ちょっとした空き時間や休憩に読みたくなるマンガは日本を代表するカルチャーの一つです。
マンガは子供から大人まで、幅広い層で慣れ親しまれています。
しかし、その影で違法にマンガを掲載する「海賊版サイト」が問題となっているのです。
この海賊版サイトでは無許可で掲載したマンガで犯罪者が稼ぎを得て、さらにアクセス者を犯罪に巻き込んでいます。
そんな犯罪に巻き込まれないためにも海賊版サイトへのアクセスを避ける対策法をご紹介するので、ぜひ参考にご覧ください。
これを見れば漫画違法サイトの特徴などや危険性も正しく理解できるはずです。安全にマンガを楽しむ方法を知りましょう。
海賊版サイトを利用してしまう心理とは?
海賊版サイトは法律面でも社会的な権利を守るためにも利用してはいけません。
しかし、中には海賊版サイトを使ってはいけないとわかりつつ利用している方もいます。
そんな人達はどのような経緯で海賊版サイトを使ってしまうのでしょうか?
海賊版サイトを使ってしまう人のよくあるパターンを見てみましょう。
無料だから見たい
海賊版サイトを利用する方はマンガを無料で読みたいからという理由で利用している方が多いです。
これは近年、無料で読めるWebマンガの発展などもあり、価値が軽視されてしまっていることも背景にあるでしょう。
しかし、基本的に物には対価を払わなければいけないため、じつは無料のWebマンガでも広告などで対価が支払われています。
海賊版サイトを利用する人はこの構造を知らないせいで「マンガは無料が当然」と考えて安易に利用してしまうのです。
マンガを置くスペースが無い
海賊版サイトの利用者はマンガを買いに行く時間がない、自宅に置くスペースがないという理由から利用する人もいます。
マンガをわざわざ買いに行かずに手軽にスマホで見たい、場所を取るのが嫌という人が少なからずいるのです。
これには1つの端末で完結する電子書を好む人が増えたことも背景にあるでしょう。
さらに公式の配信サイトを知らず、何かのきっかけで知った海賊版サイトを利用してしまう場合もあります。
このように誰しも当てはまるような理由から海賊版サイトを利用してしまうことはよくあるパターンなのです。
海賊版サイトの特徴と利用してはいけない理由
海賊版サイトを利用していけない理由は犯罪に手を貸すことに繋がってしまうからです。
さらに本来の権利者への利益構造を破壊することになるため、権利者の生活を脅かしてしまう事実も無視できません。
もし海賊版サイトに誘惑されたとき、このようなリスクを知らずに利用してしまうのは無責任と言えます。
そうならないためにも海賊版サイトの特徴と利用してはいけない理由について詳しく知っていきましょう。
海賊版サイトの特徴
海賊版サイトはサイトの構造や説明を見るとある程度判断することができます。
例えば完全無料を謳っていたり、許諾マークがなかったり運営会社のクレジットが見つからない場合が多いです。
さらに無料ダウンロードを促すような文言があったりもするでしょう。
本来の正規配信サイトは広告や課金制など何かしらで収益を得れるようになっており、海賊版と差別化できるよう徹底しています。
そのため、特徴を注意深く確認することで海賊版サイトか否か判断できるでしょう
海賊版サイトの特徴
- 許諾マークがない
- 運営会社が確認できない
- 無制限で極端な無料掲載
- 無料ダウンロードを促す
海賊版サイトは犯罪者の資金源
海賊版サイトはそもそも犯罪者による資金源となっていることはあまり理解されていません。
日本はもちろん、海外でもマンガや映画の海賊版は犯罪組織の資金稼ぎに使われていたケースが多くあります。
例えば、2019年に話題となった漫画村の著作権侵害事件では被害総額は3200憶円にも上り、業界や権利者に大きな損害をもたらしました。
この漫画村も閲覧者から個人情報の引き抜きをしたり、仮想通貨のマイニングをさせて利益を得るなどを組織的に行っていたのです。
つまりは海賊版サイトを利用することはこのような犯罪者に手を貸すことと同義になってしまうでしょう。
そのため、サイトを利用することは絶対に避けなければいけません。
本来の権利者の賃金に繋がらない
マンガは基本的に購入されることで、その収益から作者や出版社にお金がいきます。特に作者はその印税が生活費に直結するのです。
そのため、海賊版サイトに無断で掲載されてしまった場合、得るはずだった印税は1円も入ってこないということになります。
つまり海賊版サイトを利用してしまうと、何処かにいる作者の生活を不幸にしてしまうことに繋がるでしょう。
作品には必ず作者がおり、多くの人と同じように生活を送る権利があるということを忘れてはいけません。
海賊版サイトで罪に問われるケースと罰則
海賊版サイトは著作権者の許諾なく展示して利益を得たとして、著作権侵害という罪で裁かれます。
さらに閲覧する側も違法とわかっていながらダウンロードすれば、著作権侵害です。
つまりどんな理由であろうと拡散・閲覧の両方に責任が問われるということといえるでしょう。
著作権侵害のケース
- 閲覧目的としてDLしてしまった場合
- 権利者の許諾なくマンガを掲載した/利益を得た
上記のようなケースの場合、著作権侵害として10年以下の懲役または1,000万円の罰金もしくはその両方が科せられます。
さらに許諾なく掲載した側には民事訴訟で損害賠償も要求されてしまうでしょう。
海賊版サイトを利用することで降りかかる危険
海賊版サイトでマンガを読むことは権利者を不幸にするだけではなく、自身も危険にさらす可能性が高くなります。
何故なら海賊版サイトは無料でマンガを掲載する裏で搾取構造を作っており、アクセス者を利用しているからです。
例えばサイトにアクセスした人のクレジットカードなど個人情報を売ったり、仮想通貨のマイニングに強制参加させています。
さらにウイルス感染させられる可能性も高く、海賊版サイトを利用することは非常に危険であるといえるでしょう。
海賊版サイトを避けるための対策法
いくらマンガを読みたくても海賊版サイトを利用することは様々な面から見ても絶対に避けるべきと言えます。
では、海賊版サイトを避けるためにはどのような対策が必要でしょうか。
マンガ業界は海賊版サイトへの対策や差別化に沢山の工夫を凝らしています。
海賊版サイトを不用意に利用してしまわないよう避けるためのポイントを見ていきましょう。
サイトの運営会社を確認する
マンガを読むためのサイトは運営会社を確認することでその信頼性を計ることができます。
基本的に運営会社はサイトにクレジットしているのが一般的です。しかし。そのような記述がない場合は海賊版サイトである危険があります。
また、もしクレジットしてあっても会社の実態がない場合もあるでしょう。
騙されてしまわないために運営会社がどのような会社であるか調べてみることが重要です。
出版社で共通する許諾マークを確認する
マンガ業界は出版社の垣根を越えて、正規出版物である証明のマークを作りました。それが「ABJマーク」です。
この「ABJマーク」は「Authorized Books of Japan」の略で正規の出版物であるという意味になります。
つまり、このマークがある配信サイトは許可を受けた上で正規で作品を配信しているということになるのです。
そのため、その配信サイトの信頼性を確認するには、この「ABJマーク」があるか確認するのが手っ取り早いと言えるでしょう。
正規の配信サイトならばサイトのトップなどわかりやすい場所、もしくは作品ごとにこのマークの案内があるはずです。
電子書を利用する場合は必ず探してみましょう。
作品の公式サイトから配信サイトを確認する
もし見たいマンガが決まっているなら、作品の公式サイトや出版社の作品サイトから配信サイトを確認してみましょう。
多くの作品は読者に正規の方法で作品を楽しんでもらいたいため、サイトで配信サイトを案内している場合が多いです。
そのため、とりあえず公式サイトを覗いてみて配信サイトを確認すると、手っ取り早い可能性もあります。
また、もし特定の作品が定まってないなら、多数の作品を楽しめる配信サイトを利用するのも良いでしょう。
正規配信サイトの良さを知る
電子書の正規配信サイトには様々な形態があります。そのため、それぞれの読者のスタイルに合わせた選択も可能なことが魅力です。
例えば、料金を払いポイントを買って作品を購入するポイント制はポイントバックや割引などが時々にあることが魅力でしょう。
また、月額料金を払い、多くの作品が読み放題になる配信サイトは多くの作品を読みたい方に向いています。
このようにそれぞれの配信サイトには強みがあるため、それを知ることで自分に合った配信サイトで楽しむことができるのです。
さらにサイトも無料期間やお試し期間がある場合が多いため、気軽に試すこともできます。
電子書の配信サイト例
- ポイント制…ポイント(サイト内通貨)を買い、作品ごとに購入する/代表 U-NEXT、コミックシーモア、まんが王国など
- レンタル制…安価な代わりに見れる話数・時間を制約したりする/代表 U-NEXT、レンタルシーモア、Renta!など
- 読み放題…月額に一定額を払い、多くの作品を読める/代表 U-NEXT、読み放題シーモアなど
詳しくは以下のサイトもご覧ください。
もし海賊版サイトを見つけたら?
もし海賊版サイトである、その疑いがあるサイトを見つけた場合は、公的機関に情報提供もしくは通報をすることも可能です。
特許庁 政府模倣品・海賊版対策総合窓口
公式サイト:https://www.jpo.go.jp/support/ipr/index.html
海賊版サイトの犯罪は産まれては消えるを繰り返し、いたちごっこだとも言われています。
必ず通告する義務はありませんが、もし情報提供があればマンガ業界をより良い状態へ導くきっかけを作れるかもしれません。
まとめ:海賊版サイトへの高い意識を持とう
海賊版サイトは近年では厳罰化や摘発によって減少しています。しかしそれでも無くならないのは無関心な利用者がいることが原因でしょう。
作品には必ず人が関わっており、生活しているということを多く人が認識すれば海賊版サイトを利用する人は減ります。
そのためにも今日から海賊版サイトの危険性を知り、無関心のループから抜けることが大切です。
ぜひ今回ご紹介したABJマークなど海賊版サイト利用を防ぐ対策を図り、正規の配信サイトを探してみてください。
正規の配信サイトで好きなマンガの電子書を読めば、作品を応援することもできるでしょう。
また、もし身の回りにも海賊版サイトの危険性を知らないで利用している人がいたなら、そっと声を掛けて教えてくださいね。