休暇が正当なものかどうか確認するために必要となってくる診断書。
診断書によって正当な理由が認められれば、有給休暇や傷病手当金などが発生します。
しかし、軽い気持ちで「インフルエンザになりました」と嘘をついて休みを取ったりする人が居るということも事実です。
その嘘を隠ぺいするために偽造診断書を提出された場合、受け取った側はどのように対応すれば良いのでしょうか。
本記事では診断書偽造の違法性や見分け方、そして実際の対処法について詳しく解説します。
診断書偽造の違法性
診断書を偽造されることは受け取る側にとって不利益を及ぼしかねない行為ですが、実際に診断書偽造を行うと罪に問われるのでしょうか。
診断書とは
まず、この記事中で触れる診断書の定義を確認しておきましょう。
医師が患者の病状など仕事を休まなくてはならなかった状況で、通院・入院・手術などのために対処した手段などを記した証明書です。
診断書は、医師・歯科医師・獣医師のみが作成を認められています。
その他の医療従事者はもちろん、一般人が作成したものも診断書としては認められません。
医師法において医師が虚偽の診断書を発行することは禁止されています。
違反すると罰金が科されるなど、作成する側においても重要なものとして位置づけられているのです。
嘘の診断書を提出した人に成立する罪
上で説明した通り、医師でない人が診断書を作成する事はできません。
医師以外の一般人が診断書を作ると偽造ということになり、以下に当てはまる可能性があります。
有印私文書偽造罪(刑法159条) に該当し、3年以上5年以下の懲役に処される
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/文書偽造の罪
また、嘘をついて給与などをだまし取ると詐欺罪に問われる場合もあります。
嘘の診断書を提出するということは会社や学校、保険組合に不利益を及ぼすだけでなく、法に触れる行為といえます。
診断書偽造の対処は受け取る側次第
実際に偽造診断書を受け取った時、その診断書をまず疑わしく思うかどうかは受け取って処理する側次第です。
何もかも疑ってかかる必要はないのですが、何か少しでもおかしいと思った場合は適切に対処する必要があります。
受け取る側の動き方次第で受け取った会社や学校、保険組合はもちろん、偽造した本人のその後にも様々な影響を及ぼすからです。
そのため、偽造の可能性がある場合はしっかりと対処しましょう。
偽造された診断書の見分け方
いざ偽造診断書に対処しようとしても、まずはどんなところから気を付けて見分けたら良いのでしょうか。
診断書を受け取る前、そして受け取った後に偽造を見分けるいくつかのポイントが存在します。
それぞれのポイントについて詳しく確認していきましょう。
提出した人に不信感を抱いていなかったか
診断書を受け取った時、その診断書を提出した人を疑わしく思ってしまうきっかけがあります。
元々その提出者が不真面目で休みが多いなど、普段の勤務態度や出席態度に問題がある場合が1つ目のパターンです。
この場合、診断書を受け取った人だけでなく、周りの人達も診断書提出の理由に不信感を抱いている場合もあります。
2つ目のパターンとして、長期休暇明けや提出者にとって気が重い日など休みを取りたくなるだろうと疑わしくなるタイミング。
都合よく休みを取っている場合は要注意です。
この場合は本人が精神的に沈んでいる場合もあるので、状況によっては刺激しすぎないことも必要でしょう。
疑念を抱いてしまうパターンの中には、受け取る側が提出者を元々よく思っていなかったなどの私情を挟んでしまう可能性もあります。
そのため、まずは状況をしっかりと判断することが必要になるのです。
診断書の出来栄えが疑わしくないか
提出した人に不信感が無い場合も、実際の診断書の書面を見ておかしいと感じることもあります。
診断書を受け取ったらまず内容を詳しく確認しましょう。
病院の印鑑が無い、診断内容の表現が素人じみているなどのものがまずは軽く見てわかるものです。
また、以前別の人から受け取っていた同じ病院の診断書と様式が違うなど、実務上気が付く違和感もあるかもしれません。
書面としての仕上がりがきちんとしている場合も注意が必要です。
実務経験が浅い場合は、先輩にダブルチェックしてもらうなどして見逃しを防ぎましょう。
診断書の発行元に問い合わせる
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