他人の所有物を不当な手段で奪い自分のものにするという窃盗行為。
古今東西、人類の犯罪の中でもっとも代表的で、発生件数の多い犯罪なのではないでしょうか?
盗まれる物品は様々ですが、車やバイク・自転車などを狙った「乗り物盗」は日常的に多発している犯罪の一つです。
すべての乗り物はその使用上の目的から、野外に放置することを余儀なくされる所有物ですので常に危険にさらされています。
そのために誰もが非常に高い確率で、盗難の被害に遭う可能性を否定できません。
ここではそんな大切な愛車が盗難の憂いに遭わないよう、盗難防止装置のおすすめと選び方を徹底解説。
防犯性を高めるために有効な機能や、ダミータイプの効果的な使い方などもご紹介いたします。
車の盗難防止装置とは
一般的に車を盗難する手口は、何らかの手段でドアロックを解除することから始まります。
その後何らかの方法でエンジンを始動し、車ごと走行させて盗むことが多いものです。
車の盗難手口は車体の一部を破壊するような荒っぽい手口から、何も壊さない電子的な手口まで多種多様となってきました。
カーショップなどでは様々な盗難防止グッズが販売されていますので、効果的な使用方法とおすすめの機能などを解説いたします。
ハンドルロック
ハンドルロックはハンドルを機械的に動かせなくする装置で、荒っぽい手口での車両盗難が多い海外ではよく使用されています。
たとえ何らかの手段でエンジンを掛けたとしても、ハンドルを固定してしまえば車を動かすことは基本的にできません。
シンプルな構造ですが取り付けると車外からも非常に目立つことから、防犯効果は意外と高いものです。
ダイヤル式や鍵式などの施錠タイプがあり、ハンドルやシフトレバーに装置本体を直接取り付けて固定します。
破壊するのは容易ではなく無理に外そうとするとアラームが鳴るタイプもありますので、心配な方にはおすすめです。
タイヤロック
タイヤロックもタイヤホイールを機械的に固定して動かせなくするための防犯装置です。
見た目にも頑丈で派手な色のタイプが多いので、取り付けていることで防犯対策をしっかりしていることをアピールできます。
レッカー車などで牽引されて盗まれることもあり得るので、後輪につけた方が効果的です。
またジャッキアップしてホイールごと外される可能性も否定できないので、盗難防止用ロックナットなどを併用するといいでしょう。
リレーアタック対策
車の盗難で近年もっとも増加しているのは「リレーアタック」と呼ばれる手口です。
最近では「スマートキー」という施錠システムを搭載している車が増えています。
これは車のキーを身に付けてさえいれば、近づいたりドアノブに軽く触れたりするだけで、ドアのロックやアンロックが可能です。
更には車内ではスタートボタンを押すだけでエンジンの始動もできてしまいます。
いちいちキーを取り出さなくても良いので大変に便利なシステムですが、リレーアタックではその特性を悪用して車を盗むのです。
スマートキーは常に微弱な電波を出していて、車内部のシステム本体と通信してIDが一致すると作動する仕組みとなっています。
ただし通常は1メートル程度しか電波が届かないよう出力設定されていて、持ち主から離れている場所では車のシステムは作動しません。
ところがリレーアタックでは、特殊な装置でこの電波をリレーのように中継しながら伝達します。
つまり持ち主に接近してスマートキーの電波を特殊装置で受信すると、それを圏外にあるはずの車まで運んで届かせてしまうのです。
車まで運ばれたスマートキーの電波は正規のモノですから、車本体のシステムとIDも一致してイモビライザーなどのセキュリティも解除されます。
リレーの最終の窃盗犯はまるで車のオーナーのように、堂々とドアを開けエンジンを始動して車を盗み出すことができるのです。
このリレーアタックに有効な対策は、とにかくスマートキーの電波を盗まれないようにすることしかありません。
電波を妨害するにはアルミやブリキなどの金属で遮断するのが最も確実な方法です。
普段持ち歩く時には、アルミなどで電波遮断された専用ポーチなどにスマートキーを入れておきましょう。
また最近では自宅の駐車場でもリレーアタックによる盗難被害が報告されています。
家の中のスマートキー電波を屋外で受信しているケースもあるので、自宅で保管する際にも金属製の缶などに密閉するようにしましょう。
一部のメーカー(トヨタなど)ではスマートキーを節電モードにすることで、電波が出なくなる設定にすることができるので便利です。
車には必ずスペアキーもありますので、そちらのキーも保管するときには注意してください。
後付けカーセキュリティ
専門店で取り付けをする有名ブランドの後付けカーセキュリティは、価格が高価ですがやはり防犯効果は強力です。
海外のブランドではバイパーやクリフォードなどが有名ですが、日本製ではゴルゴやパンテーラなどがあります。
高価な車や希少価値の高い車などは特に狙われる可能性が高いので、そのような専用セキュリティシステムをつけることはおすすめです。
車の盗難の場合、車両ごと盗まれるケースはもちろんですが、車上荒らしにも気を付けなければなりません。
高価なオーディオやナビゲーションなどを搭載している場合は、窓ガラスを破壊されるなどの荒っぽい手口にも注意が必要です。
後付けセキュリティシステムは、各種センサーにより車上荒らしに対しても有効な機能を装備していますので安心できます。
バイクの盗難防止装置とは
バイクは車と比較すると重量が軽いので、やはり盗難されやすい乗り物です。
特に小型バイクの場合には、数人いれば簡単にトラックなどに載せて運ばれてしまいます。
そのためにたとえ短時間であってもバイクを停めて離れる場合には、盗難対策をしっかりと実行してください。
チェーンロック・U字ロック
チェーンロックはもっとも単純な構造の防犯グッズですが、車体を地面に固定されているポールなどにつなぎ留めます。
これは「地球ロック」などと呼ばれる方法ですが、バイクを運搬できなくする手段として有効です。
つなぎ目の施錠には南京錠・ダイヤル式・鍵式などがありますが、連結部分も頑丈なものを選びましょう。
U字ロックもタイヤなどに取り付けて動かせなくしますが、やはり何か固定物につないで使用すると更に効果があります。
どちらも出来るだけ取り外しにくい後輪や車体フレームなどに通すのが安全で、前輪は簡単に取り外すことができるので危険です。
出来るだけ頑丈で切断されにくいものを選びますが、あまり重量があると持ち運びには適しません。
ディスクロック
ディスクロックはディスクブレーキのローターに取り付ける比較的小型の防犯装置です。
取り付けることでタイヤの回転を妨害しますが、当然ながらディスクブレーキを装備しているバイクにしか利用できません。
小型で軽量のために持ち運びに便利なので、外出先でバイクを駐輪する際には重宝するでしょう。
破壊されにくい構造ですが持ち上げて運搬されてしまえば効果はありませんので、チェーンロックなどを併用してください。
ブレーキレバーロック
ブレーキレバーロックはその名の通り、ブレーキを掛けた状態でロックしてタイヤを固定する装置です。
これも比較的小型の装置なので携帯には便利ですが、やはり持ち上げて運搬されてしまうケースでは意味がありません。
チェーンロックやU字ロックなどでの地球ロックを併せてする方がよいでしょう。
アラーム付き装置
アラーム付き装置とは衝撃や振動、傾きなどの異常を感じると大音量でアラームが鳴り響き、盗難行為を妨害して周囲にも知らせるものです。
アラーム専用デバイスの他にも、南京錠・ディスクロックなどの製品にはアラーム機能が内蔵されたタイプがそれぞれ販売されています。
- 1
- 2