ファミリーサポートの事故やトラブル事例|安全に利用するためにできることは?

内閣府の統計では日本国内における夫婦での共働き世帯は年々増加しており、2018年にはおよそ1100万以上もの世帯が夫婦ともに働いている現状を伝えています。

一方で国が子供の「待機児童ゼロ」施策を打ち出したのは2001年の事ですが、未だ待機児童問題は深刻化しているようです。

この二つの統計は密接に関わっていて、女性の社会進出の機会が増えた昨今では更に加速度的に増長していくと考えられています。

そこで注目されているのがファミリーサポートという自治体が主体となって運営しているサービスですが、そんなファミリーサポートでも少なからずトラブルが発生しているのも事実です。

今回はそんなファミリーサポートセンターでのトラブル解決法と、トラブルの対処法を解説していきます。

ファミリーサポートで実際にあったトラブル

 

歩く少女、テディベア

それでは実際にファミサポで実際にあったトラブルについてまとめていきます。

死亡事故のケース

真希さんは2010年11月、八尾市のファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)を利用し、登録されていた女性に長女のさつきちゃんを預けた。

ところが、迎えに行くとさつきちゃんの体調が急変。一時、心肺停止状態に陥り、その後は重度の脳障害を負って意識不明の状態が続き、13年10月に死亡した。

引用:「ファミサポ」で乳児死亡 両親、預かった女性らと和解|朝日新聞

女性は生後間もない子供がいたが、持病の通院のためにファミサポを利用していた。病院を受診しておよそ1時間後に女性が帰宅すると、ファミサポの提供会員が慌てているところを目撃する。

子供は心肺停止の状態で、間もなく救急車が到着した。救急隊によりなんとか心臓は再開したが、その後も意識は戻らなかった。

結局子供は呼吸停止の時間が長かったため、低酸素血症による脳死の状態で3年間入院していたが死亡した。

原因はミルクを飲ませたあとうつぶせに子供を寝かし、テレビを見たりトイレに行ったりと放置していた時間があったことでした。また、心肺蘇生も不十分で心臓マッサージはなされていなかった。

女性は事業所に対して損害賠償請求を求め、およそ6年にも渡る裁判の末に裁判所は事業所に4000万円の和解金を命じた。

約束の時間にスタッフが来なかったケース

夫婦はどちらも早朝に出勤するために、朝からファミサポを申し込んでいた。だが約束の時間になっても一向に提供会員は現れず、連絡を取ることにした。

結局提供会員はうっかりと忘れていたようで、少しすると自転車で現れて謝罪を口にした。

この提供会員とは信頼関係があったため、利用者の夫婦は特に問題とは考えなかった。

アパートの近隣に迷惑をかけているケース

女性は2DKのアパートに住んでいた。隣に住んでいた老年夫婦は定年後に、そのアパートでファミサポの仕事を始めた。それから子供の走り回る音や奇声が響くようになり、その部屋の近隣は迷惑を被った。

苦情を申し立てられた大家はその老夫婦に注意をするが、老夫婦は取り合わずその後もファミサポの仕事を続けた。結局老夫婦は、近隣の苦情が相次いだためファミサポの仕事をやめた。

遊んでいる最中に子供が怪我をしてしまったケース

ファミサポの提供会員は子供が遊びに行きたいと言い出したため、子供を自転車に乗せて公園に向かった。しかし途中車が飛び出してきたことに驚いた子供が転倒し、足を骨折してしまった。

子供は2か月程度の治療を要した。

トラブルに遭わないためにできる事

怒った女性

ファミサポは基本的に信頼で成り立っていますが、子供をファミサポ提供会員の家に預けるという性質上第三者の目に留まりにくいという特徴もあります。

トラブルを避けるためにも、注意点を見ていきましょう。

経歴を確認する

ファミサポではほとんどの事業所で利用前に利用者とスタッフの面談の場が設けられます。

その場で経歴人となりを確認しましょう。死亡事故の例を顧みても分かるように、人為的なミスは取り返しがつきません。最低限、子育てに関する知識があるかどうかは必ず確認しておきましょう。

事業所にもスタッフの情報を聞く

事業所は利用者にヒアリングを行っていますので、利用者の生の声をたくさん持っています。そのエピソードなどを教えてもらうといいでしょう。

逆に利用する際の安心に繋がったりもするようなのでおすすめです。

事業所の講習カリキュラムを確認する

厚生労働省は事業所に、「安全対策のため24時間の講習をスタッフに対して行うことが望ましい」という実施要項を配布しています。

各事業所によって方法も異なっているので、ひとこと確認してみるのが良いでしょう。

事業所の保険加入状況を確認する。

ファミサポ事業所に向けた保険も各種揃っています。事業者はスタッフに対してこれらの保険をかけています。

死亡事故の例でも4000万円の和解金は事業所やスタッフ個人ではなく、保険会社から支払われています。

もしもの時に莫大な治療費等をしっかり払ってもらえるのかも、しっかりチェックしておかなくてはなりません。

もしトラブルに巻き込まれたら?

 

ストップ

どんなに気を付けていても、不意の事故というのは起こってしまいます。そんなときに備えて取るべき行動は頭に入れておきましょう。

証拠を押さえておく

どんなに些細な怪我でも、後々大きなトラブルに発展しないとも限りません。なのでまずは受診しましょう。病院では過去10年に渡ってカルテが保存されるので、確実に証拠として残ります。

警察に相談する

「度々怪我をして帰ってくる」といったケースや、「子供の元気がない」「ファミサポを嫌がる」などといったケースでは虐待の可能性があります。

また近隣のアパートで「子供の声や足音がうるさい」などといったケースでも、ファミサポを行っている当人は良かれと思ってやっていますので注意を受けると逆上する事も考えられます。

直接当人同士で解決しようとすると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。まずは証拠を押さえて、警察へ相談しましょう。

ファミリーサポートとはどういったサービスなのか?

 

ヴロツワフ

ファミリーサポートは1994年に発足したサービスですがどういった時代背景に生まれ、どういったサービスが提供されているのでしょうか。

ファミリーサポートの時代背景

古くは1972年『男女雇用機会均等法』にさかのぼります。

同法により女性の雇用機会は拡張され、女性が家庭を守るという時代は終わりを告げることとなりました。

一方子育てを終えた女性をどのように社会貢献させていくのか、という課題が生じます。

そこで開始されたのがファミリーサービスクラブ事業で、当時の労働省が補助事業として発足しました。

「自らの生きがいの充実や社会参加を希望する婦人が、近隣地域において相互扶助の仕組みの下に老人・子供の世話等の家庭内における援助を行うことを推進する」

引用図書:婦人と年少者,214号,婦人少年協会,1982年,P35

そして1994年にファミリーサポート事業が開始されるまで、時代と共に変化しながら同サービスは続けられたのです。

ファミリーサポートのサービス内容

 

サービス

ファミサポ事業は子育て中の夫婦を対象として、アドバイザーが援助が必要な人援助をしたい人をマッチングするサービスです。

厚生労働省のHPで相互援助活動の例を挙げています。

・保育施設等までの送迎を行う。
・保育施設の開始前や終了後又は学校の放課後、子供を預かる。
・保護者の病気や休養等の場合に子供を預かる。
・冠婚葬祭や他の子供の学校行事の際、子供を預かる。
・買い物等外出の際、子供を預かる。
・病児・病後児の預かり、早朝・夜間等の緊急預かり対応。

引用元:厚生労働省HP

サービス内容は各事業所によって異なるため、詳細は各事業所に問い合わせる必要があります。

ファミリーサポートの利用手順と料金

 

ドル、マネー

ファミサポは安価で利用できて、時間の融通が利くため非常に便利です。そんなファミサポの利用手順と料金をまとめます。

ファミリーサポートの利用手順

1、まずはインターネット等で近くの事業所を探します。そして事業所へ訪れましょう。
2、登録のための用紙を記入します。
3、スタッフを紹介されるので面談日を直接交渉をしなければなりません。
4、交渉が取れたら事業所を交えて面談を行います。その際に細かな利用日の希望などを伝えましょう。
5、スタッフと調整がついたら利用開始になります。それ以降のやり取りは事業所を挟まずに当人同士で行っていきましょう。

ファミリーサポートの利用料金

利用料金は事業所によって異なりますが、1時間につき700~1000円の事業所が多いようです。また、利用する時間帯によって変動する場合もありますので各事業所のHPで確認してみてください。

 

まとめ

 

ファッション、サンハット

今回はファミサポのトラブル対策についてまとめました。

夫婦共働き世帯が増えれば増えるほど、ファミサポは必要なものになっていきます。

利用料金も安く時間的な融通も利くファミサポは、私たちの生活にもっと身近な存在としてありつづけます。

一方では死亡事件や傷害事件も、十分に起こりうる可能性を秘めています。

トラブルをできるだけ排除して便利で有効に活用していけばファミリーサポートは素晴らしい事業ですので、みなさんもしっかりと対策をして利用してみてはいかがでしょうか。

本サイトの記事は犯罪に巻き込まれない、犯罪を未然に防ぐという観点から書かれたものであり、 実際に犯罪に巻き込まれた場合や身に迫る危険がある場合はすぐに最寄りの警察署までご相談ください。

■警察庁 各都道府県警察の被害相談窓口
https://www.npa.go.jp/higaisya/ichiran/index.html