。
いわば、子供の人生を自分の第二の人生と勘違いしていることが多いのです。
毒親だと分かってもどうしたら良いのかわからない
「自分の親が毒親でどのタイプなのかは分かったけれど、どうやって身を守ったらいいのか分からない」
そんな方へ、次は毒親との接し方をお伝えしていきます。
話が通じるとは思わない
まずどのタイプだとしても、毒親とはまともに話が通じない存在だと思ってください。
改心してもらおうとどれだけ話し合いをしても、時には勇気を振り絞って親を批判しても、毒親が改心する可能性は低いでしょう。
むしろ、子供が反論すればする程悪化していく可能性があります。
腹立たしくなり声を荒らげたくなることもあるかもしれませんが、ぐっと堪え心の中で「今は話をしても無駄」と唱えてください。
そして同居しているのであれば必要最低限顔を合わせないようにして、少しずつでも精神的・身体的に毒親と距離を取るのがいいでしょう。
タイプごとの接し方
- 見返りを求めるタイプ…「それはできない」と要求に応じないこと。
一度見返りを渡せば毒親は味を占め、何度も繰り返し要求するようになります。
話し合いで分かってもらおうとはせず、ただ要求を跳ね除けて毒親と距離を取るようにしましょう。
- 過度に干渉してくる・自分と重ね合わせているタイプ…この2タイプに反論は逆効果。
ですが、気にしないでいることは難しいかと思います。
できる限り顔を合わせないようにするのが一番でしょう。
そして毒親以外の第三者とたくさん繋がりを持つようにしてください。自分の心を守るのが最優先です。
毒親から避難する
ただ上記で接し方をお伝えしましたが、毒親だと分かった時点で考えた方がいいのが避難です。
身体的に離れない限りは、毒親に縛られる日々が終わることはありません。
自立できる年齢であれば家を出る。
自立できない年齢であれば専門機関を頼って家を出ることを検討してもいいでしょう。
安全に避難する為の注意点
- 地元から離れる
- 可能であれば携帯電話を変える、厳しければ毒親を着信拒否
- 住所変更をしたらすぐに住民票に閲覧制限をかける
- 引っ越し先は本当に信頼のおける人間にしか話さない
- SNSの実名アカウントに鍵をかける、もしくは消す
毒親の執着心とは恐ろしいものです。
「やりすぎか?」というくらい徹底して自分の居場所を守ってください。
自立は難しい…でもどうしても逃げたい、という方は児童養護施設に自ら相談に行くのがいいでしょう。
状況によっては保護してもらえるそうなので、どうしても逃げたい方にはオススメです。
やってはいけないこと
- 毒親と繋がりのある人のところへ転がり込む
これは基本的にはオススメできません。
毒親は「子供が家出してしまって心配…」などと言って子供の居場所を探し回る可能性が高いでしょう。
そのため、どこかで居場所が漏れて連れ戻されてしまうケースが多いです。
現状自立ができず避難できる場所もないのであれば、少しずつでもいいので貯金をしましょう。
自立できる年齢になった時にすぐに離れるためにはお金が必要です。
家の引っ越しや家具の買い揃えなどを考えると、40~50万はあった方が安心でしょう。
心のケアを忘れずに
すぐには家を出ないにしろ出るにしろ、毒親と生活をしていた期間のことは子供の心に積み重なります。
ストレスが原因で精神を病み自ら命を…という事件も少なくはありません。
どうやってケアするのかわからない、という方は“毒親 相談”などのネット検索で出てくる無料相談電話からでもいいでしょう。
まとめ 毒親に縛られない人生を歩む為に
自分の親が毒親だった。その事実には辛い部分もあるかもしれません。
ですが、多くの子供が毒親という事実に気が付けないまま虐待事件などに巻き込まれていく中、毒親だと気がつけたのはとても大きなことです。
できる限り早く毒親の元を離れ、自由な人生を歩んでいってください。