ロードバイクの盗難被害は後を絶ちません。
ロードバイクは軽量で高価であるうえに、窃盗犯を突き止めることがなかなか難しいからです。
特に高級なロードバイクは、盗難されるものと考え、日頃から盗難対策を常に意識する必要があるでしょう。
今回はどんな盗難手口があるのかご紹介し、鍵の選び方からかけ方までご紹介します。
ロードバイク盗難の手口とは?
まず、ロードバイクはどのように盗難されているのでしょうか。
その手口を解説していきます。
鍵が切断される!?
盗難の手口でよく行われているパターンで、犯人は数分のうちに、鍵を切断しロードバイクを持ち去ってしまいます。
ワイヤーロックやチェーンロックを切断するのは、ホームセンターで売っているような工具で素人でも可能なのです。
鍵ごと本体そのまま盗まれる!?
地球ロック(後述)されていないロードバイクは、軽量なためそのまま持ち去られてしまうこともあります。
プロの窃盗団は、まるで自転車を撤去する自治体の職員のようになりすまします。
そして、そのままトラックで持ち去り、あとでゆっくり鍵を破壊するという手口を用いているのです。
パーツだけ盗まれる!?
特に高価なパーツであるホイールは、取り外しも簡単に行えるものが多いため、ホイールだけ盗まれてしまうことがあります。
また、ライトやサイクルコンピュータも同様に取り外しが簡単なため、パーツだけ持って行かれてしまうことがあるのです。
バイク本体であれば戻ってくる可能性もあるでしょう。
ですが、パーツは所有者を特定することができないため、戻ってくる可能性は非常に低いのです。
鍵の種類とタイプにはどんなものがある?
では、どのような鍵を選んで、どのようにかければ盗難されにくいのでしょうか。
まずは鍵の種類から見てみましょう。
U字ロック
ロードバイクの鍵の中では一番堅牢で、破壊が難しく盗まれにくいといわれています。
ですが、その分重量が重く、持ち運びには向きません。
自宅で施錠する際に使用するなど、駐輪する場面によって使い分けられるといいでしょう。
ワイヤーロック
軽量で、伸縮性もあり、値段も安く最も多く使用されている鍵です。
ただ、工具で簡単に切断できるため、短時間の駐輪で使用するにしても不安があります。
他の防犯方法と併用して使用するといいでしょう。
チェーンロック
鋼鉄製の鎖が使われているため、破壊しにくくやや重いです。
鎖の材質は、メーカーによりさまざまですが、強度の高いものもあります。
ワイヤーロックよりは切断されにくく、地球ロック(後述)の際にも使いやすく、バランスは良いでしょう。
アラームロック
アラームロックとは、振動や衝撃を検知してアラームが作動する、犯人を威嚇して防犯するものです。
鍵本体にセンサーが内蔵されているタイプと、センサーだけに特化した単体タイプの2種類があります。
鍵本体にセンサーが内蔵されているタイプは、堅牢性の高いものが多く、それだけ重量が重くなってしまうという欠点があります。
センサーだけに特化した単体タイプは、軽量でロードバイク自体に取り付けてしまうタイプが多いです。
便利ですが、ロードバイクの外観を損ねると考える人たちもいます。
鍵のタイプ
また、鍵には、施錠解錠する鍵を持つタイプとダイヤルタイプがあります。
施錠解錠する鍵を持つタイプ
鍵タイプの方が、何度も駐輪する可能性がある場合特に施錠解錠が楽です。
ですが、鍵を紛失しかねないというリスクがあります。スペアキーの保管場所を忘れないようにしましょう。
ダイヤルタイプ
ワイヤーロック形式のものに多く、鍵を持ち歩く必要がないのは便利です。
また、番号の桁数は3〜5桁と種類もあり、番号を自分で決められるものもあります。
ただ、番号を忘れてしまうと元も子もなくなってしまいます。
施錠番号は写真を撮るなり、自分自身で記録をしっかりしておきましょう。
防犯性の高いロードバイクの鍵は?
では、防犯性の高いロードバイクの鍵とは何でしょうか。
前述しましたように、U字ロックが最も堅牢性が高いといわれています。
ところが、どんなに堅牢性が高くても完全に破壊不可能な鍵はありません。
駐輪時間が長くなる場合は、やはり自宅の鍵、つまり、自宅保管するのが最も望ましいでしょう。
室内が難しく、庭やベランダに保管する場合は、外から見てロードバイクということがわからない状態にして保管しましょう。
また、毎日同じ場所へ駐輪しなければならない場合は、重くて頑丈なバイク用の鍵を使用するというのも1つの方法です。
鍵の選び方はどうすればいいの?
切断することができない鍵は存在しませんが、できる限り簡単には切断できない鍵を選びたいものです。
また、シチュエーションごとに、自分がロードバイクを使用する際の使用用途に合わせて鍵を使い分けてもいいでしょう。
駐輪時間が短ければワイヤーロック
駐輪時間が短ければワイヤーロックでも問題ないかもしれません。
ですが、ワイヤーロックは簡単に切断されてしまい、実際の盗難には数分しかかかりません。
そのため、短時間の駐輪であっても安心できるとはいえないです。
ワイヤーロックは軽量で持ち運びやすいため便利ですが、アラームロックと併用して使用するのがいいでしょう。
駐輪時間が長いのならU字ロック
ロードバイクで通勤や通学をするのであれば、駐輪時間が長くなります。
そのため、堅牢で簡単には切断できないU字ロックを使用せざるをえないでしょう。
ですが、U字ロックは重量感があり、走行中の持ち運びに便利とはいえません。
高価なものであれば、高強度で比較的軽量のU字ロックもあります。
また、走行中の持ち運びを考えて、サドルバッグを使用したり、シートポストにアダプターで固定したりする方法も考えられます。
バランスがいいのはチェーンロック
チェーンロックは、地球ロック(後述)がしやすいという利点があります。
また、U字ロックほどではありませんが、チェーンカバーも断裁しにくいです。
硬度の高い材質のものもあり、堅牢性も高く、バランスのいい鍵といえるでしょう。
鍵のかけ方に注意することはある?
鍵が切断されにくく頑丈なものを選ぶだけでなく、鍵のかけ方にも注意しましょう。
地球ロック
地球ロックとはロックされたまま本体ごと盗難されないためにロードバイク本体にワイヤーやチェーンなどで結びつけることで鍵をすることです。
地面とつながった道路標識や柵、ガードレール、建物の基礎に固定されている建造物と結びつけます。
盗難対策の最も基本となる鍵のかけ方ですが、鍵を切断されては意味がなくなります。
なので、頑丈な鍵を選んだ上で、地球ロックするようにしましょう。
ホイールもいっしょに施錠
盗難の手口で前述しましたが、ほとんどのロードバイクではホイールが簡単に取り外しできるようになっています。
高価なホイールだけ盗難されないためにも、前と後ろのホイールとフレームを地球ロックするようにしましょう。
地面から離れた位置でロック
鍵を破壊するのに、鍵が地面に付いていると地面に押し当てて作業しやすくなります。
そのため、破壊や切断がされやすくなってしまいます。鍵は地面から離れた位置でロックするようにしましょう。
狙われにくくする施錠テクニックとは?
防犯性を高めるためには、堅牢性の高い鍵だけつけていればいいというわけではなく、鍵のかけ方や状況に応じた対策が必要となります。
では、狙われにくくするためにはどのような方法があるでしょうか。
ダブルロック
堅牢性の高い鍵を2つ以上つけることが望ましいです。
犯人が切断するのに時間がかかるため、狙われにくくなるといえるでしょう。
アラームロックと併用
アラームロックは、犯人を音で威嚇する作用があります。
完全に防犯することは難しいですが、人目の多い場所に駐輪する際など、効果を発揮することができるでしょう。
特に、ワイヤーロック使用であれば、アラームロックと併用し、犯行への抑止力を高めましょう。
U字ロックとダブルループワイヤーで地球ロック
U字ロックは頑丈で堅牢性は高いですが、地球ロックするのが困難なものが多いです。
そのため、ダブルループワイヤーで地球ロックしつつ、前後のホイールも施錠できれば防犯性は高まります。
GPSトラッカーをつける
ロードバイクの置いてある場所を見ることができない状況の場合、GPSトラッカーを取り付けることで、位置情報を常に認識できます。
ただし、GPS機能は電力を多く消費するため、バッテリー時間の問題と通信費用がかかってしまうのが難点です。
最後に
ひとことで「鍵」といっても様々な種類があり、選ぶ際には悩んでしまうはず。
今回ご紹介した情報を使って、大切なロードバイクを盗まれないよう、納得いく鍵選びができるといいですね。
駐輪する場所にも気を付けるようにしましょう。