普段の生活で自動車を使っていると、知らぬ間にスピードを出していることがあります。
極端でなければ問題はないものの、警察から処分を受けた場合は大変です。
しかもスピード違反は非常に危険で、人命を奪うこともあります。
だからこそ普段から安全運転を心がけることが大切です。
今回はスピード違反対策について、いろいろと見ていきます。
スピード違反は交通違反でも最も多い
車で道路を走っているとき、路上で警察官が聞き取りをする場面に出くわすことがあるでしょう。
警察官が路上で聞き取りを行う目的は、事故の現場検証やスピード違反などさまざまです。
中でもスピード違反は、交通違反の中でも最も多く発生しています。
『警察白書』によれば、2019年度で発生した交通違反は約730万件です。
このうちスピード違反に関するものは約114万件で、全体の約16%となっています。
16%という数字は高くなく見えるでしょう。しかし年間100万件以上発生しているため、他人事ではないという意識が大切です。
スピード違反への対策としてできることとは
スピード違反で警察の取り締まりを受け、処分されるというのはなるべく避けたいことでしょう。
だからこそ普段から車のスピードには気を付けるべきです。しかし具体的にできることに何があるのでしょうか。
スピード違反への対策としては、以下のようなものが挙げられます。
時間に余裕をもって運転する
スピード違反の対策として最初に挙げられるのが、時間に余裕をもって運転することです。
スピード違反で処分される原因の中には、途中で急いでいたというものもあります。
それがいくら仕事や通学を理由にしたものであっても、残念ながら警察の処分は免れません。
このため時間に余裕を持つことが大切です。早めに出発したり、場合により高速道路を使ったりする方法があります。
最高速度の標識に気を配る
一般道や高速道路に関係なく設置されている最高速度の標識に気を配ることも重要です。
特にカーブが多いところや街中などは最高速度が変化することもよくあります。
その中で最高速度を常に意識して走ることで、スピード違反を避けることが可能です。
なお高速道路の場合は、最高速度に加えて50㎞以上の最低速度を維持することも求められます。
最新の取り締まり情報を意識
このほか最新の取り締まり情報を意識することも、スピード違反を避ける重要なコツです。
最新の取り締まり情報は、都道府県警察のホームページやカーナビなどで確認できます。
警察のサイトで確認することが難しい場合は、カーナビが伝える情報に注意を払うべきでしょう。
また全国交通安全運動展開中の時期や大型連休の時期も要注意です。
スピード違反は危険性が大きい分、処分も厳しめ
スピード違反は一見、最高速度をいくらかオーバーした程度の行為に見えます。
しかしその割に、スピード違反に対する取り締まりや処分は厳しい内容です。
具体的な内容は後で見るとして、なぜスピード違反に対する処分が厳しいのかを見ていきます。
スピード違反の処分が厳しい理由は簡単で、場合により人命を奪うためです。
具体的にはスピードが出すぎていると、車が停車する際に時間がかかります。
時速60㎞の場合でさえ、約40m走ってようやく止まる状況です。
猛スピードで走っている場合、目の前に人が現れれば相手を負傷・死亡させることもあります。
1つ間違えれば殺人にもなりかねないからこそ、スピード違反の取り締まりや処分は厳しいです。
一般道と高速道路で異なるスピード違反での処分内容
もしスピード違反で警察から処分を受ける場合、どのような内容になるのでしょうか。
実はスピード違反による処分の内容は、走っている道路や超過速度によりさまざまです。
処分の内容をあらかじめ知ることもまた、スピード違反への対策になります。
道路によって最高速度が異なる分、処分内容が異なる
スピード違反による処分の内容は、道路ごとの最高速度について知ることが大切です。
基本的には一般道で60㎞、高速道路で100㎞となっています。
ただし一般道については、場所によって60㎞以外のケースも多いです。
そしてスピード違反の処分内容は、最高速度に対する超過速度に応じて決まります。
このため、常に最高速度標識には気を配るべきでしょう。
なお10㎞や15㎞未満は問題ないともいわれるものの、処分されない保証がない点に注意です。
軽微な場合は反則金
スピード違反に対する処分は、反則金を払う場合と懲役刑か罰金を払う場合があります。
このうち反則金を払うケースは、いわゆる「青キップ」と呼ばれるものです。
期日までに反則金を支払えば、違反点数が加算される程度で済みます。
具体的には超過速度ごとに、以下の通りです。
- 1~14㎞:違反点数1点、反則金9,000円
- 15~19㎞:違反点数1点、反則金12,000円
- 20~24㎞:違反点数2点、反則金15,000円
- 25~29㎞:違反点数3点、反則金18,000円
- 30~34㎞(高速の場合のみ):違反点数3点、反則金25,000円
- 35~39㎞(高速の場合のみ):違反点数3点、反則金35,000円
悪質な場合は懲役刑や罰金
もし超過速度が上記以上の場合は、より処分の重い赤キップが発行されます。
赤キップの場合、懲役6ヶ月以下か10万円以下の罰金が科される内容です。加えて刑事罰であるため、前科も付きます。
具体的には一般道であれば超過速度30㎞以上、高速道路の場合は40㎞以上が赤キップの対象です。
また青キップも期日までに反則金を払わない場合、取り調べや裁判を受ける羽目になります。
場合によって一発免停も
赤キップの場合、免停(免許停止)になることもあるため注意が必要です。
赤キップは最大でも違反点数12点で、免停は15点で適用されるため、単独では免停になりません。
ただし赤キップ発行時に交通違反の前歴がある場合は、免停の対象となります。
このため特に交通違反の前歴がある場合は、赤キップを切られないように注意が必要です。
ほかにも刑事罰になる場合も
上記以外にもスピード違反が原因で刑事罰の対象になることもあります。
具体的にはスピード以外の交通違反があった場合や、無免許状態や飲酒運転があった場合です。
特に飲酒運転は年ごとに処分が厳しくなってきているため、絶対に避けるべきといえます。
警察によるスピード違反を取り締まる方法を知るのも対策
スピード違反への対策には、警察がどのように取り締まりを行うのかを知ることも大切です。
警察が行うスピード違反取り締まりには、大きく分けて3通りの方法があります。
ネズミ捕り(定置式速度取締)
最初に挙げられる方法が、「ネズミ捕り」です。正確には「定置式速度取締」と呼ばれています。
あらかじめ決めた区間の両端に測定器を置き、その間のスピードを測る方法です。
仮に法定速度を極度にオーバーしている車があれば、呼び止めて聞き取りを行います。
なおパトカーは、走っている車から見えにくいところで張り込んでいるのが特徴です。
警察車両による追跡
2つ目の方法に、警察車両による追跡が挙げられます。
不審な車両を見かけたときに車内で速度を測り、違反が確認できた時点で呼び止める方法です。
なお使われる車両としては、パトカーのほか白バイがあります。
オービス(自動速度違反取締装置)
スピード違反の取り締まりに使われる方法で、特に一般的なものがオービスです。
「自動速度違反取締装置」と呼ばれ、違反車両があれば速度を測り、カメラで記録します。
高速道路に設置されているイメージが強いものの、一般道にも数多いです。
スピード違反の点数は消えるのか
スピード違反で処分を受けた場合、違反点数は必ず付きます。
この違反点数は一定の点数を超えると、運転免許の停止や取り消しへの影響も大きいです。
スピード違反で付いた違反点数は、消すことができるのでしょうか。
実は交通違反で付いた違反点数は、交通違反ごとに加算されるのが一般的です。
逆に考えれば、無違反であれば違反点数は0点のままといえます。
もし違反点数が付いた場合でも、1年後に無事故・無違反であればリセットされる仕組みです。
なお違反点数の計算は、過去3年間の前歴の有無や点数で計算されます。
まとめ
スピード違反に対する対策などをいろいろと見てきました。
交通違反の中でもスピード違反が多い分、決して他人事ではないからこそ対策しておくべきです。
時間に余裕をもって運転することや最高速度を意識するなどの方法があります。
またスピード違反の処分には青キップと赤キップがあり、赤キップは特に重いです。
スピード違反は人命を奪ったり、自身の人生を狂わせたりすることもあります。
このため、日頃から車の運転に注意することが大切です。