息をするのも絶え絶えな朝夕の満員電車。そのストレスは多大なるものです。
それに加えて痴漢に遭ってしまったら、明日から電車に乗ることさえ恐怖に感じるほど心身ともに大きなダメージを受けることになります。
ある統計によると、痴漢にあったことのある女性は実に6割強もおり、いつ自分の身に起きてもおかしくない身近な問題であるといえます。
いざ痴漢にあうと、恐ろしさに何も言えず、黙ってしまって泣き寝入りしたというケースも多く耳にします。
しかしその習性や手口を知ることで、痴漢を遠ざけることも可能です。
ここではどのような人が痴漢に遭いやすいのか、また、出没する場所や時間帯等をご紹介していきます。
痴漢に狙われやすい特徴
大人しそう
痴漢に遭っても何も言わなさそうだと思われてしまうと、被害者になりやすいという傾向があるようです。
痴漢は大声を上げられてしまうより、黙って我慢しそうだという人を選びます。
痴漢は、おとなしそうな人を狙う傾向があるため、“痴漢を許さない”という強い意思表示を行うことで痴漢に遭いにくくなります。
引用:受験生が自分を守るためにできること(NHK)
女性らしい外見
痴漢は性的魅力を感じる人をターゲットにするため、長い髪やキレイな肌、いい香りがする等、女性らしさを感じさせる人は狙われやすい可能性が高くなるようです。
露出が多い
露出が多いということは直接触れるのも簡単だということになります。痴漢が狙いやすい恰好の的ともいえます。
関連電車で痴漢に遭いやすい人の特徴は?犯人はどんな人を狙っている?
狙われやすい場所
電車の連結部分
痴漢行為が他の人から見えにくい場所のため、電車と電車の間の連結部分では狙われることが多いようです。
また、犯行を指摘された際に隣の車両へ逃走しやすいことからも痴漢にとっては都合のよい場所です。
座席の端
バスや電車の座席の端は死角が多い場所です。
犯行に及んでいても、手前側に犯人が立ちふさがれば他の人から目撃されにくいということが考えられます。
ドア付近
人に見られそうだと思いがちですが、ドア付近はすぐに逃走することができるので、降りる直前に犯行に及ぶというケースもあるようです。警戒しておきましょう。
人通りの少ない場所
電車だけでなく、夜間の人通りの少ない通りは目撃者も少なく痴漢にとっては最適のロケーションです。
大きな事件にもなりかねないので、辺りに気を配ることを忘れず、できれば明るい人通りの多い道を選びましょう。
狙われやすい時間帯・環境
朝夕の満員電車
嫌が応でも人と接触せざるを得ない満員電車は、痴漢にとって犯行に及びやすい環境です。
中でも朝7~8時台、夕方の5時~7時台は乗客が集中するため、痴漢にも遭いやすい時間帯ともいえるでしょう。
一駅区間が長い電車
あまり知られていませんが、これも痴漢にとっては犯行に及びやすい条件が整っています。
長い間ドアが開かないということは、逃走しにくいというリスクはありますが、長い時間に渡り犯行に及ぶことができるというもの。
黙って耐え忍ぶ女性を狙うのにはこのような理由もあるようです。
夜10時から深夜2時
帰宅ラッシュも山場を越え、人通りが少なくなる住宅街は夜10時から深夜2時にかけてもっとも痴漢が発生しやすくなっているというデータがあります。
痴漢だけでなく、ひったくり等別の犯罪が多い時間帯でもあり十分な注意が必要です。
日中はもちろんのこと、夜間は特にイヤホンやスマホなどの“ながら”行為は控えたほうが安全です。
痴漢にあわないための対策
女性専用車両に乗る
見た目だけで男性と女性を区別する時代ではないので一概にはいえません。
しかし、女性専用車両は少なくとも見た目が女性の人だけが乗っているはずです。
痴漢に遭う確率を減らすことができるという意味で有効な手段のひとつです。
電車に乗るときは、女性専用車両を利用したり、ドア付近等の混雑の激しい場所は避けるようにしましょう。
引用:こんな時間、場所がねらわれる(警視庁)
露出を少なくする
暑い季節はどうしても肌の露出が増えるのは当たり前です。
しかし足や肩回りなど素肌が見える部分の露出が高いことは、痴漢を触発することにもなりかねません。
電車やバスなどの車内ではカーディガンやストールを羽織る等、できるだけ素肌を露出しないように心がけましょう。
姿勢よく凛とした態度を演出する
痴漢が恐れているのは、大声を上げられることだといいます。
うつむいて下を向いていれば、痴漢行為を受けても大人しく我慢しているだろうと思われてしまいます。
姿勢よく立っているだけで、凛として見えるものです。
常に警戒しているという雰囲気を出すことも痴漢行為に遭わないための防犯対策になります。
つねに周囲の状況に気を配り、きびきび歩いている人は、不審者のターゲットになりにくい傾向にあります。
引用:不審者に狙われやすい人の外見的特徴(ALSOK)
防犯ブザー
実際に電車内で痴漢に遭っても防犯ブザーを鳴らすというのは、大声を上げるのと同じくらい難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時はバッグの目立つ箇所に防犯ブザーを付けておきましょう。
ブザーを持っていることがわかるだけでも、痴漢にとっては脅威になります。
また、痴漢が発生するのは電車やバスの車内だけではありません。暗い夜道は車内以上に気をつけなくてはならないともいえます。
いざという時に防犯ブザーを持ち歩くことは、自分の身を守るという意味でも有効な手段のひとつでもあります。
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周りの人たちが助けてあげられること
痴漢に遭った場合、痴漢を撃退できるのは本人だけでしょうか。いいえ、周りの人が助けてあげられる機会もあるのです。
満員電車に乗っている場合は、痴漢行為そのものが目撃しにくかったりすることも。
怪しいと思う人であっても「黒」だと決めつけることができない可能性も多々あるでしょう。
そんな時は痴漢行為をしている人に対してではなく、被害者に対して声をかけるのも一案です。
「具合が悪いのですか?」等の気遣いの言葉をかけてあげると、痴漢は行為自体が見られていると気づく可能性が高くなります。
また、直接話しかけることで被害者がどうしてほしいのかを察することができる可能性が高くなります。
本来であれば、明らかに「この人が痴漢をしています!」と言ってあげたいところ・・・。
それでもグレーな時にはこんな行動も有効なので、もし目撃しているかも?と思ったらぜひ実践してみてください。
これは男性でも女性でもできることです。
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痴漢対策として心がけるとよいこと
痴漢に遭わないために
痴漢行為はきわめて卑劣な犯罪です。
被害を受けた女性は身体を触られるという物理的な不快感だけでなく、男性とコミュニケーションを取る上でのトラウマになってしまうことも考えられます。
とはいえ、できるだけ痴漢に遭ってしまうこと自体を避けたいものです。
まずは、ご紹介した痴漢に遭わないようにするための対策を実行していただくことをおすすめします。
大人しそう、我慢しそうだという印象だけでターゲットにされてしまう可能性もあります。
スマホに夢中にあまり下を向き続けていたり、猫背になっていると“我慢してくれそうな人”だと思われてしまうことも。
まずは意識してご自分の姿勢を見直してみるのもよいかもしれません。
我慢は更なる犯罪を招く可能性も?!
我慢してしまうことは、その場の痴漢行為を助長させるだけでなく、繰り返しターゲットにされる危険性もあるため危険です。
声を出せば、周りの人もSOSに気がついてくれる可能性が高くなります。
自分のためだけでなく、被害が拡大しないためにも勇気を持って痴漢に立ち向かうことが大切だといえます。
まとめ
昨今話題になっているのが、その名も「痴漢レーダー」。
どの電車(路線)で痴漢が多いのかを“見える化”したアプリです。
実際に被害に遭った人だけでなく目撃した人の情報も表示されるようになっているのだとか。
何件発生しているのか数字で示しており、無料で使えるそうなので参考にしてみてはいかがでしょうか。
痴漢行為は性暴力犯罪です。被害者は心身ともに大きな傷を負うことになります。
できるだけ自らが痴漢を遠ざけるような対策を心がけるとともに、目撃した場合は他人のフリではなく、ぜひ被害者に寄り添った対応をしたいものです。
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