ネットいじめは法律で裁けない? | 対処法や警察に相談する流れをチェック

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インターネットに分布するあらゆるSNSや掲示板でネットいじめが問題となっています。

様々な年齢層が書き込みを行えるようになったことで、大人から子どもまでもがネットいじめの加害者となっているのです。

近年ではネットいじめが原因で自殺・自殺未遂をしたという事例も数多く報告されており、現代社会の問題となっています。

そのためネットいじめをしないため、身を守るためにもネットいじめの知識を知っておくべきです。

今回はそんなネットいじめの対策法について分かりやすく解説していきます。

ネットいじめがどのような罪にあたるのか、法律面からも見ていきますのでぜひ参考にご覧ください。

匿名性によって飽和するネットいじめ

ソーシャルメディア ツイッター フェイスブック

ネットいじめは具体的には様々な媒体で見られています。例えばLINEやTwitterなどSNS携帯電話のメールも使われることがあるのです。

もしくはネット掲示板や学校裏掲示板というものでいじめは多くあります。

そこで特定の人を中傷する書き込みをしたり、LINEグループで1人をマークしていじめが横行しているのです。

匿名性の有無は媒体によりますが、ネット上で相手の顔が見えないという状況が安易に中傷してしまう要因の一つでもあるでしょう。

さらに顔が見えない分、匿名性がある場合はことさら常識を疑うような誹謗中傷をしてしまう人もいます。

これは媒体が悪いわけではなく使う人間の常識の問題であるため、規制していくのが難しい問題です。

そのためネットいじめをしない教養を持つことを心掛けること、ネットいじめを受けた時の対策を知っておくことが大事と言えます。

ネットいじめは罪に問われる?いじめを法律から見てみよう

小槌 本 法律

ネットいじめの問題で知っておくべきなのがいじめは法律で厳しく罰せられるということです。

ネットいじめでよくある誹謗中傷や脅迫などは法律で禁止されており、罪に問うことができる場合も多いと言われています。

そこで実際にネットいじめが法律においてどんな罪が適応されるのか見ていきましょう。

大人のネットいじめの場合

大人もSNSなどネット上で誹謗中傷などのネットいじめを受けることも多いでしょう。

インターネットを使った中傷や脅迫で逮捕者が出た事例もあります。

大人のネットいじめで法律において裁かれる可能性がある罪と内容は以下の通りです。

  • 名誉棄損罪…事実を示し個人の悪口や誹謗中傷を行う
  • 侮辱罪…事実無根の悪口や誹謗中傷を行う
  • 脅迫罪…危害を示唆する文章や書き込み
  • 強要罪…脅して万引きなどの強要をする書き込みや行動

以上のような内容の行動が見られた場合、それぞれの項目で罪に問われる可能性があります。

インターネットの書き込みだけでも、その行動の結果は重くのしかかる可能性があるでしょう。

子どものネットいじめの場合

子どもの世界でもネットいじめは多く起きています。ネット社会となった現代では子どもでも携帯電話を持ち、インターネットを使うからです。

学校裏サイトやLINEを使って個人の悪口を言うなどのネットいじめの実態も確認されています。

また、子どものネットいじめは大人とは異なり、名誉棄損罪や侮辱罪に見当する事柄でも立件できるかは難しい問題です。

前提として14歳以下は刑法において罰することができず、14歳以上でも少年法において守られている部分もあります。

そのため14歳以上の加害者が名誉棄損罪や脅迫罪などを犯しても、立件されるかは事件によりけりです。

その場合、従来のいじめと同様に学校の対応を仰ぐ、もしくは保護者と共に解決していくことが多いでしょう。

しかし、それでも悪質ないじめが止まらなければ、加害者を民事裁判にて責任追及し、損害賠償を請求するという選択肢もあります。

14歳以上の子どものネットいじめに適用される罪と内容は以下の通りです。

  • 名誉棄損罪
  • 侮辱罪
  • 脅迫罪
  • 強要罪
  • 14歳以下の場合…刑法では裁けないが民事で損害賠償を請求は可能

ネットいじめを受けた時の対策法

ブロガー 携帯 ブログ

いじめは悪質で少しずつ心を蝕みます。もしネットいじめを受けたなら身を守るための行動をしていかなければいけません。

例えば簡単に縁を切ったり距離を置ければ解決できますが、職場や学校では難しい問題でしょう。

そのため、ネットいじめを受けたと感じた時は勇気を持って対策を講じていく必要があります。それぞれの方法を確認して対策を学びましょう。

加害者への態度と距離感

別れ 去る 手

いじめ加害者は被害者の反応を見て楽しんでいる、もしくは被害者が知らないと思って陰口を言っているかのいずれかです。

反応を楽しんでいる加害者のタイプは被害者の反応を求めているため、相手にしないという対応が効力がある場合もあります。

不特定多数ネットいじめの場合は特に反応をすればするほどエスカレートする傾向もあるのです。

また、加害者と被害者知り合い、かつ被害者が知らないと思って陰口を言っている場合は変わってきます。

いじめを認識していると示し、毅然とした態度を取ることが必要になる場合もあるでしょう。

ネットいじめはこのようにケースバイケースで変わってきますが、いずれも自身の安全を脅かされないように適切な距離を取ることが重要です。

身近な人に相談しながら対処する

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ネットいじめは陰湿で自分だけでは対処が難しい場合もあります。そして心へのダメージも大きいため消耗戦となるでしょう。

そのため身近な人に相談することで問題に対処する味方を増やし、心のダメージを軽くすることが必要です。

例えば可能であれば同級生や同僚、上司など信頼における人に相談や協力をお願いすると良いでしょう。

また、子どものいじめの場合は保護者と先生の両方に相談をしてください。

もし信頼できる友人がいれば悩みを打ち明け、味方になってもらいましょう。

そして支える大人は子どもを守るべき義務があるという認識を強める必要があります。

ネットいじめを放っておくことは存在が脅かされる由々しき事態です。

自身に落ち度があると思わず、まずは身近な人に相談することも大切でしょう。

いじめを止めさせるために証拠を集める

拡大 ガラス レンズ

ネットいじめを本格的に止めさせることを目指すなら、客観的な証拠集めが必要です。

例えば特定の個人を中傷した書き込みなどがこれにあたります。

これらの掲示板やSNSの書き込みはデータとして残るとはいえ、消されてしまう可能性もあるでしょう。

そのため誹謗中傷があった書き込みのスクリーンショットとURL全て保存しておいてください。

些細な証拠でも、ひとまず保存してなるべく証拠となるものを残しておくことが大切です。

悪質なネットいじめは通報も視野に

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ネットいじめの中には非常に悪質なケースもあります。脅迫や誹謗中傷はエスカレートして実害が出る恐れもあるのです。

そのため、悪質なケースに関しては通報も視野に入れましょう。

サイトの運営会社や管理者に削除依頼をすることも一つの手です。もしくは最終手段として警察で被害届を出すという方法も検討しましょう。

身近な人がネットいじめを受けたら?

母と娘 レトロ

自身ではなく身近な人がネットいじめの被害者になることもあるでしょう。その場合は大切な人を守るために支えてあげることが必要です。

いじめを受ける被害者は孤立しやすく、精神的に消耗しきってしまうこともあります。そのため味方がいて助けがあることは何よりも重要です。

そんな時のために身近な人がネットいじめを受けた場合のフォロー方法も見ていきましょう。

本人の心のケアを大事にする

すでにお話した通りいじめは消耗戦です。逃避するのも対峙するにも精神的にダメージを負ってしまいます。

実際にそのような被害者は精神的なストレスによって食欲不振や睡眠障害など日常生活に支障が出ることがあるのです。

さらに精神状態が悪化すればうつ病などの病を患ってしまう可能性もあるでしょう。

そのため、身近な人は被害者の方の様子を伺い、ストレスを溜めない方法を模索するようにしてください。

話を聞いてあげることや気分転換に誘うなど、本人にとって良いと思える方法で行うようにしましょう。

また、ネットいじめを子どもが受けた場合も同様です。未成年者には最終的に保護者が唯一の味方になります。

必ず味方になることを言葉にして伝え、気分が落ち込み過ぎないよう注意して見守ってください。

ネットいじめを止めさせるために協力する

もしネットいじめを止めることで協力する場合は慎重に行動しましょう。

熱くなってしまい加害者に手を出したり、逆に中傷をし返すなど計画にない反撃をしないように注意してください。

何故なら裁判になった時にそのような証拠があると不利になる可能性もあるためです。

いじめを受けた本人としっかりとミーティングを行い、冷静に行動していきましょう。

いじめ対策アプリも検討してみて

近年ネットいじめや誹謗中傷の被害が多くなっている中、いじめ対策をするアプリも出てきています。

以下のようなアプリも視野に入れ、推進や導入をすることでいじめが起きにくい環境にしていくことに繋がるでしょう。

ストップイットジャパンの匿名相談アプリ「STOPit(ストップイット)」

教員現場に導入することで子どもや教員がいじめの相談や通報を匿名で行うことができ、いじめが悪化する前に防止します。

STOPit 匿名報告アプリ/報告管理システム

LINEのいじめ通報アプリ「スクールサイン」

閉鎖空間であるSNSのネットいじめの相談や通報ができます。LINE内で行えるため、子どもでも気軽に相談できることが特徴です。

いじめ匿名連絡サイト スクールサイン

悪質なネットいじめを受けた時の相談先

オフィス 代理人 読む

悪質なネットいじめの場合には以下の3つの相談先も検討してみましょう。

  • 法務省人権擁護局…名誉棄損やプライバシー侵害などの人件問題の相談を受け付ける
  • 弁護士…いじめに対して法的に対応する場合
  • 警察…刑法にあたる名誉棄損や侮辱、脅迫があるもしくは疑わしい場合の相談・被害届の提出

相談の流れはまずは法務省人権擁護局もしくは弁護士での相談から始まり、対処方法を選定することになるでしょう。

その後、必要に応じて警察への相談や被害届の提出をすることになります。1人で悩まず、些細な疑問でも気軽に相談してみてくださいね。

主な相談先への連絡の流れは以下の通りです。

  1. 法務省人権擁護局もしくは弁護士に相談
  2. いじめに対する対処方法を選定
  3. 警察の被害相談窓口またはサイバー犯罪窓口へ相談
  4. 警察で被害届を提出

詳しくは以下のサイトもご覧ください。

法務省人権擁護局

警視庁各都道府県警察の被害相談窓口

都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧

まとめ:心を気づかうことを忘れないように

デイジー ハート ロマンス

ひょんなことからターゲットになってしまい、ネットいじめを受けたという方や現在いじめを受けているという方は多くいます。

特にネットいじめは陰湿で閉鎖空間で悪化しやすいため、簡単に止まらないこともあるでしょう。

そのため、もしネットいじめの被害を受けた場合はまずは自身の心を守るようにしてください。

いわれのない誹謗中傷を真に受ける必要はありません。身近な人へ相談したり、冷静に証拠を集めるなどの行動に移るようにしましょう。

また、法務省などの専門の相談先や対処方法もしっかりと把握して、時々に心を気づかいながら対応していってくださいね。

本サイトの記事は犯罪に巻き込まれない、犯罪を未然に防ぐという観点から書かれたものであり、 実際に犯罪に巻き込まれた場合や身に迫る危険がある場合はすぐに最寄りの警察署までご相談ください。

■警察庁 各都道府県警察の被害相談窓口
https://www.npa.go.jp/higaisya/ichiran/index.html