もし自分が事故に遭ってしまったら、あなたはどうしますか?
考えるだけで怖いですが、実際にいつ自分の身に降りかかってくるかわからないのが事故です。
しかし、それが実は意図的に狙われた当たり屋だったとしたら…。
悪質な当たり屋は実際に存在し、その手口も年々巧妙になっています。
これまでは車がターゲットになる傾向でしたが、今では歩行者もターゲットになるのだとか。
本記事ではそんな卑劣な当たり屋の被害に遭わないために、当たり屋の手口や対処方法を伝授します!
当たり屋とは?
実際に当たり屋と聞いてどんなものが思い浮かびますか?あまりピンとこない人も多いのではないでしょうか。
ここでは当たり屋とはどういうものかを解説します。
当たり屋の定義
当たり屋は故意に交通事故を起こし、人身事故における治療費や慰謝料、物損事故における修理費、またはこれらの事故の示談金や保険金などを請求するものである。事故による精神的動揺に漬け込んで行われる犯罪である。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/当り屋
つまり当たり屋とは、普通に走行・歩行している車や自転車、歩行者に自分からわざと接触するような事故を引き起こすこと。
また、歩行者またはドライバーである自身が交通事故に巻き込まれた被害者であるかのように偽装し、損害賠償請求をするという犯罪行為のことです。
「当たり屋」という言葉は、そのような行動をする犯人のことを指す場合もあります。
当たり屋行為は、常に単独犯によって実行されるということだけではありません。集団で実行される場合もあるのです。
例えば、事故に巻き込まれた被害者役の犯人と現場を偶然通りがかった通行人役の共犯者など。
当たり屋行為のターゲットに対して、「目撃者が警察に証言すれば前科者になるだろう」という無言のプレッシャーを与えるのです。
さらに「取り調べなどの負担がかかるだろうから、この場で穏便に済ますためには金銭を支払えばよい」などと、心理的な揺さぶりをかけてきます。
事故を起こしたことで動揺する心理を利用する
加害者だといわれてしまうと本当に自分が前科者になってしまうのではないかと精神的に追い詰められてしまいます。
そしてその動揺を利用し、正常な判断ができなくさせられることで焦って金銭の支払いに応じてしまうという被害が増えているのです。
当たり屋への対策は交通事故予防にもつながる
当たり屋がいつどこで犯罪行為を実行しようと計画しているのか、把握することは難しいでしょう。
つまり、万が一当たり屋に出くわしそうになったとしてもターゲットとして狙われることのないよう準備をしておくと安心できるといえます。
そして当たり屋への対策をすることは、交通事故全般の予防にもなるということを頭に入れておいてください。
当たり屋への対策を知っておくことで、交通事故に遭いそうになった場合や事故現場を目撃してしまった場合にも冷静な判断ができるのです。
今日からできる!当たり屋対策
大きな通りや人通りが多い道路を通行する
当たり屋は、証人の目や防犯カメラといった証拠となりやすいものを避けて当たり屋行為を行います。
つまり、当たり屋が好む場所と真逆の特徴を持った道路を通行することで当たり屋に遭遇する確率を大きく下げることができるのです。
防犯カメラはコンビニなどの店頭にも設置されていることが多いですし、店舗がある道路というのは証人が多くいるということでもあります。
住宅街の中にある道路よりも、多くの人が利用する店舗が集まっている道路を選んで通行しましょう。
交番や警察署が近くにある道を通る
もしも犯罪が起こり110番通報した場合に、すぐに警察官が駆け付けられるような場所では犯罪発生率が低いということが知られています。
当たり屋も犯罪行為の一つですので、交番や警察署の近くで当たり屋行為を行うことは極めて稀です。
交番もしくは警察署に近い道を選んで通行することで、当たり屋の犯罪に巻き込まれる可能性が低くなります。
当たり屋の被害に遭わないためには?
当たり屋が犯行を行いにく場所を通行するというのは、近所や土地勘がある場合には有効です。
では、その他に常日頃から当たり屋の被害に遭わないためにできることはどんなことがあるのでしょうか。
自己防衛の意識を持ち、車や自転車そして歩行であっても交通ルールを守ることが大前提です。
ここからは具体的にできる対策をご紹介します。
ドライバーとして知っておくべきこと
車間距離を守る
全てのドライバーには車間距離保持義務が課せられています。
これは道路交通法で定められた事故を防ぐための数値ですので、運転免許を所持している人は全員知っていることですね。
前方の車との車間距離を守っていれば、もし急ブレーキを踏まれた場合でも衝突は避けられます。
また、後方の車との車間距離が充分に開いていれば急に加速されたとしても接触する前によけることができるのです。
当たり屋が起こそうと画策している事故のほとんどは、車同士または車対人の接触事故。
そのため接触できない距離を保って運転すればよいということになります。
進行方向の確認を怠らない
安全運転を心がけることで、当たり屋への接触事故を避けることできます。
また、カーブミラーなども注意して見ることで死角から飛び出してくる当たり屋を避けることもできるのです。
急いでいる時だとしても自分の身の安全のためには絶対に進行方向の確認をしながら走行しましょう。
ドライブレコーダーを搭載する
近年、運転席や後部座席に設置して運転中の様子を録画することが出来るドライブレコーダーが普及してきました。
ドライブレコーダーがあれば事故が発生した時に確実な証拠となります。
当たり屋は事故の証拠が残ることを嫌うのでドライブレコーダーを搭載している車両には近づきません。
「ドライブレコーダーを搭載しています」と書かれたステッカーを車体に貼る
ドライブレコーダーの機械はとても小さく、車外から見てもわからないものもあります。
そこで「ドライブレコーダーを搭載しています」と書かれたステッカーの利用がおすすめです。
周囲の様子を録画していることをアピールすることで、当たり屋が周囲に近づくことができない車になります。
また、運転席から見た周囲の様子も録画できるのも利点です。
録画をしているということを周囲に知らせるだけで、他の車への当たり屋行為も牽制することができますね。
歩行者が知っておくべきこと
当たり屋は、車だけでなく歩行者を狙って犯罪行為に及ぶことがあります。
歩行者同士の事故は警察の介入が難しいということがあるため、歩行者は当たり屋の格好のターゲットになりやすいのです。
歩行時に当たり屋にあわないようにするために、しっかり対策をして当たり屋から身を守りましょう。
防犯ブザーを周囲から見えやすいようにつける
当たり屋は、防犯意識の低い人をターゲットとしています。
そして防犯ブザーを持ち歩いているということが一目でわかる人には近寄らないもの。
最近ではおしゃれな防犯ブザーも発売されているのでカバンにつけておくと安心ですね。
歩きスマホをはじめとした歩行中のよそ見をしない
大多数の当たり屋の手口はターゲットの歩行・走行中の前方不注意を指摘し責めることです。
当たり屋に付け入るスキを与えないよう、歩きスマホをはじめとした進行方向から目をそらすような素振りを見せずに通行しましょう。
自転車走行者が知っておくべきこと
自転車で走行している人も当たり屋には注意が必要です。
曲がり角や下り坂に注意をする
自転車は曲がり角や下り坂で急に止まることができません。
そのような場面を狙って歩行者を装った当たり屋がぶつかってくるという事故が発生することがあるのです。
もちろん普段からこのような場所に気を付けておくことで交通事故に遭うことも避けられます。
安全運転を心がけましょう。
夜間は忘れずにライトを点灯する
暗くなりかけたらライトを点灯しましょう。
ライトがついていることで、ほかの歩行者や自転車・車からは、走行中の自転車があることがわかります。
そのような場所にわざと飛び出すと、当たり屋側から前方不注意を責められることとなるのです。
当たり屋は、そのようなリスクを負って犯罪行為をすることはありません。
ライトを点灯しているだけで、当たり屋に遭う確率を減らすことができます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
本記事では悪質になりつつある当たり屋についての情報と、当たり屋に遭わないための対策をお伝えしてきました。
当たり屋は悪質で怖い犯罪。ですが、日常的に安全運転を心がけることで、被害に遭う可能性が減るものでもあるのです。
本記事の情報をぜひとも活用し、あなた自身だけではなくご家族やご友人など近しい人にも対策方法を教えてあげてください。
そして普段から、犯罪に遭わないよう対策をしっかり講じて安心できる生活を送りましょう。