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反社チェックの方法を徹底解説!会社を守るために必要なGoogle検索以外の裏付けとは?個人で使える無料ツールもご紹介!

入社してしばらく経ち業務に慣れた頃「ちょっとこれ担当して」と声がかかることが多いのが「反社チェック」ではないでしょうか。

企業法務の専門書を開いても具体的な対策はなく、社内のマニュアル通りに進めても手間のかかる割に効果に不安がありませんか?

この記事では反社チェックの方法を徹底解説Google検索のほか個人で使える無料ツールもご紹介します。

そもそも「反社」とは何を指すのか

ワイシャツ姿の男性

反社とは‟反社会的勢力”のことです。

反社会的勢力(はんしゃかいてきせいりょく、英語:Anti-Social Forces)とは、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/反社会的勢力

契約のトラブルを避けるためには、契約書の締結前に契約相手から反社会的勢力を排除する必要があります。

「反社チェック」は何をすることなのか

それでは具体的に何をすることが「反社チェック」になるのでしょうか?

反社チェック」は取引先・社員・株主等に反社会的勢力との関係が疑われる人物や組織が含まれていないか取引前に確認することです。

別名『コンプライアンスチェック』とも呼ばれます。

コンプライアンスとは企業が法令や規則を守ること、すなわち法令遵守の意味です。

反社会的勢力は暴力、威力と詐欺的手法を用いて法令を犯すこともある存在のため、必ず法令を守る取引先であることを確認するわけです。

そもそもなぜ反社チェックが必要なのか

赤ペンとチェックノート

近年反社会勢力の資金獲得活動が巧妙になり、意識が高い企業でも反社勢力の関係先とは知らずに取引を行い被害にあう例が増えています。

このような状況を受けて、政府では企業の側に十分なチェック体制を求め、その理念や具体的な対応をまとめた指針を作りました。

政府の指針により企業は反社会的勢力の被害を防止する努力を求められている

2007年6月19日に政府が発表した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では下記の基本原則が定められています。

1 反社会的勢力による被害を防止するための基本原則
○ 組織としての対応
○ 外部専門機関との連携
○ 取引を含めた一切の関係遮断
○ 有事における民事と刑事の法的対応
○ 裏取引や資金提供の禁止

出典:http://www.moj.go.jp/content/000061957.pdf

要するに「会社として社外の専門家も頼りつつチェック体制を整えよ」「反社会的勢力とは一切関わりを持たないように」ということです。

さらに「法的手段の利用も視野に入れて対応せよ」「もちろん隠れて関係を持つことも禁止」と書かれています。

具体的に何をすればいいのかというと、契約書に暴力団排除条項を入れること、反社チェックを行いデータを蓄積することのふたつです。

この指針は法令ではなく拘束力はないとされますが、企業としてこの対応が正しく行われていない場合裁判等で不利になる可能性があります。

他にもある反社会勢力排除の企業努力を求める指針

政府の姿勢を受け、自治体や市場も企業に対し反社チェック体制の構築と正しい運用を求めています

自治体単位では2004年6月に広島県と広島市で、暴力団排除が規定された条例が初めて制定されました。

2007年の政府指針を受けてその動きが加速し各都道府県は2009年〜2011年にかけて一斉に暴力団排除条例の制定を行ったのです。

契約書に暴力団排除条項を入れ、反社チェックを行いデータを蓄積し、利益供与をしないことが求められています。

都道府県の条例にも罰則はありませんが、こちらも正しい対応がとられていないと後日裁判等で不利に働く可能性があります。

2008年には金融庁の監督指針でも「反社会的勢力による被害の防止」に関する規定が設けられました。

金融機関では全社的に統制のとれた反社チェック体制を整えるよう求められています。

この他に証券取引所の新規上場審査基準でも反社チェックの社内体制の構築・運用実態については必ず確認される項目になりました。

このように、契約を締結する前に取引相手が信頼に値するかどうかチェックすることが取引の安全には必要不可欠です。

反社会的勢力との関係を持たないためには企業側が努力を続けるしかありません。

会社を守ろう!自社でできる反社チェック方法10

このように反社チェックは企業活動の欠かせない一部分になっていますが、具体的にはどのような手段があるのでしょうか?

自社でできる10パターンの反社チェック方法をご紹介します。

方法1:暴力団排除条項の締結

契約書には必ず「暴力団排除条項」を設けましょう。

例:公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター 15ページ

警察庁の暴力団対策のページには不動産取引契約書の暴力団排除モデル条項・解説書 概要が掲載されています。

⇒https://www.npa.go.jp/bureau/sosikihanzai/bouryokudan.html

方法2:インターネット検索

基本的にはGoogleで検索を行います。

あらかじめ反社チェック用の検索ワードリストを準備しましょう。

検索ワードの例:

暴力団 or ヤクザ or 逮捕 or 捜査or 捜索or 送検 or 起訴 or 詐欺 or 横領 or 違犯 or 違法 or 犯罪 or 検挙 or 不正 or 訴訟

虚偽 or 倒産 or 申告漏れ or 脱税 or 行政処分 or 行政指導 or インサイダー or ヤミ or グレー or 反社 or 違反

会社名や代表者名・役員名と検索ワードを入力してGoogle検索を実行します。

「株式会社〇〇 暴力団 or ヤクザ or 逮捕 or 捜査or 捜索or 送検 or 起訴 or 詐欺 or 横領 or 違犯 or 違法 or 犯罪 or 検挙 or 不正 or 訴訟」

このように検索すると、会社名とリストのワードいずれかが入った検索結果が表示されるので便利です。

また、ホームページのチェックも大切です。

記載内容に矛盾がないか、デザインがしっかりしているか、社長の顔写真や経歴・会社概要が記載されているか確認しましょう。

会社の情報がオープンにされていないホームページの場合は要注意です。

会社の住所もGoogle mapで検索してください。建物の画像が表示されるので、画像でも会社の存在を確認しましょう。

方法3:過去の新聞記事を検索

国データバンクや日経テレコンなどのサービスで過去の新聞や雑誌記事を検索します。

TDB企業サーチは、企業情報の調査会社である帝国データバンクのサービスで、独自調査を元にした企業情報を検索できます。

企業が公表しているものではなく、実態に基づいた情報を得られます。

日経テレコンは、新聞・雑誌記事やテレビ放映の情報などインターネット以外のメディア情報をまとめて検索できるサービスです。

どちらも有料ですが定評のある会社ですので安心して利用できます。

日経テレコンは会員サイトでキーワードを入力して検索するだけなので、経営者だけでなく株主や主要取引先のチェックも手軽です。

方法4:商業法人登記の確認

商業法人登記を見ることは、企業調査の第一歩です。

会社や団体の情報を国が法的に証明するもので、自由に作成されているホームページとは比較にならないほど信用度が高い情報です。

インターネットでも取得可能ですので必ず確認しましょう。

また、国税庁のホームページで検索できる情報もあります。

国税庁は法人登記している企業に対して12桁の法人番号を指定しており、これは企業のマイナンバーのようなもの。

商号変更や本店移転があっても商業法人登記を追いかけることができます。

サイトにアクセスし商号から法人番号を検索することもできますし、法人番号を入力すれば商号・社名と本社所在地が判明します。

短い期間に何度も商号・社名や本社所在地を変更している企業には要注意です。

登記情報とホームページの記載内容が一致しているかどうかもチェックしましょう。

方法5:不動産登記情報を請求

一般財団法人 民事法務協会が運営する「不動産登記情報」のホームページに登録し、不動産登記情報を請求しましょう。

抵当権者にノンバンクや整理回収機構(RCC)の名前があるかどうかをチェックします。

整理回収機構(RCC)は反社債権の買取や回収受託による関係遮断にも対応しています。

方法6:行政処分情報の確認

Google検索でも行政処分情報をある程度拾えるかもしれませんが、やはり詳しくは業界団体の監督官庁のデータを確認しましょう。

「行政処分 業界名または監督官庁名」で検索してみてください。

方法7:許認可事業者情報

許認可が必要な事業者が調査対象の場合は、許認可取得の有無を確認する必要があります。

各事業の監督官庁のサイトで確認が可能です。

たとえば古物商なら「古物商 法人 リスト」で検索すると「古物商URL届出一覧」(東京都公安委員会)にたどりつけます。

同様に不動産・金融・産業廃棄物・人材サービス等の許認可情報を確認できます。

方法8:業界団体への問い合わせ

不動産業界などでは業界団体がデータベースを持っています。

悪い噂などがないか、直接問い合わせをしてみるのもひとつの方法です。

方法9:本人確認

取引先が個人事業主などの場合には運転免許証やパスポートなどで本人確認を行いましょう。

ウェブプラットフォーム上で取引を行う場合も「本人確認済み」かどうかは重要なチェックポイントです。

方法10:事務所訪問

手間と時間はかかりますが、実際に事務所を訪問することも大切です。

ホームページに掲載されていた店とは別の店になっていたりなど、異変に気付くことができます。

同じビルに入っている会社の名前や雰囲気にも目配りが必要です。

社内調査に限界を感じたら外部に相談を

ホームズとPC

社内でできる調査に限界を感じたら、外部の専門家に助けを求めましょう。大切なことは、反社会勢力と接点を作らないことです。

専門家の知見を取り入れて会社を守りましょう。

暴力追放運動推進センター

暴力追放運動推進センターのホームページでは「企業防衛指針」として暴力団対策に関する詳しい解説を掲載しています。

講習や相談も受け付けています。

特防連

特防連(公益社団法人 警視庁管内特殊暴力防止対策連合会)という団体もあります。

こちらでは反社組織が絡む企業トラブル事例の注意喚起を行ったり企業向けの相談窓口を設けています。

情報請求には法人登録が必要ですが、上場企業の登録も多く弁護士会などの外部団体との連携もあって利用価値は高いでしょう。

警察

他にも警察には暴力団構成員や犯罪歴保有者の情報がありますので警察署に相談するのも一つの方法です。

暴力追放運動推進センター

実際に暴力団の被害にあったときの「駆け込み寺」として市民を支援する暴力追放運動推進センター(暴追センター)が挙げられます。

全国暴力追放運動推進センターと各都道府県のセンターがあり、フリーダイヤルやメールでの相談も受け付けています。

調査会社

調査会社といって個別の企業の調査を依頼できる帝国データバンクや株式会社トクチョーといった会社も良く利用されています。

特に帝国データバンクは反社チェックで真っ先に名前が出てくる国内最大手の企業専門の信用調査会社です。

株式会社トクチョーも老舗の調査会社ですが、どちらも調査料金がそれなりにかかります。

個人で反社チェックをしたいとき使える方法は?

PCと男性の手、本棚

最近は会社員で副業に励む人も多く、会社に属さず個人事業主として稼ぐ人も増えてきました。

そういった個人が反社チェックを行う場合に無料で利用できるツールをご紹介します。

無料ツール

ウェブツールとしては「反社チェッカー」1日5件までは無料で検索できるので便利です。

日経テレコンほど広範囲のメディアをカバーしてはいませんが、主要な新聞とテレビの情報から検索できます。

ツールではありませんが、個人でもできる最も簡単で確実な方法Google検索です。

他にもウェブでできる確認としては商業法人登記の確認、行政処分や許認可の確認があります。

個人でできる反社チェック

個人でできる反社チェック方法で最もやりやすいのは、自分で社長や企業の評判をチェックする方法です。

現在はSNSなどで発信を続けている経営者も多く、自分で直接発信内容をチェックできるのがポイント。

該当する企業や業界で勤務経験がある人を探したり、その企業と取引があった会社の関係者とつながれば情報を得られるかもしれません。

調査をするうえで私生活での女性関係や金銭面でのトラブルには要注意です。

また、あなたが情報を集めていることを知られる可能性があることも頭に入れておきましょう。

その他注意したほうがいい場合

こんな場合は要注意です。

  • これまでの方法で一部不審な情報があった
  • 先方に情報提供を求めた場合に対応を渋られた
  • 一部情報提供を断られた
  • 契約を急いでいる
  • 紹介者など共通の知人がない
  • 紹介者の反社チェックに不審な点がある
  • 話がうますぎる

少しでも怪しいと思ったら、契約を見合わせたほうがいいでしょう。

反社チェックは起業段階からきちんとやるべき重要な企業活動だ!

ビジネスのイメージ

反社チェックとは本来、日常の業務の中で「何かおかしい」「本来ならこうならないのでは」と気づくことがスタートかもしれません。

新しい取引先の情報が入ったら商業法人登記や許認可、風評やホームページ、業務の実態を確認するようマニュアル化するのもおすすめです。

該当する企業とのやり取りの中では業務の実態、取引の経緯や取引中の特異事項の把握も必須項目です。

大切な会社に反社会勢力の影響が及ばないよう複数の手法を組み合わせて慎重かつ確実に反社チェックを行いましょう。

本サイトの記事は犯罪に巻き込まれない、犯罪を未然に防ぐという観点から書かれたものであり、 実際に犯罪に巻き込まれた場合や身に迫る危険がある場合はすぐに最寄りの警察署までご相談ください。

■警察庁 各都道府県警察の被害相談窓口
http://www.npa.go.jp/higaisya/ichiran/index.html