車の盗難は1年間で1万件以上発生しており、車を持つ人なら決して他人事ではありません。
特に「ハイエース」という車種の車は海外でも非常に人気があり、盗まれやすい傾向にあります。
しかし盗難の手口や対策について事前に知ることで、愛車を盗難から守ることは十分可能です。
また車を盗難する犯人は、ドアノブの下に穴を空けることがあります。その理由は何なのでしょうか。
ハイエースの盗難対策と、最新の盗難の手口などについてご紹介していきます。
盗難に遭わないための対策
ハイエースは日本内外で人気のある車種で、窃盗団に狙われるリスクが非常に高い車です。
日本では2007年から一番盗難被害に遭った車にも挙げられています。
電波を飛ばしてロックを解除するスマートキーがあるのが特徴ですが、それを利用されて盗まれてしまうことも。
この車が狙われやすい理由や盗難手口はいくつかありますが、まずは今すぐできる対策を紹介しましょう。
普段から気を付けておくことで、盗まれるリスクはグッと下がるのです。
電波を飛ばしてドアを開けるキー(スマートキー)の場合は車の近くで操作する
先に解説したように、ハイエースにはスマートキーという機能があります。電波を飛ばして車のロックを解除するものです。
スマートキーとは、鍵穴を必要とせず「車に近づく・触れるだけ」で操作できる車用の鍵を言います。
遠くから操作をすることもできてとても便利な反面、コードを傍受されて鍵を開けられてしまう被害が後を絶ちません。
スマートキーでロックを解除する場合は、なるべく車の近くでキー操作をするようにしましょう。
車を駐車する場所を考える
契約駐車場に車を駐車する場合などは、人目が少ない場所などは避けてください。
できるだけ大通りに面した駐車場や、人目につきやすい駐車場を選ぶようにしましょう。
見えやすい場所に駐車しておくだけで、窃盗の抑止力につながります。
賃料は高くなりますが、シャッターがついているガレージもおすすめです。
外から見えなければ、愛車を盗難から守ることができる確率も高くなります。
車にカバーをかける
犯人は高く売れそうな車を選んで犯行に及ぶことが多いです。
反対に何の車種かパッと見ただけでは判断がつかない車なら、手を出しにくくなるでしょう。
そのため車にカバーをかけて外から車の種類を見えなくすることで、狙われにくくすることができます。
あらかじめ下見をした上での犯行だと最初から車種を把握されているため効果が薄いですが、その場の盗難なら効果も大きいです。
センサーライト・防犯カメラをつける
基本的に、犯人は明るい場所を嫌います。
人の動きなどを感知するセンサーライトをつけることで、狙われる確率を下げることができるでしょう。
またライトと一緒に防犯カメラをつけることで、盗難・防犯対策をしているという強いアピールにもなります。
本物の防犯カメラはお金がかかるという場合は、偽物の防犯カメラをつけるのも手です。
これは見た目こそ防犯カメラですが、実際に録画はできません。実際に防犯グッズとして売られています。
たとえ録画できなくても、防犯カメラがあるというだけで盗難の抑止力になるのです。
犯人がドアノブ下に穴を空ける理由は?
犯人は車を盗む時、ドアノブの下に穴を空けることがよくあります。
これは穴からどんなハンドルロックを使っているのか、カメラはついているのかどうかを確認するためのものです。
その上でタイミングを見計らって車を盗みます。
もしもドアノブの下に穴があった場合は車を狙われている可能性が高いため、すぐ警察に相談しましょう。
最新の盗難「リレーアタック」
スマートキーがあるハイエースで特に多い盗難手口が、この「リレーアタック」でしょう。
リレーアタックとは、スマートキーのシステムを悪用した盗難手口です。
手口としては、スマートキーから発生する電波を特殊な受信機を使って拾います。
それから拾った電波を車に向かって発信することで車のカギを開けて、車を盗み出すのです。
さらにこの電波を使えばエンジンを始動させることもできるため、盗難までの時間も短くすることができてしまいます。
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リレーアタック対策
ハイエースの持つ機能を利用したリレーアタックは、非常に厄介な手口です。
しかしこれから紹介する対策をすれば、この手口を防ぐことができるでしょう。
これらはハイエースに限らず、スマートキーを持つ車ならどの車種でもできます。
スマートキーを節電モードにする
節電モードがついているスマートキーなら、それに設定することで微弱な電波をオフにすることが可能です。
電波が一切出なくなれば、外で拾われてしまう危険もなくなります。
車に乗らない時は、いつも節電モードにしておく習慣をつけておきましょう。
電波を遮断するキーケースやポーチを使う
電波を遮断できる仕様が付いた、キーケースやポーチなどがあります。
そこにスマートキーを入れることで電波を遮断し、電波を拾われる危険性を下げることができるのです。
もっと手軽な方法としてはアルミ缶の中に入れるか、アルミ箔で包んでおくのも効果的とされています。
ただし、これらの方法は最早通用しなくなってきているでしょう。窃盗団の技術も、日々進化しているからです。
部品が持ち去られていることがほとんどです。
犯人は、持ち主が車を使うタイミングをどこかで見計らっている可能性があります。
持ち主がスマートキーを使った瞬間、電波やコードを傍受されて鍵を複製されてしまうのです。
夜間の盗難対策などには効果的ですが、できれば他の盗難対策と合わせて使うようにしましょう。
リレーアタックを防ぐ対策として最も簡単なのが、電波を遮断するケースにスマートキーを入れておくことです。車関連用品店舗では電波を遮るポーチや、スマートキー専用のケースが販売されています。
盗難防止グッズを使う
ハンドルロックやタイヤロックなどといった盗難防止グッズは、リレーアタックが常習化した今でも効果的とされています。
万が一リレーアタックに遭った場合もすぐに車を動かすことができません。そのため犯人から狙われにくくなる可能性があります。
物理的なロックは、セキュリティよりも外しにくいのです。
そしてグッズを使うことで、「盗難について意識を向けています」というアピールにもなるでしょう。
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ハイエースが盗難されやすい理由
日本で一番盗難被害に遭っている車はハイエースだと解説しました。
窃盗団だって、ただなんとなくハイエースを選んで盗んでいるわけではありません。必ず理由があるものです。
ここまでハイエースが盗まれやすいのは何故なのでしょうか。
海外でも人気の車種
ハイエースは、海外ではバスとして利用されていることも多くあります。
そのため、ハイエースは世界的な人気車種の一つです。当然高く売れるでしょう。
人気車種は当然需要が高く、中古車でも高く買い取られるものです。人気車種だからというのも、十分盗まれやすい理由になります。
盗みやすい
旧式モデルのハイエースはセキュリティが弱く、盗みやすいとされていました。
現在のモデルは無論強化されているものの、旧式モデルも未だ現役です。
後付けでセキュリティ強化もできますが、やっていない持ち主も多いでしょう。
セキュリティの脆弱性も、ハイエースが狙われることが多い理由の一つとされています。
部品を流用することができる
ハイエースはモデルの周期が長いため、旧式モデルの部品を新しいモデルのハイエースに使うことができます。
そのため車本体だけでなく、部品やパーツ目当てで盗難に遭うこともあります。
仮に盗まれた車が返ってきたとしても、部品が持ち去られていることがほとんどです。
同協会の調査結果では、ハイエースが盗まれる理由として1つは「耐久性に優れ部品の汎用性もあり、海外での人気が高い」こと、もう1つは「イモビライザの標準装備が進まずセキュリティが低いことから、自動車窃盗団の標的となっている」ことを挙げている。
被害に遭いやすいグレードはあるのか
実際のところグレードはあまり関係なく、全体的に人気の高い車種が盗難に遭う確率が高いようです。
特に日本ブランドの車は品質も信頼性も高いため、世界的に見ても非常に人気があります。
海外でも日本製の車が盗難に遭うことはよくあるのです。日本で盗まれた車が、海外に持ち出されるケースも多いでしょう。
日本車に乗っている人は、ハイエースに限らず盗難に対する注意や意識を持つことが必要になります。
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まとめ
ハイエースの盗難対策について解説しました。ハイエースは世界中で人気が高いので、窃盗団に非常に狙われやすい車です。
「車を駐車する際は明るく人目につく場所に」「盗難防止グッズを使う」など、日頃から意識するだけでも盗難対策につながります。
一方で「近い場所に行くだけだから」「すぐに車に戻ってくるから」でも、車にキーをさしたままで車から離れないようにしましょう。
日頃のちょっとした行動にも注意が必要なのです。
ハイエースに限らず、車を持つ人は誰でも車の盗難に遭う可能性があります。その意識を常に持って、車に乗るようにしましょう。
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