近年ではSNSの発展により、個人がTV局よりも影響力を持てる時代となってきました。
それに伴ってインフルエンサー(世間に与える影響力が大きい行動を行う人物)の活躍は目を見張るものがあります。
しかしその一方では、アイドルや芸能人よりも近い存在であるインフルエンサー達のプライバシーや安全を脅かす事件の報道も少なくありません。
新しい物事が世間一般に浸透していく過程では必ず新しい問題が発生するもので、それを通して新しいルールや秩序が生まれていきます。
その一つが人権問題で、人権問題も次々と時代に対応するために変革していかなければなりません。
今回は人権侵害の被害を予防する対策法を徹底解説していきたいと思います。
人権とは
人権は憲法第十条から四十条に規定されており、基本的には大きく分けて5つに分類されています。
平等権
平等権とは差別されない権利のことで、平等権は憲法第十四条に規定されています。
憲法第十四条 すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない
引用元:電子政府の総合窓口 e-Gov
信条は考え方、門地は家柄ととらえて良いと思います。
自由権
自由権は精神の自由、身体の自由、経済の自由の権利を有する事です。
自由な考えを持つ権利、政府に体を傷つけられることがない権利、自由にお金稼ぎや財産を持ってよいという権利です。
社会権
社会権は生存権、教育を受ける権利、労働基本権を有するという事です。
- 生存権…人間らしい最低限度の生活を国に保証してもらう権利。
- 教育を受ける権利…社会で生きて行くための必要最小限の知識や能力を教育してもらう権利。
- 労働基本権…生活していくための仕事を与えられ、人間らしい労働環境で働く権利
これらが社会権に当たります。
請求権
請求権は主に被害者になった人のための法律です。
- 請願権…国や地方公共団体に意見や苦情を訴える事ができる権利。
- 国家賠償請求権…国の機関や公務員のミスにより被害を受けた場合、お金による保証を受け取ることが出来る。
- 裁判を受ける権利…裁判によって問題を解決してもらう権利。
- 刑事補償請求権…無罪なのに裁判にかけられた場合、無罪が確定した時点で、お金による保証を受け取ることができる。
参政権
参政権は政治に参加する権利のことです。
すべての国民は選挙権、被選挙権、直接民主制の権利を有します。
直接民主制は最高裁判所の裁判官を国民が決める権利と地方自治特別法の制定、そして憲法改正の権利です。
※これらの法律を基に人権は保障されており、それを犯した者は処罰されます。
人権侵害とは
法務省によると人権侵害を次のように説明しています。
「人権侵害行為」は人権を「違法に」侵害する行為、すなわち違法行為であり、具体的には、憲法の人権規定に抵触する公権力等による侵害行為のほか、私人間においては、民法、刑法その他の人権にかかわる法令の規定に照らして違法とされる侵害行為がこれに当たることになります。
引用元:法務省HP
実際にあった職場やインターネット上での人権侵害の事例
一言に人権侵害といっても、その種類は多岐に渡ります。
知らない内にあなたもしているかもしれない、実際にあった人権侵害の事例を見て行きましょう。
リベンジポルノのケース
女性は交際相手の男性からの度重なる暴力から、男との交際関係解除を要請した。
それを不服とした男は女性への腹いせのために、交際期間に撮影した動画をアダルトサイトに個人情報が分かる状態で投稿。
そのサイトを閲覧した視聴者からの電話やストーカー行為の被害が発生。
女性はアダルトサイトに削除要請をするもサイト運営はその要請に答える事はなかった。
刑事事件加害者の家族の情報が流出したケース
ニュースで報道された刑事事件の犯人と顔見知りだった男は、フリーランスでブログを経営していた。
ブログアフィリエイトでの収益のために自らのブログ記事に犯人の家族全員の写真と名前、住所等を書き込み掲載した。
その情報はSNSを通して瞬く間に拡散されることとなった。
刑事事件犯人の家族宅には誹謗中傷の電話や落書き、投石等の被害が見られた。
知的障害者が映画館での映画視聴を拒否されたケース
知的障害の娘を持つ女性は、娘と共に映画の視聴のために映画館を訪れた。
しかし映画館のスタッフは、ロビーで奇声を発したり落ち着きなく動き回る娘を見て知的障害者と判断し入場を拒否した。
娘は動画や映像等を見ると熱中しておとなしくなる事を伝えるも、映画館のスタッフは拒否の姿勢を続けた。
職場の上司からの暴力を受けたケース
新人看護師として働いていた男性は、ミスをするたびに職場の師長から厳しく注意を受けていた。
中には人格を否定するような暴言や、カルテで頭を叩く等の暴力を振るわれていた。
その師長の態度は同僚看護師も疑問視していたため看護部長に注意をするよう要請されたが、注意後も師長の態度が変わることはなかった。
中学校におけるいじめ対応のケース
中学校の女子生徒は、男子生徒などから度々暴言を受けていた。
女子生徒は直接的に暴力を振るわれたわけではないので我慢して学校への登校を続けていた。
しかし、日に日に元気がなくなる娘を心配した両親が学校へ直訴した。
担任の教師は女子生徒から相談を受けていたが、仲の良さそうな雰囲気のクラスメイトを疑い切れずに冗談だと思い込んでいた。
女子生徒の両親からの直訴が発端となり、いじめの調査が開始された。
夫婦間の暴力のケース
夫婦の夫は職人気質で厳格な性格をしていた。
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