高齢者の運転が原因の交通事故が問題視されている昨今。
車を運転している時や街を歩いている時に高齢者の運転が怖いと感じたことはありませんか?
人によってペースは異なりますが、加齢に伴い身体機能や認知機能、判断力などがどうしても低下します。
大切な家族が交通事故を起こさない、もしくは巻き込まれないためにも高齢者の運転免許証の返納を勧めることが必要です。
そこで今回は高齢運転者の特徴や運転をやめさせたい時の対処方法などについて解説していきます。
高齢者の運転の特徴
運転をやめさせる前に高齢者の運転には一体どのような特徴があるのかを知っておく必要があります。
ただ単にやめさせたいから運転免許証を返納するように言っても応じてくれない可能性があるからです。
まずは高齢者の運転の特徴について話します。
身体機能の低下から来る安全性の低下
加齢に伴い、視力など身体機能の低下が起こります。
結果、歩行者や道路標識などから情報を得るのが困難になって柔軟に対応できなくなるケースも少なくないです。
疲労の溜まりやすさも車の運転に影響が出てきます。
また、安全運転を行うにはハンドリングやブレーキをいかに正確に行えるかどうかが重要。
筋力の低下により、ハンドリングなどに支障が出る可能性もゼロではありません。
判断力や記憶力の低下
車の運転を行う上で加速して良いかどうかなどの判断力が求められます。
一瞬の判断ミスが死亡事故を引き起こします。
また、対向車が多いことを忘れるなど記憶力の低下の問題も注意しないといけません。
いくら運転に慣れていると言っても判断力や記憶力はどうしても低下するため、高齢者の運転には注意が必要です。
自分本位な運転
高齢運転者の中には自分本位な運転を行う方もいます。
加速して良いかどうかなど客観的に状況を把握することが難しくなって交通事故を引き起こすケースも少なくありません。
身近に車を運転している高齢者がいる方はどのような運転を行っているか把握しておくことが大事。
運転技術の過信が大きな事故につながる可能性も十分考えられます。
高齢者に運転をやめさせたい時の対処方法
高齢になった親に車の運転をやめさせようとしているけど上手くいかないと感じている方も多いのではないでしょうか?
やり方によっては関係が拗れてしまう可能性がゼロではありません。
いかに上手く行うかが重要になってきます。
ここでは、高齢者に運転をやめさせたい時の対処方法について話していくので一度参考にしてください。
運転免許証を自主返納した方に説得してもらう
実際に運転免許証を自主返納した方が近くにいませんか?
いる場合は自主返納するメリットを高齢者に説明して頂き、自主返納を促しましょう。
自主返納した理由を聞いて、自分も運転をやめようと感じてくれるかもしれません。
家族と話し合う
家族総出で自主返納を促すことも大事です。
1人がダメでも他の誰かの説得に応じてくれる可能性も十分考えられます。
話し合う際は本人の自尊心を傷つけないようにしておきたいところ。
車の運転以外の楽しみを教える
楽しみは何も車の運転だけではありません。
高齢者に車以外の楽しみを紹介できるかどうかも運転をやめさせられるかどうかのポイントになってきます。
運転をやめるメリットを説明する
危険だからといって自主返納に応じない可能性も十分考えられます。
なので、車の運転をやめることのメリットを高齢者にアピールできるかが重要です。
自動車税やガソリン代などの出費を無くせる、車のメンテナンスを行う手間が省けるなど、やめるメリットは多く存在します。
車にかける費用で別の楽しみにお金を充てることができるなど上手く説得できるかどうかは皆さん次第。
また、65歳以上の高齢者が自主返納を行うと運転経歴証明書が発行されるのもポイントです。
バスの割引などの多くのメリットが存在するため、知っておいて損はありません。
通販や宅配サービスを紹介する
地域によっては車がどうしても必要な場所が出てきます。
高齢者が車を運転する機会を減らすためには、通販など遠方へ出歩かなくて良いサービスを紹介する必要があります。
スマホなどを使いこなせていない場合、使い方を教えるなどのサポートを行いましょう。
交通事故による死亡事故件数について
2000年は交通事故が原因で9073人死亡していたのに対し、2019年では3215人と大幅に減少しています。
ただし、高齢者の割合は上昇傾向にあります。
高齢社会にあるのに加え、事故に遭遇した際のリスクの高さを踏まえると高齢者の死亡事故件数はどうしても高くなりがちです。
全体の死亡事故件数が減っているのはエアバッグなどの技術の向上や医学の発達などが挙げられます。
事故から身を守る術
高齢者の運転による事故を回避するには、身を守る術を身に付けないといけません。
ここでは、事故に巻き込まれるリスクを減らすためには一体何をすれば良いかについて解説します。
信号無視をしない
交通事故の原因の一つに信号無視が挙げられます。
車を運転している時はもちろん、歩行時も信号無視はしないようにしましょう。
皆さんが思っている以上の速度で車が近づく場合もあります。
道路標識をしっかり確認する
普段から道路標識をチェックしていますか?
高齢者による交通事故から身を守るためには道路標識の有無や意味について理解することも大事。
道路標識を守ることで交通事故に遭う可能性を減らしましょう。
道路を横断する際は安全確認をしっかり行う
対向車線に高齢者の車が近づいていないかなど安全確認をしっかり行うのが基本です。
急いでいて周りを確認するのが疎かになってしまう方も多いのでは?
ライトや明るい服装で事故を避ける
車を運転している高齢者に自分の存在を気付いてもらえるかどうかも交通事故を避ける上で必要です。
車や自転車を運転している際はライトを付けて高齢者に自分の存在を知らせましょう。
また、歩行時は明るい服装を着ることをおすすめします。
運転免許返納方法
身近な高齢者に運転免許返納を後押ししたいけど、方法が分からないと感じている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、運転免許返納方法について話していくので一度参考にしてください。
手続きの方法
高齢者が運転免許証の有効期間内に警察署や各運転免許センターを訪れ、運転免許証の返納を申し出ることで手続きを済ませられます。
運転免許証が失効もしくは取り消された時など返納しないといけないケースが存在します。
返納時に必要な物
手ぶらで運転免許証返納の手続きができるわけではありません。
運転免許証と印鑑が手続きを行う際に必要です。
前述でも触れた運転経歴証明書の発行申請を同時に行う際は交付手数料と写真が求められます。
代理人が手続きを行う際は
高齢者の運転免許証を返納したいけど、何らかの事情で手続きを行うことができない場合がどうしても出てきます。
そこで知っておきたいのが代理人による運転免許証の返納手続き。
代理人が手続きを行う際は代理人本人の確認書類に加え、誓約書と委任状兼確認書が必要です。
本人確認に使える書類は運転免許証や戸籍抄本などが挙げられます。
気になることがあるなら自治体の窓口まで相談することをおすすめします。
高齢者講習について
70歳以上の高齢者が運転免許希望する場合、高齢者講習を受講しないといけません。
単語だけでも聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
最後に高齢者講習について解説するので気になる方は是非チェックしてください。
どのような講習なのか
高齢者講習は70歳から74歳の高齢者が運転免許更新を希望する際に行われる講習。
座学・運転適性検査・運転講習からなります。
受講が必要な方にハガキが届くので、受け取った人はハガキに記載されている指定自動車教習所などに受講の手続きを行わないといけません。
高齢者講習にかかる時間は約2時間ほどです。
安全運転についての理解を深めてもらうため、1998年から義務化され、現在に至ります。
75歳以上の高齢者の場合
75歳以上になっても運転免許証を更新する場合、認知機能検査と呼ばれる検査を受けることが義務付けられています。
認知機能検査は記憶力や判断力を見る検査です。
認知症と判断された場合は運転免許証の停止またと取り消しの対象になります。
検査の結果は人それぞれ。
心配ないと思っていても予想外の結果が出てくるかもしれません。
まとめ
高齢者の運転をやめさせるためには本人の気持ちなどを尊重し、上手く行う必要があります。
やり方によっては関係が拗れてしまう可能性もゼロではないです。
身近に運転免許証を返納した方がいる場合は一度相談してはいかがでしょうか?
また、高齢者講習で問題が出た際のフォローも行っておきたいところ。
自分や家族の身を守るためにも事故のリスクを少しでも減らしていきましょう。