近所を歩いていると、パトカー似の青いランプの自動車を見かけることがあります。
この青いランプを付けた自動車はいったい何なのでしょうか?
青いランプを付けたこの自動車は、「青パト」こと「青色防犯パトロール」の巡回車です。
はたして青パトで地域の安全は守れるのでしょうか?
今回は青パトこと青色防犯パトロールの防犯効果や申請の方法をご紹介します。
合わせてパトカーとの違いや活動内容についても見ていきましょう。
青パト(青色防犯パトロール)の主な活動内容とは?
近所で青パト(青色防犯パトロール)が具体的にどのように活動するのか気になるでしょう。
青パトの主な活動としては、以下に挙げられる自主防犯パトロールなどが挙げられます。
防犯目的の地域パトロールや声掛け
青パト活動で最も一般的に行われているのが、地域の定期的な自主防犯パトロールです。
地域内を青色回転灯を動かして巡回し、怪しいところがないかどうかを見て回ります。
また地域住民への声掛けも行い、犯罪などを未然に防ぐことも活動の一環です。
犯罪や事故の可能性がある場所の点検・通報
また犯罪や事故につながりそうな場所があれば、その場所について点検・通報を行います。
不審な場所があればその場所の特徴を記録し、所有者や管理者に通報するというものです。
青パトは怪しい場所に目を光らせることを通じても、地域の防犯や安全の確保に貢献しています。
犯罪に遭遇した際の通報や急病人などの保護
このほかにも、巡回中に犯罪に遭遇した場合の通報や急病人の保護も重要です。
仮に地域で犯罪が発生した際は、犯行場所や犯人の特徴などを記録して警察に連絡します。
また急病人がいた場合、保護や応急手当などして消防や救急に連絡するのも活動の1つです。
青パトはパトカーとどう違う?
青パト(青色防犯パトロール)が地域の防犯や安全に貢献している点をいろいろ見てきました。
ところで青パトは、警察のパトカーとどのような点で異なるのでしょうか。
実は青パトについては、警察と異なる点として以下の3つが挙げられます。
青パト自動車に乗るのは警察官以外の人間
まず青パト自動車に乗って地域を巡回するのは、警察官以外の人間であるという点です。
青パトに参加するのは、町内会やNPO法人などの民間人が主な実施者になっています。
彼らも普段は地域の一員として生活する立場です。そして一般住民との違いは、率先して自主防犯活動に参加している点だけといえます。
なお彼らが青パト活動する際は、警察官の制服以外の服装にベストを装備するのも一般的です。
緊急走行や令状逮捕の権限がない
青パト参加者が民間人である以上、彼らは警察のような緊急走行や令状逮捕ができません。
どちらも警察官のみに認められた権限であるため、青パトでは不可能になっています。
ただし目の前の犯罪者に対する現行犯逮捕であれば、青パトの活動員が行っても問題ありません。
現行犯逮捕は刑事訴訟法213条で認められた、民間人でも可能な行為であるためです。
自動車に対する公費負担がない
パトカーであれば自動車の購入やメンテナンスに際して、予算の範囲内で公費負担が行われます。
一方青パトはあくまでも自発的なボランティアです。このため活動に使う自動車関係の費用は自己負担になります。
なお青パトの自動車は、パトカーに似たものから青色回転灯と表示だけのものまでいろいろです。
この点も上記の事情で団体の資金力に左右される事情によります。
ちなみに青パト活動を助成する団体も多いです。特に日本財団は独自のプロジェクトを立ち上げて積極的に援助しています。
助成の内容は、補助金を支給する形のほか、自動車を寄贈する形が一般的です。
また自治体も自ら青パト活動するだけではなく、活動の広報や補助金の助成も行っています。
青パトの防犯効果とは?
「民間人が巡回車に乗っているだけ」と聞くと、青パトの防犯効果を疑ってしまうでしょう。
はたして青パトが地域社会にもたらす防犯効果は、どの程度なのでしょうか。
ここでは青パト活動による防犯効果について、いろいろと見ていきます。
青パトの防犯効果は実は非常に高い
青パトの実施者が民間人であっても、その防犯効果は非常に高いです。
まず青色回転灯付きの自動車が巡回するだけでも、自然と地域の目を気にするようになります。
中には不審者が犯罪を思いとどまるケースもあるため、犯罪を未然に防止する効果も大きいです。
青色回転灯を付けた自動車がパトカーのような外見であれば、より効果が高まります。
ほかに自動車の活用で比較的広範囲に巡回できるため、くまなく目を光らせる効果も大きいです。
広範囲に目を光らせることも、結果的に地域全体の防犯効果を高めることになります。
犯罪件数の減少にも貢献
また青パト活動の活発化によって、犯罪件数の減少効果も目に見えている点も見逃せません。茨城県の例を出して見てみましょう。
茨城県警によれば、県内の青パト数は2005年に75台だったのが、10年で980台に増えています。
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