朝起きて家の前に出てみたら、家の塀や壁面に落書きをされていた…。
このようなことが起こったら、多くの人がショックのあまりその場に呆然と立ち尽くしてしまうでしょう。
犯人が見当もつかないため、その怒りをどこにぶつけたらいいのか分からずパニックになってしまう人もいるかもしれません。
それが一度きりだけでなく何度もあったら精神的に参ってしまいます。
落書きは家屋など個人の財産に損害を与えるのはもちろん、人の心も大きく傷つける犯罪です。
このような犯罪に直面したらどう対処すればいいのでしょうか?
この記事では、落書きを防止するための対策法を徹底解説。
落書きされた場合の対処法や落書きを未然に防ぐための対策法をご紹介します。
落書きは軽いいたずらではない!
落書きは軽いいたずらだと思われがちですが、器物損壊罪や名誉毀損罪など、刑法上の罪が成立するれっきとした犯罪です。
そのほか、軽犯罪法違反・建造物損壊罪・侮辱罪など、複数の罪が同時に成立する場合もあります。
そのため、落書き行為を発見されたら逮捕される可能性もありますし、勾留されたり起訴されたりする場合もあるのです。
万が一落書きをされてしまったら、軽いいたずらとして見過ごすことは到底できません。
犯人に罪を償ってほしいと思うのが当然でしょう。
落書きを発見したらどうする?
落書きをされている場所を発見した、あるいは落書きをしている現場を目撃した場合、どのように行動すればいいのでしょうか?
なるべく早く消す
落書きに使われる塗料の多くは、時間が経つにつれて塀や壁の素材に浸透してしまいます。
そのまま放置しておくといずれ完全に定着して消すのが難しくなってしまうでしょう。
ですから、落書きを発見した場合はなるべく早く消すようにするなど、すぐに対処することが重要です。
また、なるべく早く消すことで、落書きをされた場所にしっかり目が行き届いているということをアピールすることもできます。
警戒しているということを犯人に知らせることで、再び落書きされるのを防ぐ対策にもなるでしょう。
警察に通報する
落書きをしている現場を目撃した場合は、現行犯逮捕できる可能性が高いので一刻も早く警察に通報します。
直接声をかけて落書きを止めようとした場合、犯人とトラブルになって重大事件に発展することもあるので気をつけましょう。
被害届を提出する
落書きをされた人の中には、落書きくらいで警察に通報してもいいのか躊躇してしまう人もいるかもしれません。
ですが、前述したように落書きは単なるいたずらで済まされるようなものではなく、さまざまな罪名がつく犯罪です。
落書きを発見したら、消してしまう前に警察に通報し、被害届を提出しましょう。
証拠として落書き現場の写真を撮影しておくのもおすすめです。
落書きは何度も繰り返される?
一度でも落書きをされた場所は、何度も狙われる可能性があります。
消しても消しても落書きされ、まるでいたちごっこのようになってしまうケースもあるといいます。
落書きをされる度に腹立たしく不愉快な気持ちになるのはもちろん、消す作業に手間がかかるのも面倒に感じるでしょう。
落書きは何度も繰り返される可能性があるということを頭に入れ、未然に防止する対策法を考えるべきです。
再発を防ぐためには、「落書きを絶対に許さない!」という強い意志と監視の姿勢が必要になるでしょう。
落書きを放置するとどうなる?
家屋の塀や壁、民有地内に落書きをされた場合、最初のうちは何とか落書きを消そうと対処する人がほとんどでしょう。
ですが、前述したように落書きは何度も繰り返されることが多く、ターゲットになってしまっている可能性もあります。
せっかく消してもまた落書きされることもあり、それが続くと諦めの気持ちから次第に放置状態になってしまうことも。
しかし、落書きを放置してしまうと地域全体の治安が悪くなっていきます。
目が行き届いていない地域だと認識されるため、犯罪の温床になってしまう可能性も出てくるのです。
何度も繰り返される落書きに向き合うのは肉体的にも精神的にも骨が折れる作業ですが、諦めずに向き合っていく必要があります。
落書きを未然に防ぐ対策法
落書きは、書かれてしまってからでは消すのに多くの労力や手間、費用がかかってしまいます。
なので、落書きを未然に防ぐことを一番に考えて対策を行うようにしたほうが効率が良いのです。
最後は、落書きを未然に防ぐ対策法をいくつかご紹介します。
落書き防止スプレー
塀や壁に落書きをされないようにするための対策として、それらの部分を落書きできない状態にしてしまう方法があります。
いわゆる落書き防止スプレーというものを使って塀や壁に吹きかけておけば、落書きの塗料を強力にはじくことができます。
ペンキ・油性ペン・クレヨン・ボールペン・マニキュアなどが一切つかなくなるため、落書きしたくてもできない状態になるのです。
皮膜が薄いと効果が十分に発揮できないため、使用するときはたっぷり吹きかけるようにしましょう。
コーティング塗装
落書きをされる恐れがある場所にあらかじめコーティング塗装を施すのも対策法としておすすめです。
もし落書きをされるようなことがあっても消去剤で簡単に消すことができるので、安心材料のひとつになるでしょう。
自治体によっては、落書き対策の一環としてコーティング塗装にかかる費用の一部を助成してくれるところもあるようです。
このような助成制度を利用してみるのも手ではないでしょうか。
防犯カメラ
落書きを未然に防ぐ対策法として最も効果が期待できるのが防犯カメラの設置です。
防犯カメラが設置されている場所にわざわざ落書きをする人はいないのではないでしょうか。
落書き現場を抑えられてしまうリスクを冒してまで強行する人はいないはずです。
落書きをされる恐れがある場所にあらかじめ防犯カメラを設置することで、防止効果が期待できます。
また、万が一落書きをされた場合には犯人特定の証拠としても活用できるというメリットもあるでしょう。
人感センサーライト
落書きは人目につきにくい時間帯に行われることが多い犯罪です。
人に見つかりにくい時間帯とは出歩いている人がいない時間帯であり、そのほとんどが夜間になります。
夜は外に出ている人も少なく、外灯のない場所では人の姿を認識できないくらい真っ暗になるため落書きが起こりやすいのです。
そのような場所に落書きをされるのを防ぐには人感センサーライトを設置するのがおすすめです。
人が近づくとセンサーが感知し、ライトが点灯します。
暗闇の中で落書きをしようとしていた犯人は、ライトの点灯に驚いて決行を断念する可能性があります。
人目につかない場所が多い場合は、人感センサーライトの設置を検討してみると安心感が高まるでしょう。
ステッカー・ポスター・看板
「落書きは犯罪である」ということを訴える内容のステッカーやポスター、看板などを設置することも対策法としておすすめです。
警告とも取れる文言を掲示することで、きちんと管理されている場所だということを印象づけることができます。
落書きをする側に心理的な圧迫感を与えることができるので、結果として落書きの防止につながるでしょう。
まとめ
人が見ていない時間帯や人目につかない場所で行われる落書きは、とても卑劣な犯罪行為です。
落書きをした犯人は面白半分でも、落書きをされた側にとっては精神的なダメージが大きく、家屋にとっても深刻な被害になります。
また、景観を損ねるだけでなく、より重大な犯罪を招く危険性も潜んでいるのです。
落書きをされたら泣き寝入りせず、行政の力を借りて一刻も早く解決するようにしましょう。
「落書きに負けない!」という意識をもって、忍耐強く向き合っていくことが大事です。